腎不全の治療


腎不全の治療は、漢方薬療法だけでは十分とはいえません。しかし、漢方医学的にも様々な臨床的試みがなされています。現時点では総合的に、
1)現代医学による治療(薬物治療、悪化の場合は透析など)
2)食事療法
3)漢方薬療法による機能改善

の3つを併用することがよいのではないかと考えられます。中国漢方と西洋医学を併用する、いわゆる中西医結合による治療が期待できるケースといえます。

腎不全の場合、老廃物・水分を逐次早急に排除することが必要です。一般には、対症療法的に現代医学による薬物治療と、過剰な水分・たんぱく質の摂取を抑える食事療法が行われています。薬物治療は、進行を抑えることが目的であり、また、副作用があるため長期使用が困難です。一方、根本的な治療を考える場合、漢方薬の力を利用することにより、新陳代謝を向上させ老廃物の蓄積をおさえるようにし、かつ腎臓機能を高めることが期待できます。透析が必要な状態になる前に、食事療法・漢方薬などによる状態の改善をめざしたいものです。

その他、前回でも述べましたが、腎不全の原疾患(原因となる病気;糖尿病・高血圧など)を同時に治療することが重要です。その意味では、西洋薬あるいは漢方薬による血糖コントロールと血圧コントロールが欠かせません。

臨床検査値のチェック


腎不全の場合にもう一つ忘れてはならないことは、臨床検査値に対する管理です。特に、検査値のなかでも、クレアチニン・BUN・カリウムなどの数値をみることは重要です。漢方薬を試みる場合でも、これらのデータを定期的にチェックしながら慎重に服用する必要があります。また、自覚症状の改善がみられても、臨床検査値の変化に十分に注意することが非常に大切です。

使用される漢方薬


参考までに、腎不全に使用されている漢方薬を挙げますと、排尿促進には、柴苓湯・防已黄耆湯・猪苓湯など。新陳代謝促進には、大黄剤(温脾湯など)・丹参製剤(冠元顆粒;下記参照)など様々なものがあります。さらに、腎臓機能を補うには地黄剤(六味地黄丸・牛車腎気丸など)も追加されることがあります。但し、症状・全身状態などの個別の状況にあわせて、選択すべき漢方薬が異なるため、漢方に詳しい専門家に相談することが重要です。

食事療法について

食事療法は、腎臓に過剰な負担が長期間かからないようにし、腎臓機能低下を回避する方法の一つです。腎臓機能の低下が進行すると末期腎不全となり人工透析導入に至ります。そのため、腎臓の負担を減らすにはおもに、
① 尿毒素(尿素窒素など)の生成をおさえるよう低タンパク食とすること、
② 血圧を正常にするために塩分を控えること、
があります。特に高血圧は、命にかかわる心不全への直接的原因にもなるため、注意が必要です。
食事療法は現代医学で確立されていますので詳細についてはそちらに譲りますが、タンパク質・塩分の制限量、とるべきタンパク質の種類、必要なエネルギー摂取量などに留意する必要があります。特に、老廃物生成に関していえば、植物性タンパクは動物性タンパクよりも質が落ちるので、豆類および豆腐などの豆製品を控えることも大切です。食事療法は緻密な計算・計画が欠かせないので、必ず医師あるいは管理栄養士の指示に従って下さい。古くから中国医学的にも、飲食は量的に節度をもつことが良いとされています。また、それぞれの食品には温める性質/冷やす性質があり、偏った食事は好ましくないとされています。食事療法がさほど厳しくなく、透析を必要としない時期における食べ物として、中国ではトウガンなどのうり類、鯉などが食されていますので、参考になさってください。

 

日頃の養生について


近年中国でも、急速な近代化で生活が豊かになるにつれて食生活の欧米化が進み、糖尿病に代表されるような生活習慣病が増加した結果、腎不全患者の人口が増えているようです。日本では一足先に腎不全人口が増え続けています。中年期以降は、他の生活習慣病対策と同じように、日頃から不摂生、暴飲暴食、運動不足などにならないように心がけましょう。特に腎不全では、腎臓に負担がかかる過労・ストレスに注意が必要です。また、カゼをひくと抵抗力が落ちて感染症にもかかりやすくなるので、日頃の健康管理に気をつけましょう。

おすすめ漢方薬『冠元顆粒』


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冠元顆粒は、血液循環不良の改善薬として広く愛用されていますが、腎不全の方々への応用でも、臨床検査値の改善など良い結果をもたらしています。血液をきれいにし老化を防ぐというだけでなく、腎臓機能にも良い影響を与えています(但し、用法・用量については漢方に詳しい専門家に必ず相談してください)。詳しくは以下の書籍もご覧下さい。

おすすめ書籍『血管力』


 

丹参製剤である冠元顆粒の腎機能への作用については、近刊の「血管力」(横澤隆子著・リヨン社)
に科学的かつ詳細に述べられていますので、是非ご一読下さい!

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