「歯がきれい!」


 

モンゴルはロシアと中国に挟まれた面積約 156 万平方km(日本の約4倍)、人口約 250 万人、首都ウランバートルに全人口の 3 分の一が集中しており、6~8月の夏以外は- 20 ~ 0℃と厳しい大陸型気候の国です。

都市部で生活する人と遊牧民の食生活は多少異なるものの、やはり中心は羊肉、そして乳製品。野菜類はジャガイモ・人参、最近では耕作の技術も進歩し、トマトやピーマンが栽培できるようになったとか。葉もの類は中国や韓国から輸入しているそうです。

 



実際の遊牧民の住居ゲルに招かれ、ふだん食している乳製品や羊肉料理をごちそうになりました。

 



ウルム」=搾った乳をゆっくり温めて沸騰したら火を止め一晩放置した後に表面にできるクリーム状の黄色い脂の層で、これを皿に折りたたんでスプーンでとり、小麦粉を練って油で揚げた味のないドーナツのようなものにのせて食べます。これやカチカチに乾燥したチーズは子供たちの大好物。私たちも食べてみました。自家製のヨーグルトはおいしかったですが、ウルムは濃厚でチーズは本当に硬い!一口で充分でした。

 



ところで、ガイドさんなど話をしたモンゴルの人ほとんどが真っ白できれいな歯だったので、聞いてみたところ「小さい頃からおやつといえば硬いチーズ。いつもガリガリかじっていたから歯も丈夫、甘くないから虫歯もない。」とのこと。乳製品はカルシウムの固まり、確かに骨や歯は間違いなく強くなるでしょう。

 



「ホルホグ」は代表的な羊肉料理で、金属タンクで肉を蒸し焼きにし、煮汁はスープで頂きます。羊肉は脾・腎を補う温性の食物なので、食後は身体がポカポカでした。これがないとモンゴルの厳冬は乗り切れません。この土地で生きていくための食文化ですね。

 

 

「モンゴルにもあった、伝統医学」


モンゴルの太古からの伝承医学は「遊牧」という特殊な生活様式と深く関わり、古代インドの医薬学アーユルヴェーダの影響を受け、さらに仏教と共にチベットから伝えられたチベット医学によってモンゴルの伝統医学は確立しました。よって、当時仏教の高僧の多くが医療にも携わっていました。1921年以降の旧ソ連の指導下ではこの伝統医学は押しやられて西洋医学が発展しておりましたが、1990年の民主化以降、再び伝統医学が注目されてきました。

モンゴル国立健康科学大学を訪問したとき、難を逃れたチベット語で書かれた医学の教典を見せられ、今後これを解読していくことや、古くから使われていた薬用植物の科学的分析が急ピッチで進められていること、伝統医師の教育と輩出に力をいれていることなどを教えて頂きました。

 

「モンゴル医療事情」


首都ウランバートルにある癌センター、第 3 総合病院、小児病院を見学しました。第 3 総合病院では実際に治療に伝統医学を取り入れており、ハリ治療、マッサージでは羊の脂や牛乳を使用したり、岩塩の中を歩く、湖底の泥を用いた温熱療法、さらに服薬では、ハーブを原料として製造された医薬品を用いて効果を発揮しているそうです。

見学したところはいずれも基幹病院なので、規模は大きく優秀な医療スタッフと設備もある程度整っているものの、医療機器は決して最新のものとは言えません。今後最新の医療機器・技術を導入し、西洋医学+伝統医学をもってさらなる医療の発展を期待します。