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薬膳について

食べて元気!身近な薬膳を楽しむ基礎のキソ

① 薬膳はとっても身近なクスリ


今や薬膳ブーム。日本で薬膳料理というと生薬を使った薬臭いイメージがあり、
また手に入りにくい生薬や素材が使われ「病気になってから食べる食事」「専門店・専門家の料理」と、
特別なものと考えられているかもしれません。しかし、中国での「薬膳料理」は、
昔から健康を維持するために季節や体調に合わせて毎日食べられてきた
「家庭料理」
であります。中国の家庭では毎日の料理を作るお母さんは「家庭のお医者さん」なのです。


 


 


② 梨は体を潤す「美味しいクスリ」


たとえば、秋に香り豊かに実る「梨」。秋は空気が乾燥し、喉の痛みや咳が起こりやすくなります。この時期に収穫される「梨」
は炎症を起こした喉の熱を冷まし、渇きを潤す作用があります。「梨」は美味しいだけではなく、体を潤す立派な薬膳材料の一つだったのです!


③ 薬膳の考え方


こうした薬膳の考え方は取りも直さず中医学の考え方となります。中医学のもとになっているのは『五行学説(ごぎょうがくせつ)』
という考え方で、自然界は「木」「火」「土」「金」「水」の五つの要素から構成され、相互に関係し合っているとされます。
また人間も自然界に存在する一種類にほかならず、自然の力によって生かされているのだから、
自然の変化に従って生きるのが大切とも考えられています。


つまり、乾燥した季節には人間の体内や皮膚も乾燥しがちになり、湿気の多い季節には身体に余分な水分がたまりやすくなるなどと、
気候や風土から受ける影響はとても大きいためそれぞれの気候・風土に応じた生活の仕方が必要になります。食物も自然界の一つなので、
適した時期に実ります。 自然界の恵みである食物を上手に取り入れて環境の変化に対応 し、柔軟で丈夫な身体をつくりましょう。


④ 食物には五つの味がある


中医学の世界でキーワードとなる 「5」 の数字。
実は食物の味も五行学説的に5つ( 五味 (ごみ)に分けています。
そして、食味によって異なる作用があるとされています。また五味はそれぞれ体の五臓(ごぞう)、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」
と密接に関わって働きかけます。食養生ではそれらの働きをうまく利用して体質や体の不調を治していきます。




⑤ 食物には五つの性質がある


生薬だけではなく、日常食べる食物にも体を温める、または体を冷ます性質があります。これらの性質を食性といい、やはり5つの性質(
五性 )に分かれます。



⑥ 薬膳という考え方から「食物」を知る


以上、薬膳のキソを押さえた上でもう一度「梨」について考えてみましょう。


 



















五味



五性



五臓



作用



 


甘味



 


寒性



 


脾・肺



脾と肺に入って働く


熱を冷まし、肺を潤して咳を止める喉の痛みや渇きを和らげる



 


肺は乾燥を嫌う臓器。秋の乾燥は肺の天敵。肺が弱ると呼吸器系のトラブルが発生します。秋のカラ咳などには肺を潤すことが必要です。
梨は肺を潤して、喉の炎症を抑える他、消化酵素を含んでいるので風邪で弱った胃腸を助ける作用があります。梨はこの時期に、
実に理にかなった果物 だったのです。トラブルが起きた時にはもちろん、
乾燥しがちなこの季節に積極的に摂りたい果物です。ただし、体を潤す反面冷やす作用もありますので、
一度にたくさん摂ることは注意が必要ですよ。


さぁ、これで薬膳の基礎は終了です。毎日の薬膳をはじめましょう!
このコーナーでは私たちに身近な素材を使った誰でも簡単に作れる薬膳をご紹介していきます。構えず、気楽に取り入れてください。
次回をお楽しみに!!


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