今回は少し専門的に。
中国漢方の理論では肌が内臓と密接な関係を持つ事を「肌は内臓の鏡」といいます。ここで言う「内蔵」とは、肝・心・脾(胃腸)・肺・腎の五臓を指します。これらは西洋医学の心臓や肝臓とは必ずしも一致しない考えかたですから、まずそれを心にとどめて置いてください。今回は、この五臓はいったいどんな働きをし、肌とどんなつながりがあるのか。五臓が乱れたら肌にはどんな影響が出るのか。またそのときの対処方についてご説明します。

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sweaty-skin / Jo Andre Johansen


 



「心」の動きが弱くなり、気(エネルギー血(良質血液)が不足すると、肌を潤すことが出来なくなり、顔色が青白くなって、艶がなくなります。中国漢方では「心の花は顔に咲いている」と言われるとおり、イキイキ血色の良い顔色は「心」 の状態に関わっています。

心系等にトラブルがあると:動悸・胸の痛み・不眠・夢が多い・物忘れ肌の症状:顔色が蒼白・艶がないおすすめの食品:竜眼肉(りゅうがんにく)・ナツメの実・ハスの実・ゆりの根よく使われる漢方薬:天王補心丹(てんのうほしんたん)・麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)





「肺」系統が衰弱すると、皮膚には潤いが無くなり乾燥してきます。中国漢方では 「肺は皮毛(ひもう)をつかさどる」と言う説があります。肌に最も影響を与える内蔵です。肌のバリア機能や肌に栄養を送る気力は肺系統と関連しています。肺系統が衰弱すると、十分な栄養が得られない肌は潤いをなくしやすいのです。

肺系等にトラブルがあると:咳・喘息・多汗・風邪をひきやすい
肌の症状:肌がかさかさ・艶がない・汗をかきやすい・蕁麻疹が出やすい・ニキビがでやすい
おすすめの食品:朝鮮人参・西洋人参・アンズ・松の実・ゆりの根・梨・びわ・銀杏
よく使われる漢方薬補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・衛益顆粒(えいえきかりゅう)・八仙丸(はっせんがん)





「肝」系統にトラブルが生じると、精神状態が不安定になり、わけも無くイライラし、 胸や脇が張って苦しい感じがあります。また肝が弱っていると、疲れ目、かすみ目になる事が多くなります。 爪の栄養も主に肝から受けているとされ、爪に艶がなく、われやすいなどの現象が見られこともしばしばです。

肝系等にトラブルがあると:胸、脇、腹部が張る・イライラ・怒りっぽい・手足が震える
肌の症状:肌色は蒼白・爪の光沢が無く割れ易い・シミ、たるみ
おすすめの食品:レバー・ナッツ・竜眼肉・枸杞子(くこし)・朝鮮人参・菊花・ミント・羊肉
よく使われる漢方薬四物湯(しもつとう)・婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)・星火逍遥丸(せいかしょうようがん)





「脾(胃腸)」は中国漢方では消化吸収機能と密接に関わっています。消化吸収機能が衰えれば、肌、唇、爪などが蒼白になり、体も痩せます。中にはむくみの症状が出る人もあり、いずれも老化のスピードがアップします。美肌になるためには脾の機能を高めなければなりません。

脾系等にトラブルがあると:食欲がない・お腹が張って苦しい・便がゆるい・ むくみ
肌の症状:顔面蒼白または黄色い・痩せてむくむ・湿疹が出やすい
おすすめの食品:山芋・朝鮮人参・ナツメの実・山椒・インゲン豆・もち米
よく使われる漢方薬:健胃顆粒(けんいかりゅう)・健脾散(けんぴさん)





「腎」系統は泌尿器系の機能だけでなく、生殖、 発育をつかさどり、老化のプロセスに関わる大変重要な臓器です。腎が虚弱すると発育が悪くなり、 身長も伸びず知力も低下することがあります。成人は老化のスピードが早くなり、肌にはシミやシワが増えます。抜け毛、 耳鳴りなどの老化症状も見られます。老化を防止して、美肌を維持するために、腎を養うのは大事なポイントです。

脾系等にトラブルがあると:腰、膝が痛みやだるさ・耳鳴り・難聴・白髪・脱毛・インポテンス・不妊・生理不順・頻尿・失禁
肌の症状:シワが多い・たるみ・シミ・白髪・抜け毛が多い
おすすめの食品:黒ゴマ・くるみ・桑の実・ニラ・エビ・牡蠣・羊肉・枸杞の実・ スッポン
よく使われる漢方薬海馬補腎丸(かいまほじんがん)・八仙丸



今回は中国漢方を重視した五臓と肌の関係をご説明しました。ご参考になりましたでしょうか?
これを機会にご自身の五臓の若さをチェックしてより良い肌を作りましょう。内面からの美しさは肌にはとても重要ですよ!!