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不妊と漢方(3)高プロラクチン血症

木梨 聡子

高プロラクチン血症ってな~に??

まずプロラクチンとは乳腺を刺激して母乳を出す催乳ホルモンで、脳下垂体から分泌され普通は妊娠~出産後に多くなります。このホルモンには排卵を抑制する働きがあり、よって出産後の授乳中に月経がこないのはこのホルモンのためです。

しかしこのホルモンが妊娠出産の時期以外に何らかの原因で異常に高くなると乳汁が分泌し、さらに視床下部から放出される刺激ホルモンを抑制し排卵障害や黄体機能不全を起こし、結果的に妊娠しにくい状態になります。このことを「高プロラクチン血症」といいます。

他に乳汁分泌もなく数値も正常ですが夜間にプロラクチンが上昇する「潜在性高プロラクチン血症」や脳下垂体の良性腫瘍によってプロラクチンが大量に分泌される「プロラクチノーマ」があります。

高プロラクチン血症になる原因は?

現代医学では・・

  1. ストレス(自律神経のバランスが崩れる)
  2. 薬剤性(胃潰瘍薬や精神科からだされる治療薬など)
  3. 脳下垂体に腫瘍(頭痛や吐き気、めまい視野狭窄の自覚症状あり)

中医学では・・

  1. 肝気うっ滞
  2. 肝腎不足
  3. 脾虚痰阻

いくつか原因はありますが一番多いのは肝気うっ滞すなわちストレスによる場合です。
中医学では気の流れを司る肝と密接な関係があるとみます。
精神的な抑うつやイライラ緊張感が続くと気の流れが滞り、肝がダメージを受け肝経上の下腹部・脇腹・乳頭(乳房)が張って痛む症状や、月経不順や月経前後の不快な症状がみられます。気血の流れが乱れると下に行くべき血が逆行し肝経に沿って乳房に入り乳汁となって出てくると考えられています。

解決策は?

現代医学では脳下垂体の腫瘍の場合は外科的処置になりますが、潜在性を含む高プロラクチン血症に対してテルロン、パーロデルのようなプロラクチンの分泌を抑制する薬を使います。しかしときに吐き気等の副作用が強くでることがあります。
中医学では肝の気の流れをスムーズにさせる漢方薬を中心に個々の体質や体調をみながら調節していきます。
その中で麦芽がプロラクチンを下げる効果があると注目を集めています。古くから退乳する時に使われていましたが高プロラクチン血症に有効であると臨床で応用されています。
特に、乾燥した生の麦芽を炒った「炒り麦芽」がより効果的で1日に60g煎じて服用します。今はこれのエキス顆粒が商品名「炒麦芽」(保健食品)として販売されていますのでさらに手軽に服用できます。

高プロラクチン血症の主な原因がストレスであることから、現代の女性はいかに多くの精神的ストレスの中で生きているかを思わずにはいられません。特に不妊治療を続けておられる方は毎日基礎体温をつけながら一喜一憂したりと常に気が張った状態ではないでしょうか?できる範囲で周囲の協力を得ながらストレスを解消しリラックスの時間を多く持って、時には自分へのご褒美もしつつ・・日々楽しく過ごしましょう!

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