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不妊と漢方(4)多嚢胞性卵巣症候群

木梨 聡子

多嚢胞性卵巣症候群とは

女性不妊の原因のひとつに排卵障害があり、その中で「多嚢胞性卵巣症候群」 (PCOS)は排卵障害の20~40%を占めると言われています。
この病気は、卵子は育つものの卵巣の膜が硬くて排卵できず、卵巣の中にその排卵しない卵胞が多数並んで、 超音波で見るとまるでネックレスのように見えることから「ネックレスサイン」と呼ばれています。

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多嚢胞性卵巣症候群では無月経・不正出血・多毛・にきび・肥満・乳房発育不全などの症状を呈することがあります。

月経の2~5日目のホルモン値は通常FSH(卵胞刺激ホルモン)>LH(黄体化ホルモン)のところ、 多嚢胞性卵巣症候群ではFSH<LHとなります。これは排卵させようとして常に脳から指令が出されているためLHの値が高くなり起こります。

無排卵のためエストロゲン分泌が異常になり、おりものが多くなったり無月経や不正出血に、さらには男性ホルモン: アンドロゲンの分泌異常から多毛やにきびが出やすくなります。
また、多嚢胞性卵巣症候群は、血糖値を下げるホルモン=インスリンと関係があり、インスリンの分泌が多いと排卵しにくくなります。

西洋医学的な治療は、外科的手術や、服薬では排卵誘発剤が主に用いられますが、 最近ではインスリンを減少させる糖尿病薬を使用するようです。

中医学的にはやはりその方の体質をみて使う薬を選んでいきますが、 硬くなった卵巣の膜は血行が悪くドロッと汚れた物質の痰湿がたまっていて、この膜を柔らかくするために血液の流れを改善する”活血薬” と痰湿を除く”化痰薬”を、卵子の発育と排卵させる力をつけるために”補腎薬”を、そして男性ホルモンを低下させると言われている 「芍薬甘草湯」などを使います。

生活面では規則正しい食生活と運動や十分な睡眠、またストレスをためないように心がけることはもちろんですが、 特にこの病気はインスリンと関係が深いので糖分の過剰な摂取は控えましょう。

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