女性の体の悩み

薬膳

漢方百科

不妊症

不妊と漢方(7)二人目が出来ない

中野店 萬代 誓

二人目不妊が増加している理由

 一人目は簡単に授かったのに、二人目がなかなか‥あれよあれよという間に年月が過ぎていき焦りだす‥という方が増えているようです。 一般的には「二人目不妊」「第二子不妊」などと呼ばれることが多いようですが、専門的には「続発性不妊」と言われます。
 この「二人目不妊」が増加している原因は様々言われていますが、はっきりした理由はわかりません。ただし一つだけ間違いないことは、 「二人目の妊娠時は、一人目の妊娠時より確実に年齢が高くなっている」という事実です。「年齢」は妊娠の確立を下げる大きなファクターです。 そして、初産の年齢がどんどん上がっている現在では、二人目を授かる時にどうしても「年齢」がネックになってしまうのでしょう。残念ですが、 どうしても二人目は授かりにくいのです。
その他医学的には以下の理由が考えられています。
1、 出産や妊娠によりホルモンバランスが崩れる
2、 一人目出産後の授乳で増えるホルモン(プロラクチン)が高値で推移してしまう(高プロラクチン血症)
3、 出産時などに感染症や外科的な要因が生じてしまう

 PHM06_0294

二人目不妊の漢方的な理由は‥

 さて、漢方で考えると二人目不妊の理由はどうなるでしょうか。もちろん体質によってその原因は異なるのですが、 主に以下のような要因が考えられます。

1、 産後の養生が足りなかった

 一人目の出産後にすぐに働きに出たり、周りに助けてくれる家族が少なく一人で育児に大忙しであったという方が多いようです。昔は 「100日間は外に出ない」「お母さんは1ヶ月は炊事・洗濯はしない」などの言い伝えがあったようですが、 今は核家族化の問題や現代社会のシステムからそんな悠長なことも言ってられない状況ですよね。 しかし漢方では産後の養生が次の出産につながる大事なプロセスと考えます。
 特に出産後は体を温め、出産で失われた“血”を補うことが大切です。家でも靴下をはき、出来るだけ外出は避けるべきです。 中国ではお風呂も良くないとされています。
 さらに授乳も“血”を消耗します。積極的に“血”を補う食材を食べると良いでしょう。また産後には「お血=血液ドロドロ状態」 にもなりやすく、「悪露」をしっかり出す必要もあります。産後太りはこの「お血」が関係している場合も多く、その対処が大事になります。
 以上のような産後の養生をきちんと行うことが、二人目不妊を防ぐだけでなく、お母さんの健康な生活維持につながるのです。

2、 育児疲れやストレス

 出産後のお母さんは本当に大変。想像していたより、ずっと忙しい育児という「仕事」に、 体力だけでなく精神的にも消耗してしまう方が多いようです。楽しんで子育てが出来ている人ももちろんいますが、理想とは違う現実に戸惑い、 悩んでいる方が圧倒的です。子供がなかなか寝ずに睡眠不足になり、食事もゆっくり摂れないとなれば、それだけでも“気血”は消耗し、 「気血両虚(エネルギーや血液の不足)」の状態になります。
 さらに輪をかけて、今までに体験したことのないストレスが加わります。思い通りにならない赤ちゃんを目の前にして自分一人。 ご主人も帰りが遅くて助けてくれないとなればストレスがたまることは必然です。これは漢方的には「気滞(きたい)=気の巡りが悪い状態」 を引き起こします。
これらの出産後の負担が、お母さんの体のバランスを崩し、二人目不妊の原因となることも多いのです。

3、 年齢的なリスク

 人間は必ず老化します。女性が生まれた時から存在する卵もどうしても年をとっていくのです。
漢方では五臓六腑の一つ「腎」が生殖や老化に関わるとされ、この「腎」の働きが弱くなってしまうことが二人目不妊につながります。「腎」は 「気血」の激しい消耗により傷つきますので、先に述べたような「出産」や「育児」という出来事により徐々に衰えてしまいます。
 またこの「腎」に関しては男性も他人事ではありません。仕事がとても忙しく、睡眠が著しく不足している方などは、日々「腎」 が弱くなっている、とも言えるでしょう。

それぞれの体質に合わせて漢方薬を!

 では「二人目不妊」になってしまったらどうすればよいのでしょうか。 その方が現在どのような体質なのかを見きわめて漢方薬を選択することが大切です。例えば授乳期間の長かった方は「血虚=血の不足」 である可能性が高いと思いますし、育児ストレスの多かった方は「気滞=気の巡りが悪い状態」があるでしょう。 その方に合わせた治療法を選択すべきですが、以下に代表的な漢方薬を記しましたのでご参考ください。

血虚;
代表的な漢方薬・・・婦宝当帰膠
≪起こりやすい要因≫難産だった、授乳期間が長い、悪露がなかなか止まらなかった、睡眠不足が続いた

気虚;
代表的な漢方薬・・・補中益気丸
≪起こりやすい要因≫難産だった、食事が思うように摂れなかった

気滞;
代表的な漢方薬・・・星火逍遥丸
≪起こりやすい要因≫育児ストレス

腎虚;
代表的な漢方薬・・・参馬補腎丸
≪起こりやすい要因≫高齢出産、難産、育児により体力を非常に消耗した


いろいろと述べてきましたが、一人目が授からない人よりも、一度でも出来たことがあれば、妊娠の可能性は高いことは間違いありません。 簡単に言えば、出産前の体を取り戻せば大丈夫。出産や育児で疲れてしまった体を、漢方薬で“手入れ”して、ぜひ可愛い二人目、 三人目の赤ちゃんを授かって下さいね!

<<前の記事

次の記事>>

ikanopはイスクラ漢方薬局(東京都)がご提供する漢方知識・健康相談の漢方情報サイト。

中医学の専門家による正しい漢方知識が身に付く漢方百科で不妊症・冷え性・にきび・便秘など女性の体の悩みと漢方の対処法をご説明しています。漢方に詳しい薬剤師に相談できる「2分で健康相談」をご提供しています。イスクラ漢方薬局の店舗(日本橋・六本木・中野・新宿)をご案内します。漢方に詳しい薬剤師が相談の上で体質や症状に最適の漢方薬をお勧めいたします。