西洋医学的な見解と漢方の診立てとの関係


 今回は医学的検査結果と漢方の診立てとの関連性を考える、第2回目のコラムです。第1回目もぜひご覧下さい。

 西洋医学的な不妊治療をされている方は、妊娠のメカニズムについて、現在の医学でも結局まだまだわからない点が多いのだな、と実感されることもあるのではないでしょうか。その問いに答えを出してくれるのが漢方。「なぜ?」という疑問が漢方的理論で説明がつく場合が多いのです。特に西洋医学での対応が難しい場合や、ホルモン治療などに違和感を覚える方は、一度漢方薬局で相談されるとすっきりするかもしれませんよ。

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それぞれの検査方法について


5、 超音波検査


 超音波検査は、どんどんその機器の精度が高まっていることもあり、手軽に行える検査方法として、非常に有用な技術となっています。不妊治療において基礎的で不可欠な検査とも言えるでしょう。3次元で見ることの出来る機器も登場し、専門家でなくとも非常にわかりやすく画像として捉えることが出来ます。
 この超音波検査では「多のう胞性卵巣症候群」や「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「卵巣腫瘍」「子宮の形態異常」などの診断がある程度可能となります。また卵胞の発育状態を見ることにより、排卵日を予測するためにも使われます。さらに子宮内膜の厚さ(排卵の頃に7ミリ以上となるのが良いとされます)や状態の観察にも使用されます。

 この超音波検査で物理的障害が濃厚となった場合は、手術などの外科的処置を勧められることもあるでしょう。ただし場合によっては漢方的に改善が可能である場合もあります。各症状別のコラムをぜひご覧になってください。

多のう胞性卵巣症候群

子宮筋腫

6、 卵管造影検査


 卵管と子宮の異常を、造影剤を使って調べる検査方法です。卵管の異常による不妊は非常に多いとされますが、この検査をしないとその診断が確定できないため、医師から勧められることが多々あるようです。造影剤の注入の際にやや痛みを伴うことが多いとされますが、個人差も大きいようです。この検査によって、卵管の通りが良くなり、妊娠する可能性が高くなるとされています。

 この検査で卵管の閉塞または狭窄が見つかった場合、その程度にも依りますが、卵管形成術などの外科的治療が勧められる場合もあるでしょう。または体外受精という選択肢も出てきます。卵管が詰まっているといっても、その原因は粘液の固まりであったりすることが多く、漢方的に考えた場合「痰湿」「お血」などの体質を改善することにより、良い結果が出る場合もあります。

「お血」体質の改善には 「冠元顆粒」、「痰湿」体質であれば「イスクラ温胆湯」などの漢方薬が使われますが、 漢方薬局で詳しく相談した上で服用をお決めになるといいでしょう。


7、子宮鏡検査


 子宮鏡検査は、見ることが難しい子宮内腔の状態を把握するための検査です。いわゆる内視鏡ですが、器具の改良により簡便に行うことが可能になってきており、子宮内の手術に応用されることもあります。ファイバースコープなどで行う場合は痛みもほとんどないために、麻酔もしません。「子宮内膜症」「子宮筋腫」のより具体的な状況把握が可能となります。

 この検査結果と漢方の関係についても別コラム「子宮内膜症」「子宮筋腫」などをご覧ください。

 なお男性の検査も必須です。女性より負担がかからない検査が多いので、原因が男性と女性のどちらにあるか分からない場合には、女性が検査するより先に精子の運動率や奇形率を調べるべきでしょう。男性の検査とその対策に関しては「男性不妊と漢方」のコラムをご覧ください。

 2回にわたって、西洋医学的検査と漢方の関係に触れてみました。まだまだ漢方はマイナーな治療方法ですが、非常にデリケートな女性の体を長年の経験から導き出された理論によって整えていく方法は、意外と理にかなっているものです。漢方を試すのであれば、しっかりとした診断のもとで、適切なお薬を服用してください。きっと良い結果が待っていますから…

参考図書;不妊ケアABC(医歯薬出版)