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中医学を学ぼう!

「心」の病理

心の乱れによって引き起こされる症状とは


心には

  ・  血脈を主る
  ・  神志を主る

などの生理機能があるとされます。よってこの働きが損なわれると血流に関係する障害や精神面の症状が表れやすくなります。
具体的には

  ・  動悸(狭心症)
  ・  血圧 の異常
  ・  イライラ又は鬱
  ・  睡眠障害

などが挙げられます。

心は火の性質を持つため、「過剰になり上昇しやすい」臓器とも言えるでしょう。

 

心の病理


心の病証は大きく実証と虚証に分けられます。実証は機能が亢進した状態、虚証は機能低下や栄養不足の状態です。

1.心の実証


① 心火上炎(しんかじょうえん)
五行の性質で、「心」は火の性質を持っています。よって、熱を持って燃え上がり易く、興奮状態を導きます。

おもな症状はイライラ、胸の悶え、不眠、多夢、顔面の紅潮等で、さらに悪化すると狂乱状態に陥ることがあります。また口内炎や舌炎を起こしやすく、舌は紅色、脈拍は速くなります。

 

心血 お 阻(しんけつおそ)
「血 お(けつお)」 のために心の働きが阻害された状態をいいます。主な症状は、動悸、胸の圧迫感、胸部の痛み、左腕のしびれ、不眠、不安感などがあり、舌の色が暗赤色から暗紫色を呈し、舌に暗い斑点があらわれる場合もあります。

中医学では「血 お」 を取り除くために「活血化 お(かっけつかお) 」という方法を取ります。例えば「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」という漢方薬が使われ、「血 お」が原因 の症状を改善します。


2. 心の虚証


心の気、血、陰、陽のどれが不足しているかにより病証を区分けします。

1)心気虚(しんききょ)
心の機能低下、特に循環機能の低下した状態と考えられます。主な症状は、動悸、息切れ、倦怠感、無力感などで、これらの症状は気を消耗する(体を動かす)と悪化します。心気を補う「補益心気(ほえきしんき)」が治療方針で、「炙甘草湯(しゃかんぞうとう)」などの漢方薬が主に使用されます。

2)心陽虚(しんようきょ)

心気虚の状態が長く続くと、やがて心陽虚へと発展します。これは心気虚の症状に、手足の冷え、寒がり、顔色が青白いなど「寒」の症状が加わった状態です。

3)心血虚(しんけっきょ)

体液や血液の不足からくる心の栄養不良状態が心血虚です。症状は、動悸、不眠、夢が多い、物忘れしやすい、めまい、顔色が白い、
舌や唇の色が薄い等があります。「心血虚」に対しては「養血安神(ようけつあんしん)」が治療方針となり、「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」などの漢方薬が主に使用されます。



4)心陰虚(しんいんきょ)

体液の不足から生じる心の栄養不良状態です。動悸、不眠、多夢、物忘れしやすい等の症状は「心血虚」と共通です。加えて、
決まった時間に微熱が出る(潮熱と呼ばれます)等の「虚熱」の症状があらわれます。「滋陰安神(じいんあんしん)」が治療方針で、「天王補心丹(てんのうほしんたん)」などの漢方薬が主に使用されます。「心」が安定すると、体全体が落ち着きます。ぜひとも「こころ」を健康に保つような生活を目指して下さいね!

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