毎晩ではなく、周期的に睡眠状態が悪化する。思い返してみるとそれは生理前だった、なんてことはありませんか?普段は眠れるのに、生理前になると不眠になり、生理が終わるとまた眠れるようになる。そんな症状はありませんか?生理前の不眠、これもPMSの一つです。

月経の始まる1~2週間前から起きる様々な不調を総称して月経前症候群(PMS)と呼びます。その不調の症状は、身体的なものから精神的なものまで人によって本当に様々なのですが、それらの症状の中の1つとして眠気に関する症状があります。

生理前に眠くてたまらないと言う声がある一方で、不眠を訴える方は少なくありません。

なかなか寝付けない。眠りが浅くて夜中何度も目が醒める。眠っていても夢ばかり見て寝た気がしない。頭が冴えて一睡もできない…などなど。一口に不眠と言っても、その眠れないタイプもまた様々です。

月経前の症状は、一般に女性ホルモンのバランスが崩れることで様々な症状が現れると考えられています。月経前だから仕方ないと放っておくのではなく、毎月起きるのであれば少しでも改善したいですよね。中医学では月経前の不眠をいくつかの体質別に考えています。

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西洋医学的に見る原因と対処法

いわゆるPMSとは、排卵後からの高温期に生じます。排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が促進され、体内のホルモンバランスが大きく変動する時期です。

この時期に、黄体ホルモンが不足していたり、卵胞ホルモンが過剰だったりとバランスが整っていない事などによって様々な症状が現れると考えられていますが、はっきりとした原因は不明です。

そのため、薬も安定剤や睡眠導入剤などを処方される事が多いようです。

生理前の不眠を中医学的にタイプで分けると

<肝や胆のトラブル>

ホルモンの分泌やバランスを整えたり、自律神経を整えたりするのは、「肝」の臓が司っていると考えられています。また、肝臓は血を貯めておく臓器でもありますが、生理前は血液が子宮内膜を厚くするために子宮に集中し始め、肝の血が不足気味になっていく時期です。

そのため、排卵後から高温期にかけては「肝」が消耗し、場合によっては暴走する時期。そうすると、交感神経(活動時)と副交感神経(睡眠時)などの自律神経のバランスが不安定になり、うまく睡眠状態に入れない不眠症状が出てくるのではと考えられています。

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こういったタイプの方は、その他に、胸・お腹が張る、イライラする、気持ちのアップダウンが大きくなるなどの症状を伴うことが多いです。漢方薬では、肝を整え、身体の中の巡りを良くするような逍遥丸や加味逍遙散、イスクラ温胆湯を用います。

<肝火>

ストレスなどにより肝が熱を持ってしまう場合があります。すると、熱は上に昇る性質があるため上がった熱により、口渇や頭痛が起きたり、イライラが抑えられずに爆発しヒステリーを起こしてしまう、などの症状が現れたりする場合があります。

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不眠状況も、目がらんらんと冴えてしまって一睡もできない、寝ても悪夢を見たり、仕事の夢を見て寝た気にならないなどの傾向があるようです。こういった方には、瀉火利湿顆粒や柴胡加竜骨牡蠣湯、ミンハオ(眠好)などを用いて肝の熱を沈めます。

<気血の消耗>

漢方では、質の良い睡眠には、充分な気や血が必要と考えられています。高温期はその名の通り体温を上げている時期。体温を上げ、且つその期間を約10日持続させるのに、身体はかなりのエネルギー(=気)を必要とします。この高温気を維持し、また、子宮内膜に血液を貯めるために、エネルギーや血を消耗し過ぎてしまい、疲れているのに眠れない、全体的に眠りが浅く疲れが取れないような状態に陥るとも考えられています。

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また、他にも、だるい・疲れやすい、動悸、不安感や落ち込みがひどくなるなどの症状を伴ったりします。このようなケースには、気血を補いながら気持ちを落ち着かせる、帰脾湯やイスクラ酸棗仁湯などを用いる場合があります。

 

漢方薬は睡眠薬と違って、直接的に睡眠を誘発するようなはたらきは持っていません。そのため、飲んだらすぐに眠くなると言うわけではありませんが、不眠が起こる原因を解消することで、眠れるようにしていくことから、より自然なかたちで睡眠に導いてくれます。

生理前のライフスタイル

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・身体を温め、夏でも身体を冷やさないようにしましょう。身体を冷やすと身体の様々な調節機能が低下してしまいます。また、生理前の身体は高温期。体温を上げるために作らなければならない熱量が増えてしまい、身体が余計に消耗してしまいます。

・昼間はなるべく外に出て太陽の光を浴びましょう。自律神経などは太陽の光などによっても調節されています。できるだけ自然の光にあたりに行きましょう。

・「肝」はストレスのクッションとなる臓なので、できるだけストレスをためずリラックスできるよう、仕事などもハードにならないように調整をしましょう。それが難しい場合は、腹式呼吸でできるだけ深呼吸を心がけて。気の巡りが良くなり、気持ちが安定します。

・アルコール、カフェイン、刺激物、辛いものは控えましょう。これらのものは身体の中に熱を生み、気持ちを昂ぶらせてしまいます。

・ハーブではカモミールが気持ちを落ち着かせ寝付きに良いようです。お茶にしたりお風呂に入れるのも良いでしょう。

まとめ

睡眠中は、身体は実は休んでいるわけではなく、その間に細胞や組織の修復や作りこみを行い、次の日に向けて準備をしている時間です。

生理前は女性の身体が一番エネルギーを必要としている時。それなのに質の良い睡眠が取れていないとなると、ひたすら身体を消耗させてしまう悪循環に陥っている事になります。

毎月のことだからと諦めるのではなく、逆に言えば毎月のことだからこそ少しでも改善して、より快適な毎日を過ごせるように取り組んでみましょう!

上記はほんの一例です。漢方薬の服用をご希望の場合は薬局にてご相談ください。




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