黄体機能不全


こんにちは。今回のテーマは、不妊症の原因のひとつである『黄体機能不全』です。妊娠に向け、女性の体は女性ホルモンによりコントロールされています。そのホルモンにより、卵子を排卵させ、妊娠が成立しない場合は次の周期に向けてリセットするため月経を起こします。つまり、妊娠するためには、月経から排卵までの期間に「よりいい卵を育て」、排卵から高温期の前半の期間に「よりいい状態で妊娠を待つ」ことが必要とされます。

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ところが、「卵胞が十分に育っていない時」や「子宮内膜のプロゲステロン感受性が低下している時」、「排卵前のLH分泌が低下している時」などは、黄体からのホルモンが適切に反応せず(つまり黄体機能不全の状態)、妊娠へ向けての体の準備ができなくなります。

 

~黄体機能不全の診断基準~


☆ 高温相の持続が9日未満
☆ 高低の温度差0.3度以内
☆ 子宮内膜の厚さ6mm未満
☆ プロゲステロン10ng/ml未満

 

黄体ホルモン (プロゲステロン)


女性の体には、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)が大きく作用しています。この2つの女性ホルモンのうち黄体ホルモンは、成熟した卵が排卵した後の残された卵胞が黄体化して分泌されるホルモンです。黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用は、子宮内膜の状態をフワフワに柔らかく厚くして、受精卵が着床しやすいようにしてくれます。しかし、この黄体ホルモンの分泌が少ないと反応が鈍り、子宮内膜が薄かったり、高温期が短かったり、高低の温度差がなかったりします。

 

漢方での対応


黄体機能不全の原因として、漢方では

1. 腎虚(黄体期は腎気の働きと関係があり、腎の働きが低下して発症する)
 2. 肝鬱(肝気が停滞して、その結果肝から腎へと影響を及ぼし発症する)
 3. 血オ(血液の運行が停滞して、その結果血がうまく巡らず発症する)
 4. 血熱(慢性病や疲労などにより血が不足して陰虚血熱となり、その結果血がうまく巡らず発症する)
 5. 脾虚(暴飲暴食や不摂生などから脾気が低下し、その結果脾から腎へと影響を及ぼし発症する)

などが考えられます。

また、黄体機能不全の方の多くは「腎陽虚」に当てはまる為、当帰・地黄・芍薬など血液を補う生薬(血薬)や補腎薬、鹿茸などの体を温めて陽気を上げる動物生薬(補陽薬)がよく用いられます。人によってはいくつもの原因が重なっていることもあり、状況によって使う漢方薬は異なってきます。詳しくは、お近くの薬局にてご相談することをお勧めします。

 

日常生活のなかに中医学知識を


黄体機能不全の方の多くは冷えが大敵です。これからの季節、冷房が強くなってきますのでなるべく冷えない格好をして、生野菜や生もの・氷の入った冷たい飲み物などはなるべく避けるようにしましょう。また、卵胞が十分に育つように女性ホルモン様作用のある豆類や、卵の栄養は卵からということで血作用のある葉酸が含まれている魚卵などをとるようにしましょう。ストレスも大きく影響してきますので、没頭できる趣味を探して、ハーブティーなどでリラックスできるようになるとよいですよ。

赤ちゃんを授かる為には、西洋学的治療、漢方治療、気功や針治療など様々なアプローチ方法があります。でも一番大事なことは母体があっての子宮・卵巣だということです。冷えの強い人は、冷えを治すことにより温かい子宮卵巣を作り本来の自分のホルモンバランスを保つこと、胃腸が弱く体重の少ない人には、胃腸を強くし体重を増やし子宮卵巣に栄養をつけること、肥満気味の人は、体重を減らし余計な脂肪・水分を取り除くことなど、日常生活でちょっと気をつければ妊娠しやすい母体に近づくことは可能です。

今まで見落としてきた十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事が、意外と妊娠への近道なのかもしれませんね。

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