不妊症
不妊と漢方(14) 黄体機能不全(2)
原宿店 木梨 聡子
黄体機能不全とは
黄体機能不全では独立した病態ではなく、子宮内膜症・高プロラクチン血症・
黄体化未破裂卵胞症候などを併発することが多いといわれています。基本的に排卵はみられますが、月経不順・着床障害・
流産を生じる可能性があります。
黄体機能不全は大きく①卵巣性と②内膜性に分けられます。
①黄体から分泌されるホルモン(主にプロゲステロン)の産生量の不足している状態
(黄体自体がLHに対する反応が悪いか、またはLHが低い)
=「卵巣黄体機能不全」
- 黄体期の短縮:高温期の持続が10or12日未満、日数は確定してない
- 低温期・高温期の差が小さい:温度差0.3℃以下
②ホルモンの産生量は足りているが、内膜において効果・反応性の低下している状態
=「子宮内膜機能不全」
- 子宮内膜の分泌期の変化がスムーズでない:内膜が薄い→着床障害、流産を起こしやすい
黄体機能不全の原因
<西洋医学的な見方>
- 卵胞発育不良
- プロラクチン(PRL)が高い:卵胞の発育、排卵の抑制
- 子宮内膜症:高PRLであること多い、卵巣内に内膜症があると排卵障害になりやすい
- 医原性:排卵誘発剤クロミッドによる内膜増殖抑制
- 流産、掻爬:内膜の損傷
(④,⑤は内膜に対するダメージ)
<中医学的な見方>
中医学には黄体機能不全という言葉はありませんが、近年の研究において「腎虚」
が主たる原因であり特に「腎陽虚」が多く見られます。
さらに黄体機能不全になりやすい他の臓腑の失調は「脾虚」や「肝鬱」
があります。
- 先天の腎虚
- 風寒、寒湿の侵入
- 老化、早衰
- 過度の性交、流産、大病・久病
- 心身過労、精気損傷⇒「腎陽虚」・「腎陰虚」
- 飲食失調⇒「脾虚」
- 情緒失調・睡眠失調⇒「肝鬱」
中医学的に考えると「腎陽虚」があると脾虚や肝鬱を起こしやすくなります。

*それぞれの証は独立したのもではなく互いに影響を及ぼしていると考えます。
黄体機能不全によく見られる症状とオススメ漢方薬
中医学的にみる証候に対する自覚症状です。
- 「腎陽虚」:冷え性、腰だるい、月経が遅れがち
- 「腎陰虚」:暑がり、のぼせやすい、月経が早まる
- 「気血不足」:疲れやすい、冷え性、貧血
- 「心肝火旺」:不眠、イライラ、乳房張痛、PRLが高い
- 「痰湿阻滞」:胃腸虚弱、肥満、おりもの多い、舌苔厚い
- 「気滞血お」:経血塊、月経痛、頭痛、肩こり
症状に応じて、参茸補血丸、杞菊地黄丸、ビタエックス、婦宝当帰膠、その他加味逍遥散、冠元顆粒、 キュウ帰調血飲第一加減 等をお勧めしています。
病院では同じ病名がついても各々体質や自覚症状が異なることがありますし、
また病院で治療を受けているかどうかによっても使う漢方薬が違うことがあります。
詳しくはお近くの漢方薬局でご相談ください。 色々とお力になれると思いますよ。
その際は、「基礎体温表」をお持ち頂くとお話がスムーズにが進みます。
