手汗


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私自身は、手汗を気にした記憶はあまりありません。手に汗握る瞬間という時がありますが、この場合、
緊張や興奮の状態ですから手汗は別に不自然なものではありません。しかしながら、意図的に手に集中して汗を気にするように仕向けると、
じんわりと湿ってきます。これらの事から考えましても、交感神経の興奮や精神的緊張状態と関係があるようです。


 また、このような事にお悩みな方は意外と多く、100~200人に一人くらいだろうと言われております。
日本人で考えてみても、程度の差はあれ50~100万人近い方が悩んでいる計算になります。私も、
何人かの友人から相談されたことがあります。


手汗ってなんのため??


そもそも手汗って意味があるのでしょうか?人間の進化を辿って考えてみると、どうやらその理由がわかりそうです。


人間がまだ動物だったころを考えてみましょう。猿の時代で説明いたしますと、猿は木の実や食料を調達するために、
木々を飛び移らなくてはなりません。その際、手のひらがカサカサだったとしたら上手に隣の木に飛び移れるでしょうか?やはり、
手に湿り気があってこそ、落ちずに上手に木登りや飛び移る事が出来る訳です。緊張を高めることにより、湿るようにつくられているのです。


本のページをめくるのに、カサカサだとめくれないのが良い例だと思います。また、危険な動物から逃げる時も同様です。
足が湿っている方が、逃げの第一歩目の時間が短縮できる訳です。このように命を守る大事な役目だったのです。


手汗:お困りの声


汗の多さに伴って次のようにお悩みの方がおります



  • 彼氏と手をつなげない

  • 会社のパソコンのマウスがベトベトになって気になる

  • プリントがしわしわになってしまう

  • 濡れ過ぎて物がつかみにくい

  • ケータイが壊れる

  • ギターの弦が錆びてしまう

  • カバンの手の部分だけ変色してしまう など


原因


原因は、交感神経の過剰興奮だとか遺伝が関係しているだとかいろいろ言われておりますが、文献的には
「精神的緊張時に手掌および足底に過剰な発汗が生じ,日常生活に困難をきたす症状を手掌・足底多汗症という」となっております。
本来の手汗の意味である、神経の興奮・緊張が原因ということでしょう。


 中医学的に考えてみますと、「心」「肝」が特に関係していると考えられます。心や肝の高ぶりが、
精神や神経の興奮に影響を与えていると考えられます。


手汗の 『西洋医学的治療』



  1. 薬物療法(精神安定剤、抗コリン剤など)

  2. 物理療法(イオントフォレーシス、ボトックス注射など)

  3. 手術療法(多汗症手術など)


 3の場合は、あと戻りが出来ないという事と代替発汗などが問題となっているとも言われております。


 手汗の『中医学的治療』


 中医学においては、

 ・『心』-脳の精神、意識、自律神経などを管理している

 ・『肝』-ストレスや情緒をのびやかに保つ役割


1) どきどき緊張型(心火旺盛)

このタイプは、自分では意識していないけど実は常に交感神経が興奮状態だったりする。きっちりした性格や真面目でナイーブな方に多い。
心の熱を取ってくれる食材を摂取したり、24時前には睡眠することが大切。

例)天王補心丹など


天王補心丹720箱+瓶


2) イライラ高ぶり型(肝火上炎)

このタイプは、イライラがつのり過ぎて頭に血が昇ってしまっている。顔が赤くなったり、高血圧な方は注意が必要。
怒りっぽい節が見当たる。まずは、沈静化するのが必要なので、ストレス発散できることを見つけましょう。

例)瀉火利湿顆粒、柴胡加竜骨牡蛎湯など


3) イライラ型(肝気鬱結)

このタイプは、気の滞りにより胸や脇の辺りが張ったような感じがしたり、気分屋さんな所がある。生理の前になると不調になる方は、
このタイプかも知れない。リラックスできる食材や趣味などをして、気持ちを穏やかにするのが吉。

例)星火逍遥丸、加味逍遙散など


4) 動悸・不眠型(心肝血虚)

このタイプは、疲労や睡眠不足などにより血液が不足または質が悪くなっており、神経が衰弱している状態。早寝早起きをして、
しっかりと休み身体に本来のリズムを。

例)酸棗仁湯錠など


さんそうにんとうじょう


5) 胃腸虚 弱型(心脾両虚)

このタイプは、胃腸系統が弱った事により栄養の吸収がしっかりできずに、心を養えない状態。動悸が起こる方もいる。
とにかく疲れが溜まっている方に多いので、ゆっくりと休養を取り消化の良いものを摂取するよう心がける。

例)帰脾錠など


帰脾錠180箱+瓶


心・肝を落ち着かせてあげることで、少しは症状または気持ちが改善するかもしれません。


手汗の食養生・生活養生編


1) 『心』に効果的なもの

例)小麦、ナツメ、ユリネ、ハスの実など


2) 『肝』に効果的なもの

例)クコの実、黒豆、ナス、キクラゲ、小豆、菊の花、ハッカ、ハマナスの花、ジャスミンなど


睡眠は、一日の分岐点です。24時を過ぎてから寝るのでは、交感神経も休まる暇がありません。
副交感神経を優位にしてあげる時間を増やしてみましょう。家に帰ったらゆったりとした時間を過ごして、
リラックスしていい香りのするお風呂にでも浸かってみてください。そして、一日を振り返ってみるくらいの余裕が出てきたら最高ですね。
せっかちな行動はなるべく避けて、心に余裕を持ってみてください。


手汗のツボ


手汗に有効なつぼとして、手のひらにある「労宮」があります。手を握りしめた時に中指の先端が当たる場所にあるつぼです。また、
交感神経に効果のあるものとして薬指のマッサージも有効です。


まとめ


手汗を悩む方が多いのですが、治療は簡単ではありません。精神的・心理的部分が大きなウェイトを占めるため、
時間がかかるケースが多いです。ただ、生活のリズムを良い方向に変えたりしていくうちに、体内が変化する事はあるでしょう。
皆様が少しでも楽な気持になれますよう、手助けできればと考えております。


 


 




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