不妊と漢方 乏精子症の妊娠例


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夫45歳、妻34歳、現在結婚3年で、これまで病院での不妊治療を2年間続けておられました。女性の方は検査上特に問題はなく自覚症状は冷え性、疲れやすい、月経痛があるため鎮痛薬は前もって服用する、それ以外、体調面で気になることはありません。しかし、治療を始めてから月経周期が長くなったような気がするとのことでした。

男性は検査の結果、精子の状態が良好ではなく何度かの検査で数値には幅があるものの

・液量(1回の射精量):1.6ml(基準値:2.0ml以上)
・濃度:1.7×百万/ml(基準値:20×百万/ml以上)
・運動率:18%(基準値:42%以上)
・奇形率:71%(基準値:67%以下)

と、すべての項目において基準値以下で普段の体調は疲れやすい、胃腸が弱い、睡眠が浅い、思慮が多いとのことでした。

 

漢方薬を併用しながらの不妊治療


漢方では生殖能力を司るのは五臓の中で『腎』。よってご夫婦ともに補腎薬を中心に服用をお勧めしました。特に女性は月経周期をより安定したものにするため周期(月経期・低温期・排卵期・高温期)で薬を使い分け、ホルモン剤の治療を効果的にまた弊害を少しでも減少させ状況に応じて体調を見ながら

 

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
参馬補腎丸(じんばほじんがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
キュウ帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
ビタエックス
爽月宝(そうげつほう)
海精宝(かいせいほう)などを



 

 

御主人には参馬補腎丸(じんばほじんがん)と海精宝(かいせいほう)を服用して頂きました。


その後…


これまで6回の体外受精で受精卵の成長が止まったりうまくいって桑実胚までだったのが、服用始めて4ヶ月2ヶの卵子が採れて胚盤胞まで成長し、ここまで進めたのは初めてでさらに周期も安定し月経痛も軽くなりもう鎮痛薬をのまなくてもいいくらいになったと喜びの報告がありました。

胚盤胞までいったときの精子の検査では

・液量(1回の射精量):2.5ml(基準値:2.0ml以上)
・濃度:5.2×百万/ml(基準値:20×百万/ml以上)
・運動率:27%(基準値:42%以上)
・奇形率:83%(基準値:67%以下)

と基準値には達しないものの液量・濃度・運動率が上昇していました。受精卵は凍結保存をし、状況をみながら移植を行ないました。1回目の判定は(-)。医師は卵も内膜も良い状態だったのに何故?と…。月経後、漢方薬を調整し2回目の移植へ。

翌月にうれしいお知らせがありました。「心拍が確認できました!」と。その後も順調に成長され赤ちゃんご対面までもう少し、きっと待ち遠しいことでしょう。

先日あるテレビ番組で、「近年男性の精子の状態が悪化しているとの調査結果が出て自然妊娠できる確率が下がり高度生殖医療の技術の向上が要求される」という内容のものでした。現代社会のこのような深刻な状況の中でも、人が本来持ちうる生殖能力を高められる中国伝統医学の知恵と経験が日進月歩で発展する生殖医療とうまく連携することができ、より多くにカップルに喜びと幸せがもたらされることを願うばかりです。

 


乏精子症,