女性は男性と違って月経周期によって体調が変化します。月経は主に2つのホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)によりコントロールされており、月経前はプロゲステロンが多く、月経中はどちらも少なくなります。そのため、月経前後はホルモンバランスの変化により、生理痛・発熱・頭痛・下痢・鼻血・浮腫・胸が張るなどの症状がでることがあります。 生理の度の下痢は、なぜ起こるのでしょうか?飲食の不摂生やお腹が冷えることにより起こる下痢とは異なり、月経中の下痢は体内の気血水のバランス・五臓六腑の機能が調子を崩すために起こります。調子を崩す人にはもともとの体質が関係し、ここではいくつかの体質について紹介します。

 

生理前の女性のしくみ


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女性の体は月経があるために、それに伴うお悩みは特有のものです。生理痛、生理不順などの他に、不眠、イライラする、ニキビ、やたら食欲が出る、便秘や下痢といった症状がきまって生理前にひどくなると訴える方は非常に多いです。また、なぜ月経前に悪化するのでしょうか。

女性には月経周期があります。この月経周期は主に2つのホルモン、エストロゲンやプロゲステロンによりコントロールされており、月経前はプロゲステロンの分泌が多くなる時期です。プロゲステロンは妊娠を維持するのにも重要なホルモンとされ、子宮の筋肉の収縮を抑制し、胎児のための栄養や水分を蓄える作用があります。また、月経の直前から月経期前半にかけてはプロスタグランジンと呼ばれる物質が分泌されるために子宮の筋肉は収縮し経血を排出、つまり月経がおこります。

 

先日、NHKの番組を見ていたところ、子宮の動きをMRIでとらえた映像が目に入りました。受精を待ちわびるかのように入口から奥へと活動的に動く子宮は、たしかにプロゲステロンの分泌が盛んな頃に動きが停滞しているようでした。ホルモンによって物理的に身体が動く、ともなるとその周辺あるいは全身の動きにも影響することは大いに考えられると思います。

漢方でも気・血・水のどれか1つでも異常をきたせばそのバランスは崩れ全体にも影響が出て、また五臓六腑のどこかに失調があればやはりそれに伴う他の臓腑への影響を考えることがあります。人によって月経前の症状が異なるのは、それぞれに影響を受けやすい部分が違う体質的な問題とも考えられます。

ここでは、月経と下痢について中医学的に考えてみました。

 

 

生理と下痢を中医学的に考えると・・・


『脾虚(ひきょ)』

漢方では胃腸などをさす「脾」は食べ物を消化し、栄養やエネルギー、水分を全身へ運び出す重要な臓器です。この「脾」が弱っている状態を「脾虚」と中医学では言います。

[症状]
月経がはじまる頃や月経期前半に下痢、お腹が張る、心身の疲れ、あるいは顔面や下肢のむくみ。月経の経血の量は多く、色は薄い、質は薄いなどがあります。

[原因]
体質的に「脾虚」、つまり胃腸が弱いなどあればホルモンの影響で腸の動きに影響が及び、腸の動きが停滞するために便秘や下痢を起こすことも、月経直前のプロスタグランジンによる刺激で腸が活発に動き、下すまではいかなくとも便が緩くなることも大いに考えられると思います。かつ、水分を全身へ運ぶ作用を考えると、「脾虚」により水分の代謝が鈍り下痢をするということも考えられます。

梅雨時期は湿度が高いため、影響を受けて、更にひどく症状が出ることもあります。

[漢方薬]

漢方では補中丸(ほちゅうがん)心脾顆粒(しんぴかりゅう)健脾散(けんぴさん)などを用います。



[よく使われる生薬]
人参、白朮、扁豆、茯苓、甘草、山薬、蓮肉、桔梗、薏苡仁、砂仁 など

 

『腎虚(じんきょ)』

漢方における「腎」は、誕生から成長、生殖、老化までの生命エネルギーや体温の源をさすこともあれば、水分代謝をつかさどるいわゆる腎臓をさすこともあります。この「腎」のエネルギー不足の状態を「腎虚」と中医学ではいいます。

[症状]
月経中または月経後に下痢、あるいは明け方に下痢、足腰のだるさ、めまい・耳鳴り、寒がり・手足の冷え。経血の色は薄く、質は非常に薄いなどがあります。

[原因]
腎の全身を温める気が不足するため、脾を温めることが出来ず、代謝しきれない水分が下へ向かい下痢の症状となります。

腎は二便(尿・便)、骨、脳と関わりがあるため、腎虚では足腰のダルさ、めまい・耳鳴りなどの症状が起こることもあります。

[漢方薬]
漢方では参馬補腎丸(じんばほじんがん)参茸補血丸(さんじょうほけつがん)などを使う場合があります。



[よく使われる生薬]
党参、白朮、茯苓、五味子、補骨脂、杜仲 など

 

 

 

月経と下痢について関係の深い体質について2つ挙げてみましたが、どちらの体質にしても独立しておらず、場合によっては上に触れていない「気」「血」の巡りや他の臓器の力不足からの影響を受けることも考えられます。

どんな症状も原因は1つと限りません。複雑に絡み合っているケースもあります。
月経前のお悩みの1つに下痢がある方、他のお悩みと併せて漢方を試されたい場合はぜひ漢方専門薬局でご相談ください。

実際に相談の中で、症状や体質をお話しすることで自分自身を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

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