冷え性の中医学的な考え方


冷え性は圧倒的に女性に多いものですが、それは何故でしょうか?古代中国思想の陰陽学説では、男性は陽、女性は陰に属します。女性は陰の要素が多くなりがちで、どうしても陽が不足がちになります。陽は、身体を温める元なので、これが不足すると体が冷えることになります。また、日本の女性に冷え性が多い理由としては、冬でもミニスカートなどの薄着をしたり、生ものや冷たい飲み物を摂ることなどが考えられます。

慢性的な冷え性のタイプとしては、陽気そのものが不足しているタイプ(陽虚証)、陽気を運ぶ作用もある血が不足しているタイプ(血虚証)、気の通りが悪いために陽気も滞っているタイプ(気滞証)などに分類できます。

 

 

冷え性の中医学的分類


陽虚証
メカニズム:  身体を温める元の陽気が不足して体が冷える。
症状:   冷え性+顔色が白っぽい、疲れやすい、便がゆるい、尿の色が透明で量が多いなど

血虚証
メカニズム:  陽気を載せて体内に運ぶ作用の血が不足して体が冷える。
症状:  冷え性+顔色が青いか土気色、唇の色が薄い、めまい、動悸がある、月経量が少ないなど

気滞証
メカニズム:  気の流れが悪いために陽気も滞り体が冷える。
症状:  冷え性+胸や脇が張って詰まる感じがし、痛む時もある、げっぷが出やすいなど

 

 

冷え性に効果的な食材


それぞれの原因に効果のある食材をいくつかご紹介します。共通しているのは温熱性の食材を選ぶことです。

陽虚証→ 陽を補う(補陽)作用のある食材
にら、くるみ、丁香(クローブ)、干姜、羊肉、鹿肉、海老、杜仲、茴香、八角など

血虚証→ 血を補う(補血)作用のある食材
ほうれん草、にんじん、きくらげ、なつめ、松の実、ライチ、龍眼、すっぽん、なまこ、いか、豚肉、羊肉、牛レバーなど

気滞証→ 気の通りをよくする(理気)作用のある食材
そば、にら、にんにく、柑橘類、陳皮、茴香など

 

 

冷え性のための薬膳


冷え性に効果的な食材を取り入れたメニューです。是非一度お試しください!

《冬の養生ケーキ》




<材料(カップケーキ型 9 号 9 個分または 19cmX10cmX8cm のパウンド型1台分>

  ・ 食塩不使用バター  100g
  ・ 卵 Mサイズ2個
  ・ 薄力粉  120g
  ・ ベーキングパウダー 小さじ1
  ・ きび砂糖  80g
  ・ 胡桃  80g (粗く刻む)
  ・ 松の実  20g
  ・ オレンジピール20g (粗く刻む)
  ・ ラムレーズン 100g
  ・ ナツメグ 少々
  ・ 五香粉  少々
  ・ ラム酒   少々

 

<作り方>

1.バター、卵は室温に戻しておく。

2.型に薄く油を塗って、オーブンシートなどを底と側面に敷いておく。

3.薄力粉とベーキングパウダーは合わせて2度ふるっておく。砂糖も一度ふるっておく。

4.オーブンは160度に予熱しておく。

5.室温に戻したバターをボウルに入れて泡立て器でよく混ぜ、白っぽいクリーム状にする。

6.砂糖を数回にわけてバターに加え、その都度よくすり混ぜる。最終的になめらかでふわふわ状態になるまでよくかき混ぜる。

7.割りほぐした卵を少しずつバターに加え、よく混ぜる。一度に入れる卵の量は大さじ1杯ずつくらいでいい。
一度に加えて分離すると失敗するので注意。ここでも、なめらかでふわふわの軽い生地になるようによく空気を含ませながら混ぜる。

8.ドライフルーツの汁気は先に生地に混ぜておく。ドライフルーツに小麦粉を少しわけてまぶす。こうしておくと、
生地の中でフルーツ類が沈まない。

9.フルーツ類、ナッツ類、スパイス類と粉を生地に加え、ゴムべらで切るように練らないように混ぜ合わせる。

10.粘りを出さずに粉っぽさがなくなるまで混ぜたら型に生地を入れる。隅まできっちり生地が行き渡るようにし、
最後に空気を抜くために型を台に2、3回落とすように打ちつけておく。中央が少しくぼむように表面を平らにならし、
160度に予熱したオーブンで約35分焼く。

11.竹串を刺して何も付いてこなければやきあがり。型から出し、すぐにはけでラム酒を全体に塗る

 

<食材・中薬の効用>


冬の養生ケーキ

バター:五臓を補う(補五臓)、気と血を補う(益気血)、乾燥を潤し、渇きを止める(潤燥止渇)
卵:身体を潤し回復させる(滋陰潤燥)、血を養い胎児を安定させる(養血安胎)
小麦:養心(精神を安定させる)、益腎(益腎)
きび砂糖:胃腸の機能を高める(補脾)、血行を良くし滞りを解消する(活血散お)
胡桃:腎を補い生殖機能を高める(補腎益精)、肺の働きを高め、気の不足による喘息を改善する(温肺定喘)、腸を潤し便通を良くする(潤腸)
松の実:肺を潤し乾燥から肌を守る(養陰潤肺)、腸内の血・津液不足による便秘を改善する(滑腸)、
経絡や臓腑の間に停滞した風邪を発散させて除く(きょ風)
オレンジ:気の巡りを促進し食毒を解消する(行気解毒)
レーズン:気を補い血を養う(益気補血)、骨や筋、腱、関節などを強化する(強壮筋骨)
ナツメグ:胃腸を温め気の巡りを改善する(温中行気)、腸の機能を回復させて下痢を止める(渋腸止瀉)

 

五香粉( 桂皮( シナモン )、丁香( クローブ )、花椒( サンショウ )、小茴( フェンネル )、大茴( 八角 )などから成る中国の代表的な混合香辛料)

シナモン(桂皮):胃腸を温め、消化機能を高める(温脾胃)、冷え性で衰弱した身体を温め、機能を高める(暖肝腎)、強い熱性で身体を温め、冷えからの痛みを緩和する(きょ寒止痛)、血行を良くして血の滞りによる腫れを消す(散お消腫)
丁香( クローブ ):お腹を温め、上逆した気を下げる(温中降逆)、腎を温め、陽気を補う(温腎助陽)
花椒( サンショウ ):お腹を温め、冷えを改善する(温中散寒)、体内の余分な水分を取り除く(除湿)、冷えによる痛みを緩和させる(止痛)
小茴( フェンネル ):寒邪を追い払い、痛みを止める(きょ寒止痛)、気の巡りを良くし、胃の機能を回復させる(理気和胃)
大茴( 八角 ):胃腸を温め機能を回復する(温陽散寒)、気の巡りを良くし、痛みを止める(理気止痛)

 

生活上のアドバイス


*生ものや寒涼性の食物や冷たい飲み物を控えましょう。

*薄着を避けて、体の保温に気をつけましょう。