昨年秋、不妊治療の第一線でご活躍の足立病院不妊治療センター長中山貴弘先生より「40才からの不妊治療はいかにあるべきか?」というテーマでご講演を拝聴しました。私たち漢方薬などをお勧めする立場で大変貴重なお話を伺うことができました。

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その内容を一部ご紹介させて頂きます。

【1】妊娠能力からみた30代と40代の違い


30代の妊娠能力を1とすると40代は約半分になるようです。
主な原因は…

①    卵巣・子宮・卵管の機能低下
②    悪い生活習慣(飲食の不摂生、就寝時間の遅延など)
③    体力・体質の悪化
④    ストレスの増加 などがあげられ

年齢を重ねること一般的に「老化」といいますが、生殖方面からみると具体的に 活性酸素による「酸化」によって 「たんぱく質の変性」が起こり「卵子の老化」につながります。「動脈の老化」は「血行障害」をまねき「子宮の老化」。例えば、子宮内膜が薄くなる・子宮筋腫・ポリープ・癒着という状態になりやすいということです。特に、血流は重要で、あるデータによると卵巣の血流量と血中の黄体ホルモン値の関係は比例しておりこれは「血流が悪いと黄体機能不全になりやすい」ということを意味しています。

また、卵巣内の卵子の栄養は血液によって運ばれてくるため、血管収縮血流減少させる要因(たばこ、肥満、高血圧、緊張、焦り、冷えなど)は無くし、血管拡張血流増加させること(運動、リラックス、鍼灸、漢方、ビタミン、気功、温めることなど)を取り入れることが大事であること。ストレスは何に対しても良くないですが、こと妊娠に対してはストレスがかかると自己防衛反応により身体は妊娠しないように働くそうです。具体的には、排卵や着床、胚の輸送を阻止したり子宮移行部の閉鎖、流産を起こしやすくすることです。

 

【2】40代の生殖機能の特徴と治療ポイント


40代といっても個人差はありますが傾向として以下のことがみられるようです。

卵巣では…卵子の減少
卵子の質の低下
FSHの上昇で卵胞の発育が早まる
LHの上昇による男性Hの上昇 

良質な卵子ができない

 

子宮・卵管では…子宮血流の低下
筋腫・ポリープ
子宮内膜が薄い
卵管の機能低下

着床障害
ピックアップ障害
胚の質低下

上記のように卵巣機能が低下している場合大量のhMGやFSHの強い刺激は与えずに自然周期か身体にやさしい排卵誘発を行い、子宮や卵管に対して場合によって子宮内をきれいにする、通水、体外受精などを行うようです。

 

☆    不妊治療のポイント ☆


一般的な検査や状況に応じて必要と思われる検査は受け、決して自然妊娠をあきらめず、画一的な治療また強制的ではなく身体や心に過度な負担をかけずに、身体が発するサインを見逃さず身体に合った治療法を取り入れる。同時に生活習慣の改善や漢方薬や運動、気功など自然療法も活用することで本来持っている妊娠能力を取り戻し、回復につながる。

また、40才からの不妊治療の心構えとして

・妊娠のチャンスは少ないことを認識する
・卵巣内にまず卵子はたくさんあることをイメージする
・妊娠できる卵子にめぐり会えることを期待する
・あせり、不安、悲しみ、怒りを抑える
・良い卵胞発育がおこるよう努力しそのつもりで治療を受ける

薬局にご相談にこられる方の中には長期にわたる治療でかえって本来の力が低下している場合や年齢を重ねるほど焦ってしまい、身体や心へ相当の無理がかかっている様子をうかがい知ることがあります。しかし、40代であればなおのこと焦らず、生活習慣を見直したり体質の改善をはかりつつ、身体に合ったやさしい方法で治療を受けることが大切であること、さらに精神活動がとても影響力があることまた重要視されていることを改めて教えていただきました。

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