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【1】AMH(Anti-Mullerian-Hormone:抗ミューラー管ホルモン)とは?


卵子は卵巣内に胎児の時から未熟な原始卵胞という状態で長い期間卵巣にストックされていますが初潮の頃からこの原始卵胞が活発化し、発育卵胞→前胞状卵胞→胞状卵胞→成熟卵胞→排卵と、約190日かかってこの過程をたどっていきます。AMHは前胞状卵胞内の顆粒膜細胞から分泌されているホルモンで、卵巣内に前胞状卵胞が多いと結果的にAMH値も高くなります。しかし年齢とともに発育可能な卵胞数は減っていきますので、これに相関してAMH値も低くなっていきます。AMH値は「卵子の在庫の目安」、つまり「卵巣の予備能」を推し量る数値として注目されています。しかし、これは、妊娠できるかどうかの「卵子の質」を表しているのではありません。

 

【2】AMH値とFSH値


一般的に卵巣機能を評価する指標としてFSH(卵巣刺激ホルモン)が用いられています。FSHは脳下垂体から分泌するホルモンで、胞状卵胞以降の卵胞を成長させる働きをもっています。FSH基礎値の上昇は本当に卵巣の予備能が低くなって初めて現われるので、この数値が上がると卵巣の反応性が落ちていると推測します。しかし、周期内で値が変動しやすいため卵巣の予備能の指標にするにはやや難しい部分もあるようです。その点AMH値は周期内ではあまり変動しないこと、前もって数値から予備能を予測できるという点では検査として有効でしょう。

注意すべき点は、AMH値は卵子の在庫の目安であり基準値・平均値はあっても正常値というのはありません。よって「年代によって卵子の在庫が多いor少ない」は言えても「正常or異常」という評価ではないということです。数値の上からみると多のう胞性卵巣症候群(PCOS)では排卵できない小さな卵胞がたくさんあるためAMHは高値を示しますが、卵巣腫瘍や子宮内膜症などで付属器摘出あるいは卵巣部分切除した場合は低値を示します。しかしAMH値が“0”でも妊娠・出産の例があったり、値が増加する場合があるなど測定に関してまだ課題はあるようです。

 

【3】AMHとART


「ART」とは不妊治療の中で体外受精や顕微授精のように卵子と精子を体外で受精させる医療技術のことを言います。社会情勢が変化するに伴い晩婚化・晩産化が急激に進行し治療をうける年齢層も高くなりARTを行うことも多くなっています。卵巣刺激法にはいくつかのパターンがありますがその方法の選択にAMH値が重要視されています。とくに閉経移行期ではFSH値は正常値のこともあれば高値になることもあり非常に不安定ですが、変動の少ないAMH値は治療法を判断する上で不可欠なものであり、またOHSS(卵巣過剰刺激症候群)の予防にも有効で安全のための対策にも役立つと言われています。

 

【4】漢方の役割は?


妊娠率はいかに良質な卵子があるかにかかっており、AMH値が高く卵子が多ければ良質な卵子を得られる確率も上がりますが、「質」そのものは年齢によるところが大きく実際AMH値は妊娠率の予想には使えません。年齢をいわれるとどうしようもないですが、“卵子の質を上げるあるいは低下させないこと”“今持っている妊娠力を引き出すこと”ができればおのずと妊娠できる確率を上げることができます。卵子の質を上げ、妊娠しやすい身体づくりこそが長年培われてきた漢方の知恵です。身体と心のコンディションと整えるために薬やサプリメント飲食物を摂ったり、これまでのライフスタイルを見直すなど積極的に取り入れてみませんか?また治療を受ける上で副作用の軽減や治療効果を上げることにも漢方薬の力を発揮することができます。妊娠から出産さらに育児と女性の身体に負担がかかることがたくさんあります。漢方をうまく活用して健康でいつも元気なママでいられますように。

※ 漢方薬を服用される場合は必ず医師・薬剤師にご相談ください。
※ AMHについて浅田レディースクリニック浅田義正医師の講演抄録を参考にさせて頂きました。


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