(2011年の記事)私たちの生活が一変した東日本大震災から2ヶ月以上経ちましたが、その影響で地震酔いはもちろん、疲労感・不眠・食欲不振・情緒不安定などで体調を崩していらっしゃるお客様が多くみられました。今は、余震が多く気を張っていた頃よりも心身の消耗・疲労感を訴える方が目立っています。

地震直後から毎日のニュースや生活の中で
❒悲しみ=肺を傷つける
❒恐怖=腎を傷つける
❒怒り=肝を傷つける
❒思い悩む=脾を傷つける
といった様々な感情を短期間の内に強く感じれば、地震による体調への影響が多岐に渡るのも無理もありません。中医学的に考えても、健やかさを保つには不利な条件が続いているのです。

 

人体を自然の一部と捉え、体内を小宇宙と見立てる中医学の考え。地球上に起きた自然界の大きな変動が、そこに住む私たち人間に何の影響も与えない筈はありません。薬局でもこのことを踏まえて相談にあたっていましたが、個人的には以前自分が勉強した“心のケア”を被災地の方々のお役に立てないかと考えていました。

そこで、ゴールデンウィークに沿岸の街である宮城県岩沼市にボランティアとして行ってきました。内容は“被災された方のお話し相手になること”です。避難所で暮らす現地の方々は、ご苦労の多い生活の中にも関わらず『遠くから来てくれてありがとうね』と笑顔で迎えてくださいました。長期間に渡る大病の中で被災されたある方は、『今までがんばってきたのに、こんなことで命を無駄にしてたまるか!』と力を振り絞って避難されたそうです。同じ避難所の中でもそういう体験をなさった方は少なくありませんでした。

何人もの方が当日避難してくるまでの経過や、今の生活の様子を詳しく聞かせてくださり、それに加えてほとんどの方が『自分はラッキーだった』『自然が相手だから誰も恨むことができないのがつらい』と仰っていたのが印象的でした。

もちろんすべての方が同じではなく、言葉をかけた後にうつむいたままでお話をするような心境ではないように見受けられる方々もいらっしゃいました。その姿からは、何もせずにそっとしておくことの重要さ、難しさも教えていただいたように思います。避難所を取りまとめる職員の方ご自身も、被災されながらの皆さんの生活のケアを続ける毎日をおくっていらっしゃいます。本当に頭が下がる思いでした。

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東日本大震災の後、復興に向けて『がんばろう』という言葉が街中にあふれています。帰り道の仙台駅周辺にも、この言葉を掲げた大きな看板が目を引いていました。被災地から遠く離れた暮らしの中では『復興のためにひとつでもできることをしよう!』と思える半面、被災地の方々にとって『これ以上、何をがんばれば良いのか?』とも受け取れる二面性のある言葉なのではないかと感じていました。

ですが、現地を訪れたことで被災地の方々から逆に『そんなこと言っていられない!』と笑って前を向いていく力強さをいただき、私の方こそありがとうとお礼を言いたい気持ちでいっぱいです。皆さんとのお話の中から“人には自分で自分を救おうとする力”が誰にでもしっかりと備わっていること、それが自然治癒力に繋がることを強く感じました。

中野店では『自分たちに何ができるだろう』と考え、義援金を集めるために3月から店頭でフリーマーケットを行いました。おかげさまで2011年5月までで合計23,150円が集まり、日本赤十字社へ東日本大震災義援金として送金させていただきました。


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