後鼻漏とは

後鼻漏とは、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、アレルギー性鼻炎、風邪などに伴う細菌性鼻炎などが原因で、鼻水が病的に過剰分泌された状態です。過剰分泌された鼻水が、喉の方へまわって落ちてゆく場合を「後鼻漏(こうびろう)」といいます。

 

不快な後鼻漏の症状


鼻水やネバネバ、ドロッとした痰のようなものが、喉から気管にながれてくる、

または張り付いてとれない

鼻水が喉から気管に流れ咳がでる

・喉と鼻の間が乾燥する、イガイガする、痛い

口臭やネバネバが気になる

・鼻が詰まることで頭の重いだるさや頭痛、眩暈を感じる

喉の不快感や鼻のつまりから眠れない、または目が覚める など

これらは後鼻漏で実際にお客様が訴えられる不快な症状の一部です。後鼻漏に悩まれている方は多いようですが、同時に、後鼻漏だと気づいていない方も沢山いらっしゃるようです。

後鼻漏の患者さんの多くは、常に咽の奥に何かがベタッとまとわりつくような不快な症状で悩まされているようです。また、鼻水が咽を刺激して、咽の痛みや咳込みがでるケースもあります。口臭の原因となることもあります。

後鼻漏

 

 

 

 

後鼻漏の西洋医学的治療法


後鼻漏とは、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、アレルギー性鼻炎、風邪などに伴う細菌性鼻炎などが原因で、鼻水が病的に過剰分泌された状態です。過剰分泌された鼻水が、咽の方へまわって落ちてゆく場合を「後鼻漏」といいます。ちなみに、鼻の前を鼻水が流れる場合は「前鼻漏」といい、本人の自覚症状がはっきりしています。

これに対し、後鼻漏は痰と混同されやすく、長引く咳の原因になることも少なくありません。抗生物質の服用や手術などで回復に向かわれる方が多いようですが、手術も簡単ではありませんし、また抗生物質を長期間のみ続けることによる腸内の善玉菌への影響や、鼻炎薬の口の渇きや眠気、だるさなどの副作用などと簡単にはいかないようです。また、手術後も同じ症状に繰り返し悩まされる方も多いです。

 

 

後鼻漏を中医学的に考えると?


まずは「胃腸の弱り」が大きな原因として考えられます。「鼻の症状なのに胃腸?」と思われる方も多いと思いますが、中医学では痰や鼻水のような病理産物は胃腸で作られると考えています。胃腸の弱りには、先天的なものと、後天的なものがあり、胃腸が弱いことを自覚されていない方も多数いらっしゃいます。

胃腸には消化吸収することと、体に必要なものと不必要なものをわける2つの大きな仕事がありますが、胃腸が弱ってしまうと、不必要なものを排泄する力も弱ってしまいます。その「不必要なもの」の代表的なものが病理産物である『痰飲(たんいん)』です。

痰飲とは体に不必要な水分や汚れで、鼻水や、痰、浮腫みやめまい、肌症状悪化時の滲出液などの原因とされています。胃腸が弱ったことで作られた痰飲は、通常、小便や便として排泄されますが、そこで出しきれないものは体に蓄積されていきます。蓄積され続け、溢れた痰飲(余分な水分や汚れ)は、その人の体の弱い部分から排泄されます。呼吸器が弱い方は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、後鼻漏時の鼻水や痰として、肌が弱い方は湿疹の滲出液などです。

そのほかの原因として、免疫力の低下も考えられます。免疫を強く保てるかどうかは、先天的な問題、乾燥や寒さなどの環境の影響に加え、普段の食事や生活習慣も大きく関わってきます。免疫力が弱ってしまうと体はウィルスや細菌感染の脅威にさらされることとなります。また免疫力の低下は、後鼻漏が細菌やウィルスの感染後に発症・悪化したり、なかなか治りにくかったりする原因と一つといえます。

それらを踏まえたうえで、後鼻漏のタイプとして、主に次の5つのタイプが考えられます。

 

①    脾虚 (胃腸の弱り)タイプ


上でも書きましたが、飲食の偏り、過食、生活習慣の乱れなどから、先天的、遺伝的理由などにより、胃腸が弱っていると、胃腸は本来の力を発揮出来ず、エネルギーや血、潤いの水分を作り出せないばかりか、余分な病理産物である痰飲というドロドロを生み出してしまいます。

そうした病理産物は、肺に蓄積されます。肺に溜まったドロドロは鼻を通して体外に排出されようとします。これが後鼻漏の主な原因として考えられます。後鼻漏にお悩みの方は、まずは胃腸の弱りを疑ってみてください。

良く使われる胃腸を補う漢方・・・健脾散健胃顆粒



 

 

②    風邪侵入 (病原菌やウィルスの侵入)タイプ


細菌やウィルス、花粉や埃などの邪気(じゃき)と寒(かん)あるいは熱(ねつ)が体に侵入しアレルギー性鼻炎を誘発します。 鼻が詰まることで、頭痛を感じるかたもいらっしゃいます。

邪気が寒を帯びて侵入した場合では、透明なさらさらの鼻水が見られますが、蓄膿症などに多い粘りのある黄色い鼻水や鼻閉は邪気と同時に熱の侵入によるものと考えます。

 

水っぽい鼻水が多い風寒タイプには・・・苓甘姜味辛夏仁湯、小青竜湯、麻黄附子細辛湯など


黄色の鼻水、痰が多い風熱タイプには・・・鼻淵丸天津感冒片涼解楽などがあります。


頭痛がある場合には、頂調顆粒を併用することもあります。



 

 

③    脾肺気虚 (胃腸と肺の弱り)タイプ


肺は、鼻や皮膚(肌表)と関わりが深く、脾(胃腸)は食物を消化し『気血を生む源』である臓器です。また、五行学説では『脾は肺を生む』とされ母子関係にあたります。つまり、胃腸のエネルギー不足が、肺のエネルギー不足を呼び、肺の機能が崩れ、そとから邪気の収入を許すことで鼻症状を引き起こします。

このタイプの人には、普段から風邪をひきやすく疲れやすい、息切れ、汗っかき、食欲不振、腹部膨満感などの症状が見られます。

脾(胃腸)の働きを高めることで、体の栄養となる気血がしっかり生みだされ、体の余分な痰飲(どろどろ)もとばされます。

 

胃腸を元気にして外敵から守る気を補う漢方薬・・・健胃顆粒、衛益顆粒 などがあります。



 

④    胆腑鬱熱 (溜まった熱によりドロドロが煮詰まる)タイプ


ストレスなどによる情緒の不安定な状態が続くと、熱を発生します。この熱が上昇し、肺の潤いを損傷すると、本来サラサラの分泌液が煮詰まり、蓄膿症などに多い粘りのある黄色い鼻水が出るようになります

このタイプの人には、口渇、口苦、黄色い粘りのある鼻水、イライラしてじっとしていられないなどの熱症状が見られますので、対策では気の流れを整えながら、熱と痰をとります。

どろどろが煮詰まる原因となる痰熱をとる漢方薬・・・ 荊芥連翹湯、星火温胆湯、柴胡清肝湯などがあります。

 

⑤ 腎気虚 (腎の弱り)タイプ


呼吸は肺だけではなく、腎も関与していると中医学では考えます。肺で吸った空気を(中医学では呼気とよびます)を、腎は納める(納気といいます)ことで、私達は呼吸をしています。

肺と腎の機能が低下すると、スムーズな呼吸が出来なくなります。アレルギー性鼻炎などを発症してから長期間経過している人は、腎が弱っていることも考えられます。

腎は生命活動の根本的なエネルギーを支えているため、腎が弱っている人には、透明な痰や鼻水、足腰の冷え、腰痛、倦怠無力、息切れ、耳鳴り、健忘 などの症状が見られます。さらに痰飲(どろどろ)を排泄するにはこの腎の働きが肝腎です。

腎の納気機能を高める漢方薬・・・双料参茸丸 などがあります。



ほてりや口渇のある熱体質の方には、八仙丸をおすすめすることもあります。



 

 

後鼻漏と生活養生

アレルギーを起こしやすい物質、小麦やナッツ類、牛乳などは少し控えましょう。その他、体や胃腸を冷やす冷食、サラダ、生もの、甘い物や、熱になる脂っこい物、辛いものなどは、脾胃への負担がかかりやすく痰飲(どろどろ)を生じやすいので過食には注意が必要です。

消化によい、野菜中心和食中心で添加物の少ない食生活を心がけましょう。ストレスを溜め込まないよう息抜きも大切です。十分な質の良い睡眠をとるよう心がけましょう。適度な運動やお風呂マッサージなどで血行を良くしましょう。(血行不良が鼻閉の原因になることもあります)

正常な人は1日に約1.5L もの分泌液が喉を通って胃に流れ込んでいますが、これを不快に思う方は少ないのではないでしょうか。それはこの分泌液がサラサラした液体だからだといわれています

もし、この分泌液が加熱され粘り気をましていたり、どろどろした不純物が混じっていて、そのどろどろ&ねばねばの液体が鼻から喉にへばりついたり、ドロっと流れ落ちたり、、、となると、考えるだけでも不快ですね。

そうならないためには、まずは胃腸の働きを良くして、体に不必要な痰飲(どろどろねばねばの液体)を溜めないようにすることが、快適生活への近道といえます。食生活を見直しつつ漢方を服用して弱った臓器を回復させることがとても大切です。

漢方薬はその方の体質に合ったものを選ぶ必要があります。どういったことが原因になっているかはなかなか自分ではなかなか判らないもの。

実際にお薬の服用をお考えの際はお近くの漢方薬局・薬店でご相談下さいね。

 

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