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薬膳について

秋の食養生(やまいもで元気と潤いを取り戻しましょう) 

この原稿を書いているのは梅雨の後半の7月初めですが、
既に真夏日が2日ほど有りましたので、
今年の夏も間違いなく暑くなりそうですね~。

更に去年に続き節電の夏で、尚更暑さが体に堪えることとなり、
この原稿が「漢方百科」に掲載される頃には皆さん夏のお疲れが随分と残っていることでしょう。

夏の“暑邪”は身体の毛穴から汗とともに気(エネルギー)も流出させ、
結果いわゆる夏バテ、中医学的には気陰両虚となってしまいます。

今回ご紹介するやまいもは気を補うと共に陰も補う食材です。

生薬名は“山薬”といわれ、上古時代の医学書「神農本草経」では
「上品」(作用が穏やかで副作用の少ない中薬)に分類されています。

他にも気陰どちらも補う食材はいくつかありますが、
やまいもは胃腸を丈夫にして吸収力を高め、体力をつける効用もあり、
やまいも自体も生でも消化吸収が良いので、
未だ暑さの残る今の季節にピッタリの食材です。

今回この山芋を使ってひんやり口当たりの良いヴィシソワーズを仕立て、
亀板、鼈甲、魚熛というこれも陰を補う生薬を使ったコンソメのジュレと2層仕立てのスープを作ってみました。

今月の星星新聞に掲載していますので、日本橋店にお越しの際は是非ご覧くださいね。

掲載写真をご覧頂けるとお分かりだと思いますが、
ジャガイモですと水にさらしたり、
アクをとったりしないとスープが白く仕上がらないものですが、
山芋の場合特にそうした手間をかけなくても白くきれいに仕上がりました。

夏の疲れが残っている方、いろいろな山芋料理を日々の食卓に多く載せて下さいね。
生の山芋も美味しいですが、毎日はちょっとということでしたら、
お味噌汁に刻んで入れても簡単で美味しいです。

ですが、含まれているアスターゼやアミラーゼなどデンプンの消化酵素は加熱により働きが失われてしまうので、
胃腸が弱い方は加熱したものは控えめになさった方が宜しいと思います。

《やまのいも(山の芋)》

英語名 Yam/Common Yam Rhizome

中国語名 山芋・懐山薬・白薬子

生薬名 山薬

性・味・帰経 甘/平/脾・肺・腎経

中医学的な効能:

①    健脾(胃腸を丈夫にし吸収力を高め体力をつける)

②    補気(身体のエネルギーを補う)

③    滋陰(身体の体液を補う)

④    養肺(肺の機能を高める)

⑤    止渇(喉の渇きを止める)

⑥    益精固腎(腎の機能を高め生殖機能を強くし精液漏れを防ぐ)

〈備考〉

・蛋白質、炭水化合物、粘質成分(肺や胃腸の粘膜を保護)、ビタミン、サポニン(血液

中の脂質の酸化を防ぐ)

・消化不良で食積痰湿(胃腸に消化不良があり、痰や余分な水分(湿)などの老廃物が体

内に溜まった状態)の人は体内に溜まった水分の解消に不利なので、控えめにする

・滋養強壮・虚弱体質改善によいが、一度に多く食べるより、少量ずつ続けて食べる

 

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事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売