のどの違和感や詰まった感じはありませんか?この症状の原因となるものは色々とありますが、今回は”梅核気”に焦点を当てみたいと思います。

"梅核気"とはどういった症状?


・のどの辺りになにかが詰まっているような異物感
・口から出そうとしても出てこないし、飲み込もうとしても無くならない
・締め付けられるような梗塞感など違和感
・ヒリヒリすることもある

ちょうど梅の種くらいの大きさの物体が、のどの辺りに留まっているように感じるために、梅核気というような名前で呼ばれいます。梅核気の症状は、他にもストレスを抱えていることが多く、ピリピリ、うつうつしている時にもれやすいのも特徴です。ですから“ヒステリー球”という名前でも呼ばれています。中医学では”喉中梗阻”と言い、梅核気と咽頭部の梗塞感を含みます。
 では西洋医学的にはどういうことなんでしょうか?

一般に西洋医学では咽喉頭異常感症やヒステリー球と呼ばれています。違和感のある、のど周辺を見ても異常や異物などは無く、若干炎症がある場合もありますが、大抵の場合はただ症状のみが存在している状態です。梅核気(ヒステリー球)は、やはり西洋医学でも精神的要素が関係していると考えます。そのため抗うつ薬や安定剤、炎症やアレルギーが疑われる場合は消炎剤や抗アレルギー剤などが出ることが多いでしょう。

 

中医学では?


大きく下記の3タイプに分けて考えます。

1.肝気上逆
梅核気で一番多いのはこのタイプ。一言でいえばストレス過多。”肝”は情緒や自律神経に関係深い臓器です。この情緒の乱れやストレスが溜まって、本来は下に行く『肝気』が上がってしまい、咽頭部に症状として出てしまった状態。これは常時、症状があるという事ではなく、詰まった感じがする時と無い時があります。体の疲労やストレスの溜まり具合にもよって増減すると考えられます。

主な症状:のどの辺りに球状の物体が詰まっている感じがする、梗塞感、痰は出ない、イライラしやすい、ヒステリー、月経前症候群が酷いなど


上記のような状態には肝気の巡りを改善することが大切です。

疎肝理気タイプの漢方薬、半夏厚朴湯、柴胡疎肝散、逍遥丸などがオススメ。


 

2.痰凝気滞
水分代謝に関係のある『脾』の機能が低下すると、体内に痰湿が発生し、停滞するため痰が生じる。夏場、冷たい物の摂りすぎや冷房による冷えなどで、胃が疲れて働きが悪くなって起きる事もあります。
主な症状:咽頭部の梗塞感や重い感じ、ネバっとした痰が出るなど

痰湿というのは、そのまま停滞した状態が続くと熱を持ち始めますのでこの熱と痰の改善に化痰清熱タイプのイスクラ温胆湯などがオススメです。



3.肺熱陰虚
肺に熱が溜まった状態が続き、陰液を消耗すると咽頭部の潤いが不足してしまう為に発生。人の体は”陰”と”陽”のバランスが上手く保たれていることが大切です。このバランスが崩れてしまうと体調にも変動が生じます。陰虚(陰液不足)という状態は、相対的に陽(熱や動き)が多くなります。そうすると、冷やす役割のある陰が少ない状態ですので、熱感やほてりが出てきますし、潤い不足の状態にもなります。風邪がなかなか治らなくてこのタイプになることもあります。

主な症状:咽頭部の赤み、痛み、乾燥、空咳、寝汗、熱感などの症状を伴います。

秋の季節は空気も乾燥し始めますので、このような状態が起きやすいと言えます。秋は五臓の肺と関連が深い臓器ですので、肺を潤し余分な熱をとる潤肺糖漿のような潤肺清熱薬がオススメです。



日常生活では?

甘いものや刺激の強いものの摂り過ぎは注意しましょう。上記のどのタイプの症状も助長させる危険があります。基本的にはバランスの良い食事(季節の食材は出来るだけ取り入れましょう)と、睡眠時間の確保。生活リズムをきちんと作ることも体調を安定させる大切な要因です。また、ストレスを溜め込み過ぎないことも必要ですね。特に1のタイプは元々、ストレスの多い環境にいたり、ストレスを溜めやすい方が多いので、発散させたり、リラックスすることを心が掛けましょう。

>中医学では眼には見えなくても不調があれば体のどこかに原因があると考えます。梅核気のように検査に異常はなくとも不快な症状があるときは漢方薬の出番ですね。上記のような症状が気になっている方は、是非お近くの漢方薬局に相談に行ってみてください。