今回は、陰陽学説と並んで中医学の基礎となっている五行学説についての話です。五行学説とは、宇宙の森羅万象はすべて「木・火・土・金・水」(もく・か・ど・ごん・ すい) の5つに分類され、これら5つの相互作用や相互変化によって構成されているという自然哲学です。分類されるものには、五臓・季節・色・味などがあります。 

 

秋は「肺」の季節


空気が乾燥しやすい秋は「燥」の季節で、五行学説では五臓のなかの「肺」が最も影響を受けやすいと考えられています。中医学でいう「肺」は、ガス交換を行う西洋医学的な「肺」という臓器のみを指すのではなく、大腸や鼻、皮膚なども含み、外の空気を取り入れる呼吸器系と外界と接触している皮膚の働きから、体の防衛機能や免疫機能とも深く関わっています。

 

「肺」は「潤い」を好み、「乾燥」を嫌う


健康な「肺」血液や体液(津液という)で潤されていますが、その機能が弱いとカラ咳、喉や鼻の乾燥感、便秘、肌がカサカサするなど様々なトラブルを引き起こします。また、「肺」は体の水分代謝にも関係しているので、その調整機能が低下すると余分な水分が体に溜まって、むくみやめまい、鼻水、痰などの症状の原因となります。

 

「薬食同源」で「肺」に潤いを与えよう


食欲の秋はきのこ類やイモ類、梨・柿などの果物の美味しい季節です。これらはすべて「肺」に潤いを与えてくれる食べ物です。美味しい旬の味覚は元気な「肺」に欠かせません。また、麦門冬、天門冬、貝母などの入った漢方薬や、最近注目のグミ科の植物サージもお勧めです。