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薬膳について

夏の食材:余分な熱を冷まして利尿する【冬瓜】

薬膳食材としての冬瓜は?


冬瓜は冬の瓜と書きますが、立派な夏野菜です。貯蔵性に優れ、丸のまま冷暗所で保管すれば冬までもつところから「冬瓜」の名前がついています。実は「冬瓜」は「トウガ」と読むのですが、訛って「トウガン」になったのだそうです。品種はいろいろありますが、今全国的に流通しているのは楕円形で濃い緑色の皮の「琉球トウガン」です。

冬瓜は全ての部位に薬効があります。茎は「冬瓜藤」と言って脱肛に外用でき、葉は「冬瓜葉」と言い糖尿病やマラリアに、果瓤の「冬瓜瓤」は口の渇きを解消する作用がありますが、現在では果皮と種子だけが薬用とされています。果皮の「冬瓜皮(トウガヒ)」には利尿作用があり腎炎や尿道炎、排尿障害やむくみなどに用いられますし、種子の「冬瓜子(トウガシ)」「冬瓜仁(トウガニン)」は、肺の熱を取って痰を切り膿を排出する効果に優れます。

野菜としては、95パーセント以上が水分でできているダイエット食材です。夏に旬を迎えるウリ科の冬瓜は、体の熱を冷まし、利尿してむくみを解消してくれます。また排尿回数を多くすることで体内のアルコール濃度を低下させるので、「酒毒」にも有効とされています。

 

注意することは?


トマトやナスのように、夏に旬を迎える野菜は体を冷やす寒涼性のものが多いです。冬瓜も冷やす性質があるため、身体が冷えている人やお腹が冷えやすい人は食べ過ぎないようにしましょう。

むくみにも良い食材ですが、陽虚で浮腫んでいる人には向きません。お腹を冷やし利尿に働くので、頻尿や慢性の下痢症の人にも不向きです。

 

お勧めレシピ


冬瓜はあっさり淡白で、それ自体にはあまり味がありません。夏向きに、体の熱をとる冬瓜と暑さで消耗した体に元気をつける鶏肉を組み合わせてみました。皮を薄く剥き、塩や薄口しょうゆで仕上げると、綺麗な翡翠色が目にも涼しげです。鶏団子にはお腹の調子を整えるジャガイモが入っているので、冷やしても脂っこくならずふわっとした食感です。

ただ、冷たくして頂くと口当たりがよくおいしいですが、お腹を冷やしすぎるかもしれません。夏は冷房やナマ物や冷たい飲食で意外と体の中は冷えていることがありますので、体調に合わせて、頂く前に生姜の絞り汁を垂らしたり、針生姜をあしらってみましょう。

 

冬瓜と鶏団子の煮物


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【材料】
冬瓜 1/2個
鶏挽肉 300g
マッシュポテト 70g
塩 大さじ1
紹興酒 小さじ1
出汁
生姜

【作り方】
①じゃがいもは皮を剥いて柔らかく茹で、潰して冷ましておく
②鶏挽肉に塩と紹興酒小1を加え、粘りが出るまでよく混ぜ、①を加えて更に混ぜる。
③冬瓜はタネとわたを取り、綺麗な翡翠色になるよう薄く皮を剥き、味がしみやすいよう皮側に薄く格子状に包丁を入れる。
④鍋に出汁を張り、沸いたところへ、スプーン2本を使って鶏肉を丸めながら加えていく。
⑤鶏団子に火が通ったら取り出し、あくをすくって、今度は冬瓜を入れて中火で煮る。(出汁が少なければ冬瓜がひたるくらいまで足す)
⑥冬瓜が透き通ったら、塩で味を調え、火を止める。

【食材の功能】
・冬瓜…甘、淡/微寒/肺/大小腸/膀胱経/利尿・清熱・化痰・生津,解毒
・鶏肉…甘/温/脾・胃/温中・益気・補精・填髄
・生姜…辛/温/肺・胃・脾/散寒解表・降逆止嘔・化痰止咳・解諸毒
・じゃがいも(馬鈴薯・洋芋)…甘/平/和胃健中・解毒消腫
・塩…咸/寒/胃・腎・大・小腸/涌吐・涼血・解毒・軟堅

 

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