スーパーや八百屋など食料品売場でよく見かける”しょうが”。料理でも良く使いますが漢方薬の中に含まれるお薬でもあります。生薬名は「しょうが」ではなく、「生姜(しょうきょう)」と呼びます。生薬としての生姜には様々な使い方があり、加工により呼び方や効能が変わってきます。今回は生姜の色々についてご紹介します。

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mm, ginger / Willrad


日本で漢方薬の中に使われているショウガには、「生姜(しょうきょう)」「乾姜(かんきょう)」があります。生姜(しょうきょう)は葛根湯や桂枝湯、加味逍遙散などよく使われる漢方薬の中にも含まれています。乾姜(かんきょう)は、小青竜湯、苓甘姜味辛夏仁湯、半夏瀉心湯、四逆湯などの漢方薬に含まれています。中医学にも、もちろん生姜と乾姜はありますが、日本とはまず呼び名が違い、更に指しているものも違います。

 

中国と日本のショウガ生薬の違い


新鮮な生の生姜
日本・・・・・鮮姜
中国・・・・・生姜

生の生姜を乾燥させたもの
日本・・・・・生姜
中国・・・・・乾姜又は干姜

蒸して乾燥させたもの
日本・・・・・乾姜
中国・・・・・該当なし

上のように日本と中国でははっきりとした違いがあります。日本で「生姜(しょうきょう)」は生のショウガを乾燥させたもののことを指します。また、「乾姜(かんきょう)」は、湯通し又は蒸して乾燥させたものをさします。中国では、蒸して乾燥させたショウガは生薬として使われていません。

中国の「生姜(しょうきょう)」は上の写真の様に、新鮮な、生のひね生姜のことを指しています。そして中国で言う「乾姜(かんきょう/乾燥させたショウガ)」は、乾燥させた生のショウガで日本でいう「生姜(しょうきょう)」のことを指します。なぜ違いが生じたかは不明ですが、ややこしくとても間違えやすいですね。

中医学の生姜と日本の生姜とでは、ただ乾燥させた生かという違いですが、その違いは効能に現れます。

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日本名 生姜(ショウキョウ)、中国名 乾姜(カンキョウ)の、乾燥させたショウガ。



中医学的ショウガの効能


【生姜】
性味:辛、微温
帰経:肺、脾、胃
効能:散寒解表、温胃止嘔、化痰行水、解毒

【乾姜】
性味:大辛、大熱
帰経:心、肺、脾、胃
効能:温中散寒、回陽通脈、温肺化痰・化飲

生のショウガは、発汗解表や止嘔・解毒作用に優れていて、乾姜は温中散寒・化痰の力があります。生のショウガには、その精油成分から発汗を促して、病邪(寒気や悪寒など)を発散させる働きがありますが、乾燥させたショウガにはそれはなく、冷えを体の中からじんわり温める力があります。また、生のショウガには吐き気を抑える作用がありますが、乾燥させたショウガにはありません。

また生薬を加工することを修治(しゅうち又はしゅうじ)といい、加工することで効能も変わってきます。新鮮な生姜は発汗作用や吐き気を和らげる作用が、乾姜は温める力が強いといった特徴があります。その他にも日本ではあまり使われていませんが、焙姜(ほうきょう)煨姜(わいきょう)というのもあります。

【焙姜(ほうきょう)】
黒姜ともいう。乾燥したショウガを焙じて炭化させたもの
性味:苦、温
効能:温中止瀉、止血

【煨姜(わいきょう)】
紙に包み湿らせた後火の中にくべて蒸し焼きにしたもの
性味:辛、温
生姜より発散作用が和らぎ、温中止嘔が強まる

修治して少し状態が変化するだけで作用に違いが出てくるのは面白いですね。漢方薬を服用するときにただ飲むだけではなく、見方を変えてみるとより効果を感じられる気がします。