・不妊症の原因


不妊症の原因は大きく男性因子と女性因子に分けられます。かつて不妊は女性の病気と考えられた時代もありましたが、現在では、報告によりますが、原因が特定されたものの約半分は女性、約半分は男性に原因があるとされています。

もっとも原因がわからないことも多く、5~15%は原因不明とされています。

不妊症の原因には以下のようなものがあります。

女性不妊


・卵胞発育障害と排卵障害
・卵管性不妊
・子宮性不妊と着床障害
・子宮内膜症と子宮腺筋症

 

男性不妊


・精索静脈瘤
・停留精巣
・染色体異常
・内分泌障害
・射精管狭窄
・閉塞性無精子症
・勃起障害(ED)
・性分化異常

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・不妊症の中医学的な見解


中医学では不妊症に限らず、病とは本来人間が持っている様々な機能が不調になった状態であると考えます。特に生殖系に関わる人体の機能は、臓腑で言えば腎・肝・脾といった臓が関わっていると考えますので、それらの不調によって不妊症になることが多いでしょう。また、精の不足、血の不足や巡りの不調、気の巡りの不調、痰湿の貯留なども原因として多く認められます。

 

・不妊症の漢方薬治療とは


上記のような病態に対し、中医学ではそれぞれ対応するすべが提供されています。といってもそんなに難しいことではなく、例えば気の巡りの不調があると考えられる場合には気の巡りを改善する薬、といった非常に素朴なものです。

1.腎虚


先天的な虚弱、或いは後天的な要因(中医学では寒湿の邪気や過度の性活動なども要因として考えられています)により、腎の働きを損傷し、腎気虚、腎陽虚、腎陰虚などになる

i)腎気虚 月経不順、経血量は多い時も少ない時もある。

ii)腎陽虚 月経は遅れがちで、量が少なく、色が淡い。ひどいと無月経になる。帯下が多い。

iii)腎陰虚 月経は遅れがちで量が少なく、色が赤い。

2.肝鬱


ストレス、感情の過度の刺激などにより、肝(ここでは自律神経系のバランスととらえて頂けると近いと思います)の働きが不調となり、気の巡りが不調となり、女性の月経周期に重要な経絡の気血の巡りが悪くなる
月経が早まったり遅れたり、量は多かったり少なかったりする。月経前・中に乳房・胸脇・下腹部(真ん中ではないところ)に張るような痛みがある。

3.痰湿


肥満である、あるいは脂っこいものや味の濃すぎるものなどを摂りすぎると、水の巡りが不調となって体内に痰湿と呼ばれる邪気がたまる。
月経は遅れがちで帯下が多く、色が白くて匂いはしない。

4.血瘀


気の巡りの不調が長くなる、もしくは月経中に寒湿の邪気に犯されるなど様々な理由で体内の血の巡りが悪くなり、体内に血瘀が形成される
月経が遅れがちで、量は多かったり少なかったりする。経血が黒っぽく、塊がある。不正出血がある。月経痛がひどい。

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それぞれのタイプの弁証論治


1.腎虚


i)腎気虚 眩暈・耳鳴り・腰痛・だるさ、尿が薄く多い、等の症状があります。参馬補腎丸等がよいでしょう

ii)腎陽虚 腰痛、特に下肢や腰の冷え、性的に淡泊、尿が頻回だったり残尿があったりする。顔色は暗くて顔に艶がない、など。双料参茸丸等がよいでしょう。

iii)腎陰虚 眩暈・耳鳴り、腰痛、動悸、不眠、寝汗などがある。杞菊地黄丸等が良いでしょう。

2.肝鬱


怒りっぽい、イライラする。逍遥丸等が良いでしょう。

3.痰湿


頭重感、眩暈、動悸、だるさ、食欲不振などがある。健胃顆粒等が良いでしょう。

4.血瘀


頭痛、肩こりなどがある。冠元顆粒などが良いでしょう。

 

「気をつけたい生活習慣」について


中医学的には、体を冷やさないこと、逆にお酒や辛いものなどで体を熱くさせすぎないことは基本です。その上で、ストレスを避け、発散するために深呼吸や軽い運動を心がけ、十分な睡眠を取り、物事にくよくよ悩みすぎず、五味五色のバランスの取れた食事を取る事を心がけましょう。