イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 日本橋店BLOG

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長征(ちょうせい)ってご存じですか?

英語でロング・マーチと言い、なんともおしゃれな名前ですが現実は少し違います。
1 9 3 4 ~ 3 6 年、毛沢東らが蒋介石率いる国民党軍から逃れながら、12500 キロもの距離を約1 年で走破し(1 日約4 0 キロ!)
この大遠征の成功によって中国建国への転換点となったと伝えられています。

しかし、出発時には1 0 万人いた兵力もゴールの延安に到着した時には数千人までになってしまうほどの過酷な旅でした。
その不屈の精神を学ぶため、この長征を1 2 年かけてたどる研修をイスクラ産業ではもう2 5 年前からやっているそうです。
現地の方にも非常に驚かれます。(まもなく二周目完結)。
今井さん行ってきま~す
今回は甘粛省、陝西省を主とする7都市を訪問しました。
粛省蘭州市からの道のりはバスでなんと1 4 0 0 キロ、標高も2 0 0 0 ~ 3 5 0 0 m 、断崖絶壁のでこぼこ道を行くのですが、当時は徒歩での困
難や苦労を考えると自分の悩みはちっちぇなぁ( – _ – ) と思うばかりです。

 

また、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)の主要生薬である当帰の名産地であるミンケンの当帰畑、当帰市場も見学することができました。
当帰市場で知らないおじさんと。
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生薬好きの私としては大興奮です!

中医学は中国の文化と密接に関係していることもあり、北京・上海のような大都会、西安のような趣のある古都、甘粛省の広大な大地などを知るこ
とによって中医学や、中国の奥深さを少しだけ理解できた気がします。

イスクラ薬局日本橋店 店長 今井太郎

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2011/11/08

秋の薬膳:豆乳のブランマンジェ梨のコンポート添え

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お盆も過ぎましたが、この猛暑はまだまだ続きそうですね。

これから秋になると気候が乾燥してきますが、中医学では秋前半の乾燥を“ 温燥”、後半の乾燥を“ 涼燥”と区別し、その治療方法にも違いがあります。

温燥に対しては、熱を冷まして潤いを与える治法、涼燥に対しては、冷えを取り、潤いを与える方法となります。

この豆乳のブランマンジェ梨のコンポート添えはどちらかといえば冷やす要素が強いので温燥の方に向くデザートです。

ブランマンジェはフランス語で“ 白い食べ物”という意味ですが、この白という色は、中医学の考え方の基本となっている五行学説という中国哲学の中で、肺と関係が深い色とされています。

今回はヘルシーな豆乳をベースに、肺を潤す作用の“ 百潤露”を入れてブランマンジェを作り、それに梨のコンポートを添えて、風邪で喉が痛いときでもすんなりと喉を通りそうなデザートを作ってみました。勿論牛乳を使って作っていただいても結構ですし、生クリームを一部加えるとり美味しくなります。

又本来アーモンドの粉やエッセンスを加えるもののようですが、今回はグランマニエを香りづけで使っています。これもお好みでラム酒や他の香りでどうぞ。梨の詳しい効能については、今月の漢方百科でご紹介していますのでどうぞご参考になさってくださいね。

材料:
①梨のコンポート 佐藤さん 豆乳フロマージュ
梨・・・2 個
白ワイン・・・300ml
水・・・150ml
蜂蜜・・・大さじ2
シナモンスティック・・・1 本
クローブ・・・3 個

②豆乳のブランマンジェ
豆乳・・・3 0 0 c c
蜂蜜・・・大さじ2
板ゼラチン・・・4 . 5 g( 1 . 5 g × 3 枚)
百潤露・・・4 . 5 g ( 1 . 5 g × 3 包)

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作り方:
1.梨のコンポートを作る。梨は縦4つに割り、皮をむ いて芯を取る。そのうちの3 切れにグローブを一個ず つ刺す。

2.ホウロウ又はステンレスの鍋に、梨。白ワイン、水、
ハチミツ、シナモンしスティックを入れて強火にかけ
る。

3.煮立ってきたら弱火にして、丹念にアクを取りながら、
15 ~ 2 0 分煮る。火を止めて、そのまま粗熱を取り、
冷めたら冷蔵庫で冷やしておく。

4.豆乳のブランマンジェを作る。鍋に豆乳、ハチミツ、
水で戻して水気を絞った板ゼラチンを入れて火にかけ
る。ゼラチンが溶けたら火からおろし、百潤露、グラ
ンマニエを加え、型に流し入れる。粗熱がとれたら冷
蔵庫で冷やし固める。

5.皿にブランマンジェを型から外して盛り、梨のコンポー
トをスライスして添え、ミントをあしらう。
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主な材料の効能
梨:甘微酸・涼/肺胃/生津・滋陰・清熱・化痰・止咳・生肌・解酒毒

白ワイン:辛酸甘・温/心肝脾肺/健脾・滋陰・理気・安神

蜂蜜:甘・平/脾胃肺大腸/和中・止痛・潤肺・止咳・潤腸・通便・潤膚・解毒

桂枝(シナモン):辛甘・温/肺心脾肝腎膀胱/発汗解肌・温通経脈・通陽化気・平衡降逆

丁子(クローブ):辛・温/肺胃脾腎/温中降逆・下気止痛・温腎助陽
豆乳:甘・平/肺脾大腸/補虚損・化痰・通淋・鎮咳・通乳・生津

《百潤露》
百合:甘・微寒/心肺/潤肺止咳・清心安神
北沙参:甘・微苦・微寒/肺胃/清肺熱・養肺陰・養胃生津
玉竹:甘・微寒/肺胃/養陰潤肺・生津止渇

2011/09/13

☆眠りによい香り

寝苦しい日が続く中で、よく眠れない…そんなお声もよく聞きます。
今日は、良い睡眠の助けとなるような、‘香り’についてご紹介したいと思います。

 

~香りのメカニズム~
香りの成分は欲求や、感情などに深く関わる大脳辺縁系に直接伝わります。
さらに視床下部へ伝わり、自律神経や内分泌系、免疫系に働きかけ、心身に影響していきます。

香りで気持ちが落ち着き、心身のバランスを取り戻すきっかけになるのは、香りが記憶と結びつき潜在意識に働きかけてヒーリング効果をもたらしたり、香りの成分の情報が、脳による神経伝達物質の放出に関わるからだと考えられています。
~中医アロマであなたに合う香りを~
中医アロマとは、香りを選ぶ際に、中医学の知恵を使っていくというものです。
漢方薬を選ぶように、一人一人の体質を見て香りを選んでいきます。 image

~タイプ別:眠りにおススメの香り~

あなたはどのタイプ?

①くよくよタイプ(心脾両虚)…疲労・夢が多い、食欲不振、寝つきが悪い

☆ラベンダー、スイートマジョラム

②ストレスタイプ(肝気鬱結)…イライラして眠れない、目が充血している、
脇や胸や張る、寝つきが悪い、夢が多い
☆ベルガモット、カモミールローマン、スイートオレンジ

③老化タイプ(心腎不交)…手足が熱っぽい、更年期障害、寝汗、口が渇く、
物忘れ、腰痛
☆ローズウッド、ゼラニウム、シダ- ウッド

~アロマを気軽に実践~

最後に、気軽にできるお薦めの方法をご紹介致します。

◆寝室でもアロマを…

枕の横に好きなオイルを1滴、ティッシュに含ませてみてください。

直接枕カバーにたらすとしみになることがあるので、ティッシュがオススメです。

◆ぬるめのアロマバスでリラックス

好きなオイルを計5滴、岩塩大さじ1または牛乳300ccに垂らして、お風呂に混ぜ入れます。

お湯が熱い場合は交感神経が興奮して眠れなくなることがありますので、湯温は38℃くらいがオススメです。

2011/08/04

暑さがもたらす体へのダメージ

電力不足が心配される中、昨年に続き猛暑も予想されている今年の夏。  ゴーヤ しんしん
節電しながら涼しく夏を過ごすためには・・・

ご家庭では、節電家電の扇風機や土鍋、魔法瓶といった“ 昭和的グッズ”が再注目され、軽装での出勤を勧めるクールビズ、サマータイムの実施をはじめた企業も多くなってきましたね。

こんな時こそ暑さに負けない体を作ることが大切になってきます。 日本の夏は、気温が高いだけでなく湿度も高く蒸し暑い。

そのため、体調を崩しやすく不快に思う方も多いはず。 今年は、猛暑のピーク前から、夏を乗り切る準備を始めましょう。    

 

1.大量の発汗で体は消耗状態に
暑いと体温を調節するために汗をかきます。しかし、多量の発汗は体内の水分(津液) の消耗につながります。

津液は血液の大切な成分のひとつ。“ 血汗同源(けっかんどうげん)”といって、多量な発汗によって津液が失われると血液の消耗にもつながります。

2.エネルギー不足は心負担へ
血液は気とともに体を活発に動かすエネルギー源。心臓が力強く脈打つことで、全身にくまなく血液が運ばれます。

この心の拍動の原動力となるのが心気(心のエネルギー)と心血です。 暑さによる津液消耗で心気や心血が不足すると、心の拍動が弱くなり、血流も悪くなります。

真夏に、動悸・息切れや心筋梗塞などが起きやすいのもこのためです。

 

3.暑+湿が夏バテ症状を引き起こす
単に暑いだけでなく、湿度も高くなると体に余分な湿を溜め込みやすくなります。夏バテ特有の、体の重だるさはまさに湿の仕業。

また、体を冷やすビールやアイス、冷たい飲食物をついつい多く食べてしまいがちですが、過食は禁物。

体を必要以上に冷やすばかりか、胃腸に余分な湿をもたらすことに。体のだるさや胃腸トラブル、むくみへとつながります。

 

おすすめ1 麦味参顆粒(生脈散)

汗で失った津液と気を補う漢方薬。心血を増やし、心臓の ポンプ機 能を高めます。
また耐高温効果もあり、猛暑下でも耐えられる適応能力を高める働きがあるとも言われています。 

おすすめ2 冠元顆粒

夏でも引き続きご服用頂きたい漢方薬です。津液不足による血流の停滞をスムーズにします。
血液とともに、血管の老化を予防する効果も確認されています。

おすすめ3 勝湿顆粒 

夏の湿気による不調にはコレ!
名の通り“ 湿に勝つ薬”。体内の水分代謝を促し、湿をとばす漢方薬です。夏バテ、夏カゼ、冷食による胃腸不和、食あたり時にぜひご活用下さい。

2011/07/15

梅雨の食養生 夏野菜のカレー・スパイシービーンズライス添えとハイビスカスティー

今年は早くも梅雨入りしてしまいましたね。

この時期になると、体が重怠くなったり、足が浮腫んだり、下痢をしたり、食欲が無くなったりする方はいらっしゃいませんか?中医学では、そのような状態は体の中に“ 湿邪”が存在していると考えます。

そして、袪湿といって湿邪を取り除く治療法を使います。食物の中でも利尿作用によって湿を取り除く食物があり、代表的な物をしては、ハトムギ、小豆、緑豆、とうもろこし、ナス、インゲン、セロリ等です。今回はそれらの食材を使ったカレーと、スパイシーライス、そしてハイビスカスティーをご紹介します。

1106_星星新聞.pdf - Adobe Reader

このレシピは料理研究家の辰巳芳子先生の本の中のレシピを参考にさせていただいたものです。辰巳先生のオリジナルレシピは中医薬膳学的に見てもとても理にかなっていて、素晴らしい物ですが、更に薬膳パワーをUPさせるようにアレンジさせていただきました。

カレーやスパイシーライスに使われるスパイス類は、体を温める作用の物が多く、一見暖かいこの季節に使うのはふさわしくないと思われるかもしれません。実は中医学の養生法として、”春夏に補陽し、秋冬に補陰す”という言葉があります。

これは、春夏の食生活は体を冷やす食べ物に偏りがちで体の中の陽気を損傷しやすいので、逆に補陽を意識し、秋冬の食生活は、体を温めようとして、熱性の食べ物に偏り、結果体の中に熱を溜め込みやすいので、今度は補陰を意識するようにすると、通年体内の陰陽のバランスを取ることが出来ると言う意味です。

辰巳先生曰く、“「作り方」は常識の範囲ゆえ、「材料」のみ紹介する”とのことですので、作り方は私流の簡単お気楽な調理方法を記載しました。

ですが、辰巳先生の本にもポイントとして記されている、ナスの下処理(作り方③)は必ず行ってくださいね、ナスの美味しさが断然違ってきますので。梅雨時の体調管理の為のメニューの一つとして、どうぞお役立て下さいね。ティーを添える。

~材料~

① 夏野菜のカレー(3,4 人分)
にんにく1 片、生姜1 片、玉ねぎ大1 個、ローリエ1 枚、トマト大1 個、セロリ1 本、インゲン1 袋、ナス1 袋、野菜ジュース200ml、カレー粉大さじ3 ~ 4、米粉大さじ1 ~ 2、ガラムマサラ、ナンプラー、塩、オリーブオイル、各適量

② スパイシービーンズライス
米1 合、ハトムギ*、緑豆*、小豆*、大麦(米粒麦)*、乾燥トウモロコシ*

*合わせて米の5 割~同量、オリーブ油適量、塩適量、ローリエ 1枚、カルダモン4 粒、 シナモン2 分の1 本、 クローブ4 粒、ハイビスカスティーパック1 袋

 

~作り方~

① 緑豆、小豆をそれぞれ固めに下ゆでしておく。米、ハトムギ、大麦、 乾燥トウモロコシを合わせ、通常炊飯の水量に浸しておく。

② 鍋に多めのオリーブオイルを入れ、スパイス類を入れて弱火で熱し、スパイスの香りを油に移した後、緑豆、小豆と共に浸水している米類に加えて炊く。

③ ナスを輪切りにして、切り口に塩を振り、7 分程置き、切り口に灰汁が出てきたら、水洗いし、水分を拭き取る。

④ にんにく、生姜、玉葱のみじん切りを多めのオリーブオイルでじっくり炒め、ナスやその他の野菜を適宜切って加え、ふたをして蒸らしな
がら炒めていく。

⑤ カレー粉、米粉を加えて更に炒め、野菜ジュースを加え、水分が足りないようなら水を加え、野菜に火が通るまで煮込む。

⑥ 炊きあがったスパイシーライス、カレーを皿に盛り、ハイビスカスティーを添える。 ティーを添える。

 

食材分析メモ( 性 味/帰 経/効 能 )1106_星星新聞.pdf - Adobe Reader

にんにく:甘・温/脾胃肺/温中・健胃・止咳・化痰・宣竅・解毒

生姜:辛・温/脾胃肺/化痰・止咳・解表・散寒・健脾・解毒・温中・止嘔

玉葱:甘辛・温/肺胃/和胃・降逆・化痰・理気・活血

トマト:甘酸・微寒/肝脾胃/生津・止渇・涼血・平肝・健胃・消食・解暑

セロリ:甘苦・涼/肝肺膀胱/平肝・清熱・利湿・治淋

いんげん:甘・平/脾胃/補中・補気・袪湿

ナス:甘・涼/脾胃大腸/清熱・活血・利水・消腫・健脾・和胃

ターメリック:辛・苦寒/心肝胆/活血止痛・行気解欝・涼血清心・利胆退黄

米:甘・平/脾胃/補中・補気・健脾・和胃

ハトムギ:甘淡/涼/脾肺腎/利水・滲湿・健脾・止瀉・清熱

緑豆:甘/涼/心胃/清熱・解毒・解暑・利水・解酒

小豆:甘酸/平/心小腸/利水・滲湿・清熱・解毒

大麦:甘鹹/涼/脾胃/利水・通淋・健脾・和胃

とうもろこし:甘/平/大腸胃/健脾・補気・和胃・調中・利水・利胆

シナモン:辛甘/温/肺心脾肝膀胱/散寒解表・温経通陽

クローブ:辛/温/肺胃脾腎/温中降逆・行気止痛・温補腎陽

ハイビスカスティー:酸/涼/心脾胃大腸/解暑・降気・利水・活血

2011/06/14

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売