イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

ブログ日記BLOG

夏バテ、むくみにはコレ『メロン』のお話

こんにちは。店長の櫻井です。
台風一過でいきなり猛暑と熱帯夜となった関東地方ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。気温・湿度の上昇は肌トラブルを抱えている人、のぼせのある人、胃腸トラブルを抱えている方々にとって、とっても辛い日々なだけでなく、汗をかかせ、安眠を妨害し、体力を低下させるので、どんな人にも辛く、負担になる環境です。またエアコンを使用することも増えるので、喉がやられたり、寒暖差により体調を崩してカゼを引いたりなど、夏は一年の中でも養生がとっても大切な時期なんです。
 

水遊び
水遊び / tab2_dawa



古典に見る「夏の養生」


夏と夏の養生について、中医学の古典『黄帝内経』にはこう書かれています。
『夏の三ヶ月を「蕃秀(ばんしゅう/成長の意味)という。天地の陰陽の気が盛んに交流し、万物がどんどん成長して咲き栄える。夜は遅く寝て朝は早く起きる。日の長さと暑さを厭わず、物事に怒らずに気持ちよく過ごすべきである。つまりは、夏に咲きそろう花のように、体の陽気を気持ちよく発散させる。これに背くと夏の気である心気が傷み、秋になって瘧(おこり)となるのである。』
中医学では、「自然とともにある」ことを何よりも大切にしています。夏は夏らしく汗をかくこと。日の入りが遅く日の出が早いように、遅く寝ても早く起きること。花々が咲き誇るように穏やかに過ごすことを良しとしています。夏は遅く寝ても朝は日の出とともに起きて、暑くても活動し、適度に運動も取り入れて汗をかき、陽気を発散し、身体こもらせないようにしましょう。もしこれが出来ず陽気が体内にこもってしまうと、身体の中で熱を持つようになり、元々陽気が多い心や肺を傷つけてしまいます。秋になると出てくる空咳の原因は夏の陽気のこもりにもその原因の一端があります。
現代ではエアコンが一般的になり、どこへ行っても寒いぐらいに空調が効いています。となると、毛穴は閉じてしまい、汗をかいたり、陽気を発散することが出来ません。陽気がこもり、熱がこもってしまうのでどうしても冷たいものもに手が伸びます。そうすると今度は胃腸が冷えてしまい、下痢になったり体力が低下したりしてしまい夏バテになるだけでなく、これも秋冬に体調を崩す要因の一つとなります。

夏の食養生では、熱を体内にこもらせないこと、水分を排出することが肝心です。夏に旬を迎える数多くの野菜や果物には、身体にこもった熱や水分をとり去り、身体の外へ出してくれるものがたくさんあります。今日ご紹介する『メロン』もその一つです。


melon / 夕張メロン
melon / 夕張メロン / Kanko*



メロンの歴史


メロンがもつ上品さと荒々しい大地や砂漠のイメージとが結びつきませんが、メロンの原産地はなんとアフリカや中近東地方だそうです。そこから西の方へ伝わったものを「メロン」、東へ伝わったものを「瓜」と呼ぶそうで、日本にもある「マクワウリ」がそれです。また、胡瓜ももともとはこの瓜から派生したものだそうです。一般的に私たちが思い描くあの「メロン」が持ち込まれたのは明治中頃。ヨーロッパから持ち込まれ、大正にかけて普及したそうです。



これは全くの余談ですが、「アンデスメロン」と南米にある「アンデス山脈」は全く関係がなく、あれはなんと、「安心ですメロン」の略(?)だそうです。そして、「マスクメロン」の「マスク」はあの縞々のことではなく、麝香の香り、「ムスク」に似ているからだそうです。ご存知でしたか???


110809
110809 / yoco**


ほてりやむくみに最適


メロンには、果物の中でも特に多いカリウムが含まれているので、体内の水分バランスを調節し、水分とともに余分な塩分を排出してくれ、むくみや高血圧、動脈硬化の予防に効果的です。ビタミンCも多く夏の強い紫外線によるシミやそばかすの予防や美白、そしてストレス対策や、疲労回復、抗酸化などにも是非食べておきたい食材です。また、赤肉のメロンにはβカロチンも多く含まれており、これまた抗酸化作用による老化防止や癌の予防にも効果が期待できます。






中医学から見たメロン


メロンは寒性で甘味。心、脾、胃、肺、大腸に行き渡り、喉の渇きを収めて、いらいらを解消してくれます。また尿とともに体にこもった熱も排出してくれるので、ほてりやのぼせ、むくみにも効果的です
メロンは種や花、葉、へたにもそれぞれ効能があります。種は、肺にこもった熱を取り、便通を良くしてくれます。また胃腸も丈夫にしてくれる力もあるとされています。ヘタには、全身のむくみをとる力や利尿の力があります。花は胸の痛みや咳に良いとされ、葉は脱毛や打撲によいとされています。
メロンの寒性は強く、暑気あたりや体内にこもった熱を取るには効果的ですが、冷え症の人が食べると冷えてしまい、体調を崩す原因になります。また、胃腸が弱い方、小児、妊婦なども冷蔵庫で冷やしたものは避けて常温の物を控えめに摂るのがよいでしょう。
暑い夏、汗となって消耗してしまう潤いの補給や、こもった熱を排出するのに即効性のあるメロンはとても有効ですが、食べ過ぎると逆に冷えてしまいます。冷え性の人はさらに悪化することも考えられます。また、メロンを食べ過ぎると黄疸を引き起こしやすく、病の回復期に食べると胃を荒らすとも古典には書かれています。体調が優れないとき、冷えたり胃腸が弱っているときには避けたほうが良い食材ですね。
 

prosciutto with melon
prosciutto with melon / Pen Waggener


生ハムメロン、賛否両論ありますが、私は好きです。これにワインがあればしばらくおとなしくしていられますw
 

美味しいメロンを選ぶ・保存するには


縞々のメロンの場合は、いびつではなく丸みがきれいで縞々がくっきりとしていて、細かく均等に広がっているものを選びましょう。色は均一に色づいているもので、見た目よりもずっしりと重いものが肉厚で美味しいそうです。
完熟していないメロンはお尻を押すとまだ固いです。そんな時は室温で、軟らかくなるまで置いておきましょう。食べごろになるとお尻が柔らかくなり、メロンの甘い香りがしてきます。食べる前、2~3時間に冷やしましょう。切ってから保存する場合は、種は取っておきましょう。
 


 
夏バテだけでなく、秋冬に体調を崩さないためにも、夏は冷たいものを控えて、ただでさえ湿気によって弱ってしまう胃腸を労わる必要があります。メロンに限らずスイカや苦瓜、胡瓜などの瓜類は暑い地方原産の食物らしく、身体の熱を取ってくれる力があります。これからの暑い季節はどうしても冷たいものをとりがちですが、瓜類など、熱を取り除く食材を毎日のメニューにうまく取り入れて、上手に熱さ対策をしていきましょう。

2014/07/11

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売