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傷を残さない傷薬 紫雲膏のお話

『紫雲膏(しうんこう)』という軟膏をご存知でしょうか。
紫雲膏の発明者はかの有名な華岡青洲(華岡青洲は世界で初めて全身麻酔で手術を成功させた江戸時代のお医者さんです)。中身は、ごま油、ミツロウ、豚脂、当帰、紫根というとてもシンプルな内容。作り方もごま油を熱した中にミツロウと豚脂を溶かしたなかで、紫根と当帰を煎じただけ。とってもシンプルで材料さえ手に入れば誰でも簡単に作れます。
これがなんともよく効く軟膏で、我が家ではかなり重宝しております。
 


画像:wikipedia
{この下の文は少し痛いですので、心臓の弱い方は飛ばしてください}
先日、めったに料理をしない私が、仕事だった妻に変わって料理をしていたところ、買ったばかりのめちゃめちゃ切れるスライサーで心地よくキャベツの千切りを作っていたのですが、誤って指先までスライスしてしまって、結構びっくりするぐらい流血しました。いやぁ~本来丸いはずの指先が平になっていたことには焦りました。
 
{ここからどうぞ}
とにかく指先を止血して、その後紫雲膏をべっとりと塗って、絆創膏でしっかりガードしておきました。 1日2回ぐらい絆創膏を張り替えて、そのたびに紫雲膏をべっとり塗って、1週間ほど様子を見ていましたが、なんと、平だった指先が元通りに戻っているではありませんか!指って再生するんですね(笑 びっくりです。もしこれが抗生物質などの良く言われる『傷薬}を塗っただけでは、化膿はしなかったでしょうが、指先は元に戻らず平のままだったでしょう。昔、はさみでこれまたざっくりやった時には、紫雲膏の存在を知らず、抗生物質と絆創膏で治しましたが、こちらは傷跡がはっきり残っています。
 


 
人体が傷を治すとき、ばい菌などの侵入を防ぐためにとにかく早く傷口をふさぐ必要があるので、ゆっくり肌細胞を作りながらという行程は踏めず、繊維芽細胞から出されるコラーゲン様組織で素早くふさいでしまうのですが、この方法は、確かに傷口は早くふさげますが、傷の部分は盛り上がった傷跡として残ってしまいます。紫雲膏を塗ったところでは、急速に傷口をふさぐ必要がなくなるのか、皮膚細胞がゆっくりと再生されると考えられます。それは、紫根と当帰、そして、豚の脂が良く働いてくれているのではないか、と推測しています。
紫雲膏に使われる当帰には、補血活血、止痛という力があり、血を補い、血流を促進し、痛みを止める働きがありますので、血流を良くして、血を補いながら、傷を修復するにはぴったりです。紫根は、むらさきという草で、涼血活血、解毒の力がありますので、当帰と紫根は傷口を早く治す作用や解毒の作用が役立っているのだと思います。当帰や紫根は最近、美肌によいということで様々な化粧品にも配合されていますね。
紫雲膏で着目したいのは、豚の脂です。皮膚移植などでも豚さんの皮膚が使われていたり、臓器移植でも豚の体内で人の臓器を育てるなどの研究が進んだりと、豚と人間は再生医療の分野ではとても近い存在と言え、傷の治療でも豚の脂の力が影響していても不思議は有りません。
 


 
紫雲膏は切り傷ばかりでなく、あかぎれやしもやけ、痔ややけどなどには効果てきめんです!
紫雲膏はとても良い外傷の塗り薬ですが、かゆみがあったり、ジュクジュクしたアトピー性皮膚炎には、むいてないこともあります。血流を良くすることで、かゆみがましたり、ジュクジュクがなかなか取れなかったりします。そういった場合は、亜鉛華軟膏などと混ぜて使ったりすると、ジュクジュクは抑えつつ、傷が残らないようにもできるので、気になる方はご相談ください。
 
一家に一つあると安心の紫雲膏です。

2013/08/26

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