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学術シンポジウム2017 脾と免疫

こんにちは!車田です車田さん ミニ
先日、銀座で行われた、日本中医薬研究会の学術シンポジウムへ行ってまいりました。
今年のテーマは脾と免疫
ちょうど脾が弱りやすいこれからの季節(梅雨)にもってこいの内容です。
今回メインでお話しいただいたのは、劉瀋林教授(国家中医臨床研究基地(脾胃論)重点病種胃癌研究の責任者、江蘇省中西医結合腫瘍臨床研究センター主任)。
中医学的な消化器系(脾)の捉え方と、発病と免疫の関係、脾虚と腸内フローラの関係、症例、臨床研究などをお話いただきました。
その後の小林洋一先生、丸山運平先生、西野裕一先生、武藤勝俊先生のパネルディスカッションもとても興味深く、充実したシンポジウムでした。
私は皮膚疾患のあるお客様のご相談に入ることが多いのですが、アレルギーなどの免疫異常は腸内環境の影響が非常に大きいのです。人の体はちくわ状になっていると表現されているのを聞いたことがるかもしれません。
体表を覆っている皮膚と消化管を覆っている粘膜は地続きです。
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皮膚疾患は基本的には炎症反応です。皮膚で炎症が起こっていれば、同じことが消化管でも起こっていると考えることはとても自然なことです。
また、体の免疫機構の7割は腸にあると言われています。
特に現代は加工食品を食べている方が多く、食事の内容などからも皮膚疾患が引き起こされることが多く(というか先天的に疾患を持っている方以外は殆どが食事と生活習慣に原因があると思われます。)
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腸管粘液叢を整え正常化し強くしていくことが、症状を繰り返さないためには、とても重要なことではないかなぁと考えています。
以下に、今回のシンポジウムで流された腸管粘液叢で行われている免疫の働きのわかりやすい動画を紹介いたします。
必要な腸内細菌は選ばれていた!ナゾの物質・驚きの仕組み

2017/06/02

不妊症スクーリングで学んできました

こんにちは、木梨です。
先日台風が近づいている日曜日に「不妊症スクーリング」に参加し学んでまいりました。
 
その中で、山王病院リプロダクション婦人科内視鏡治療センターの藤原敏博先生に
「ARTにおける黄体機能と黄体補充」というテーマでご講演頂きましたのでご紹介いたします。
 
黄体とは卵胞が発育し排卵後に卵胞が変化したもので、ここからプロゲステロンというホルモンが分泌され子宮内膜を厚くし妊娠を維持する働きをします。
妊娠しづらい原因のひとつに「黄体機能不全」つまりプロゲステロンの分泌が低下し受精卵の着床が障害される状態があります。
これまで黄体機能不全の診断基準として
 ・基礎体温の高温相が≦10日
 ・黄体中期のプロゲステロン値<10ng/ml
 ・子宮内膜日付診の異常
以上の3点がありましたが
 ・基礎体温は精度に欠けること
 ・プロゲステロン値はパルス状に変動するため黄体機能を正確に反映するものではないこと
 ・プロゲステロン値<10ng/mlでも妊娠成立例があること
以上の点から、前記の診断基準で黄体機能不全と診断され自然排卵周期で黄体補充療法を行ってもそれには有用性は示されていないとのことでした。(ASRM米国生殖医学会の見解)
 
ところがART(生殖補助医療)では黄体補充が必須です。
なぜならARTではホルモン剤を用いるため、自身の黄体形成ホルモン(LH)分泌低下や採卵時の顆粒膜細胞の障害によって内因性の黄体機能が低下するためです。
 
では黄体を補充するならばその方法として、
プロゲステロンは天然型(分子構造が天然のものと同一)あるいは合成型のいずれがいいのか?
どの投与経路が良いのか? についてお話されました。
その結果、天然型プロゲステロンの方が安全性・信頼性の点から推奨されるようです。
さらに投与経路として①経口②筋注③経直腸④経膣の4通りで検討され
 ・子宮内膜で高濃度に分布するゆえ全身性の副作用が少ない
 ・妊娠率に対する有効性が高い
 ・投与が簡便である
などの点からプロゲステロン補充療法は膣剤がもっとも有効であるとのことでした。
今年に入って天然型プロゲステロン膣剤が発売され日本でも治療に用いることが可能になったそうです。
 
最後に凍結融解胚移植で血中プロゲステロン値を測定するかどうか?
これまでプロゲステロン値≧10ng/mlという基準がありましたが、臨床では10ng/mlに満たなくても妊娠継続例はあり、経腟投与ならば子宮濃度が十分にあれば良いのでに血中プロゲステロン値にこだわる必要はないとのことでした。
 
ART治療最前線の大変貴重な情報を頂き今後の妊活中の漢方相談で大いに役立てたいと思います。
藤原先生ご多忙の中ご講演頂きありがとうございました。
 

2016/09/02

不妊カウンセラー養成講座に参加しました

こんにちは、木梨です。
先日6月4日、5日と二日間にわたり不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座に参加し学んでまいりました。
 
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不妊治療に携わっている医師、看護師、培養士、臨床心理士、薬剤師、鍼灸師などこれまで最多の720名が全国より参集し会場は満席、熱気で溢れていました。
二日間で9講座ありましたが
とりわけ印象に残ったのは遺伝カウンセリングの先生のお話で
PGD(着床前診断)とPGS(着床前スクーリング)について。
「着床前」ということは、移植前の胚の一部を採取しその染色体を検査し染色体に異常がある胚は移植しない。
PGDはご夫婦どちらかに染色体異常または遺伝子疾患がありそれが原因で流産を繰り返す場合に行うものでこれによって反復流産というつらい経験をさけることができます。
PGSは日本においてはまだ臨床応用が認められていませんが、卵子の老化による染色体異常が移植前に判明するならば流産率を下げることはできるでしょう。
これらの方法が確立し安全性が確認されるのであれば、染色体異常による流産は避けられるようになります。
すばらしい手段とはいえまだまだ多くの課題や問題点があるようです。
 
ほかに不妊治療を行っている医師から、排卵誘発剤の種類、量を微調整しながら一般不妊治療でも高い妊娠率が得られているという治療報告がありました。
国内外においてART(生殖補助医療技術)を優先する風潮の中で、一般不妊治療のタイミング法や人工授精の有用性を見直して患者さんに負担の少ない治療を施すことが大事であると仰ってました。
私も薬局で子宝相談を受ける際、病院で「あなたにはもう時間がないのだから早めに体外受精に進んだ方がいい」と言われたという話をよく聞きます。
ARTでのホルモン剤投与、採卵、移植は身体的精神的に負担は大きいと思います。
このドクターのように患者さんの状態を見極めて治療を選択してくれるとありがたいですね。
今回の講座でも不妊を取り巻く状況について最新の情報を得ることができました。
これらのことを皆さんに適切にお伝えしていきたいと思います。

2016/06/13

雲南省へ研修に行ってきました その2

太田です。10月の上旬に中国の雲南省・昆明市にある雲南省中医医院へ行って参りました。
その時のレポートを2回に分けてお伝えしております。1回目のブログはコチラ
研修内容は、外来での診察と入院病棟での治療を見て学ぶこと。
まず、外来では葉副院長先生と欧先生の診察の様子を見せていただきました。
ニキビや乾癬、白癜などでお悩みの方が雲南省中医医院の先生を頼り、遠くから診察を受けにいらしていました。
その先生の傍で日本語での解説を聞きながら、先生の診断される内容、処方される煎じ薬の内容を学びました。
次に、入院病棟では主に外用薬の使用方法について学びました。
写真は湿布に使用する薬液。湯気が出ているのがお分かりになりますでしょうか。
ホッカホカの外用の薬液をタオルやガーゼに浸し、患部に湿布していきます。
10分程度しっかり湿布し、その後再度薬液を直接タオルやガーゼの上から注射器で注ぎ足し、再度10分程度おいて、その後軟膏(生薬が主成分です)を塗布して終了です。
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他にも、患者さんのご協力もあり、火で熱した針で直接患部をさして治療する方法(火鍼)、
梅花鍼(ばいかしん)を使用する治療、吸い玉で瀉血する方法を見せていただきました。
すごい…すごいです、中医医院。
中医学の素晴らしさを身をもって体感して学んで来ました。
この充実した研修、少しでも皆様のお役に立てるよう、日々精進して参ります。
 
余談1
雲南省、昆明市は海抜1892m。
高地のため、研修に行く1週間ほど前から漢方薬を飲んで体調を整えていました。
そのせいか、おかげさまで体調を崩すこともなく無事に帰ってくることができました。

恐るべし、中医学の知恵、です。

余談2
今回、見たかった植物を見ることが出来ました。それがこちら。
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小さくて黄色いツブツブ、見えますでしょうか。
実はコレ、沙棘(サージ)です。もっと大きな実を想像していましたが、余りの小ささにびっくり。
とても貴重な植物だなあと改めて実感したのでした。

2015/10/31

雲南省へ研修に行ってきました その1

こんにちは、太田です。
気が付けば、10月も間もなく終わろうとしていますね。
私は10月11日から16日まで、中国の雲南省・昆明(こんめい)へ皮膚科の病院へ研修に行ってきました。
少し間が空いてしまいましたが、2回に分けて研修の様子をお伝えしたいと思います。
昆明地図 (600x424)
実は私にとって中国は初めて。
成田空港から上海まで約3時間のフライト、のち、トランジットをして中国国内便で更に約3時間、やっと雲南省の省都である昆明の飛行場に到着しました。
私たちの研修を受け入れてくださったのは雲南省中医医院の皮膚科の先生方。
正門は大通りに面していて、建物の様子は日本の病院とはまた異なった雰囲気です。
この入り口を入ると、煎じ薬などを渡す受付がありました。驚くほど多くの患者さんで賑わっています。
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ここから更に奥に進むと患者さんの待合室があり、その待合室の上部には中国で語り継がれている故事が書かれています。
この様な感じで書かれていると、待っている間に退屈しない上に、何度も来ていると内容を覚えてしまいますね。面白いなあと思います。
下の写真の物語は、当帰にまつわるお話。
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そして皮膚科の病棟がこちら。
入り口は裏通りに面しており、近々新しい病棟へ移転予定とのことでした。
こちらは生薬を煎じる機械が置いてあり、生薬の香りが漂ってきます。
金銭草の香りに似ているような、甘くて懐かしい香り。
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それもそのはず…。運ばれる煎じ薬と大量の生薬…。すごいですね。
あわてて撮ったのでぶれておりますが、雰囲気を感じて頂ければ嬉しいです。
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その2へつづく…。

2015/10/31

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