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【小児の発育不全と中医学】入学式をみて思う。

先日は入学式のだったようですね。緊張した顔、うれしそうな顔、怖がっている顔、いろんな表情の子供たちを見かけました。表情はもちろんみんな背丈もそれぞれ違います。子供の成長はほんとに早いものですが、この「成長」には、中医学では「腎」の強さが関与していると言われています。中医学の「腎」とは、いったいどんなものなのでしょうか。


入学式 / hirota_kenichi

「腎」とは、、、

「腎」とは、生長と発育、生殖を司る臓器で、エネルギーである「精」溜めている生命の泉です。中医学の「腎」とは、西洋医学でいうところの、泌尿器系、生殖器系、ホルモン代謝系、カルシウム代謝系、免疫などに関わる臓器です。また、「腎は精を蔵す」といい、生命エネルギーの源とも考えられています。そして骨や歯の成長、そして脳の機能も、この「精」無くしては正常に行われません。人の成長、発育、そして老化と健康は、腎の精の充実度合いにより決まってくるというのが、中医学の考えです
ちょうど小学校に入学するぐらいの齢、中医学でいえば、女の子は7歳ぐらい、男の子は8歳ぐらいになると、歯が永久歯に生え変わる時期と言われており、ちょうど「腎」が充実し始める時期です。腎は、生長、発育、生殖を司る臓器の一つで、私たちが生きていくための、エネルギーの源でもあります。中医学には、「 腎主骨」(「腎」は骨を司どる)という言葉と、「歯為骨之余」(歯は骨の余りである)という言葉があり、歯は、云わば骨が露出した部分なので、歯を見ることで、骨の状態、しいては腎の状態がうかがい知れるというわけです。
 
 
 

老化と成長と腎の精

人は誰しも平等に齢をとりますが、背が伸びる人伸びない人、歯や骨が強い人弱い人、毛髪が豊かな人薄い人、精力の強い人弱い人など、人それぞれ異なった特徴をもち、その成長や衰退の度合いは様々です。同じ年齢の方でも、腰が曲がっている人やまっすぐな人、髪が真っ白な人とそうでない人もいます。その違いの大きな部分で腎の充実度が関わってきています。腎の充実度とは、生命エネルギーである「精」の充実度です。精がたっぷりとあれば、腰はしっかりしており、髪は豊かで、歯も骨も強く、頭もはっきりして、見た目も若々しく見えます。また「腎は髄を生ず」と言われ、骨髄や脊髄をつくっています。髄は精からつくられており、それが集まったものが骨となります。また脳は「髄海(ずいかい)」と呼ばれ、腎が精に満たされ、ちゃんと機能していることが記憶や思考などの脳の機能を維持するためにも重要です。
 
前回の「美しい髪の毛を育てる中医学」でもお話しましたが、腎の精には、父母からもらった「先天の精」に加えて、飲食と呼吸から生まれまた「後天の精」があります。精は7~8歳ぐらいから徐々に充実し始め、20代後半から30代にピークを迎えて、30歳を過ぎたあたりから減り始めて、身体的にも徐々に衰えを感じるようになると考えられています。この生命エネルギーが衰えた状態を「腎虚(じんきょ)」と言います。腎虚とは要するに老化のことです。老化は誰にも等しく訪れるものですが、腎の精の充実度により、腎が衰えるスピード、老化のスピードには個人差が出てきます。40代を過ぎてからの腎の衰えは誰しもが感じられることですが、40代手前や、子供の腎の衰え(腎虚)は、生命エネルギーの不足を意味しており、対策が必要です。


龍山寺老人 / SUNG HSUAN WANG

腎の弱さを補う補腎薬

腎を補う漢方薬に「補腎薬(ほじんやく)」というものがあります。補腎とは、腎を補うということ。補腎薬はそのための薬です。腎を補うには、腎の陰と陽を補う方法があります。陰と陽は上記の精をもとにつくられます。陰と陽の基本的な働きとは、「陽は温煦を主り、陰は涼潤を主る。」なので、冷えを感じるような場合は、陽を補い、乾燥やほてりを感じる場合は、陰を補うというのが腎を補う場合の基本です。陰と陽の説明は余りにも長くなるので簡単に説明すると、陰と陽とは、人体の生理機能環境を整え維持するものです。陽気は主にエネルギーで「動かす」もの「変化をもたらす」もの、そして温かいものです。陰は「形ある」もので、栄養に富んだ潤いや水分、血などを指し、冷たいものです。


P1090197 / andieyywong

 

冷えを伴う腎陽の不足には「八味地黄丸」

代表的な補腎薬に、「八味地黄丸」という処方があります。別名「腎気丸」または「金匱腎気丸(きんきじんきがん)」と呼ばれる有名なお薬です。これは、腰やひざのだるさ、耳鳴り、めまい、健忘など腎の衰えの症状に、手足の冷え、寒がり、むくみ夜間多尿などの陽気の不足がみられる場合に使われるお薬です。生薬の構成内容を見てみると、地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂枝、附子から成り立ち、滋陰、補血の地黄、補益肝腎の山茱萸補気健脾の茯苓の「三補」と、それに対し「三瀉」の清肝火、清熱涼血の牡丹皮、瀉腎火、清熱利水の沢瀉、利水滲湿の茯苓でバランスをとっています。補とは補うという意味で、瀉とは、余ったもの、不必要なものをとり去るという意味です。附子と桂枝は全身の機能を活発にし温めるために入れられた生薬で、全体を見ると、腎陽を助け、冷えからくる様々な症状を改善するお薬といえ、主に大人や高齢者にみられる冷えを伴う様々な症状の改善に使われています。
 

小児の発育不全を改善する「六味地黄丸」

腎陽の不足を改善する八味地黄丸に対して、腎の陰の不足の改善を主眼に置いた「六味地黄丸」という処方があります。これは上記の八味丸から桂枝と附子を抜いた処方で地黄、山茱萸、山薬の三補と、沢瀉、牡丹皮、茯苓の三瀉から成り立っています。生薬が8つではなく、6つなので六味地黄丸です。さらに「六」には「陰」や「水(腎と置き換えられる)」という意味があり、その名前が付けられたと言われています。
中医学では小さな子供は「純陽」と言って陽の塊だと考えられており、子供の陽気を強めることは、熱性の副作用が出やすくなってしまうと考えられています。子供の腎を補う場合は、腎の陰をもって補う必要があり、補陽の生薬である附子と桂枝は邪魔になったので、それらを抜いた六味地黄丸がつくられました。
六味地黄丸は元々、小児の先天的な虚弱体質や発育不良を改善する処方です。歯がなかなか生えない時や生えてもぐらぐらしている、骨の弱りのクル病や足腰が弱いなどや精神発達の遅延などを改善するために使われています。六味地黄丸は腎の陰を補いますが、根本的には、腎の精を補う漢方です。
 
六味地黄丸は長期に使われると内分泌系を調節する作用もあるため、六味地黄丸をベースにした杞菊地黄丸や麦味地黄丸、知柏地黄丸などの補陰の処方は子宝相談の時に多く使われています。その他、その陰(栄養に富んだ潤い)を補う作用を持って、大人のほてり、眼精疲労、耳鳴り、めまい、口や喉の乾燥やそれに伴う咳などにも、腎の弱りを改善する薬として幅広く使われています。


Cuties / travel oriented

中医学では、人は生まれてくるときに腎の中に、一生分の生命力の可能性を宿して生まれてくると考えており(先天の精)、もし腎の精が不足して生まれてきたら、長生きできないと考えていました。1400年ほど前に書かれた小児科の専門書、『小児薬証直訣』には、腎虚の人は64歳以上生きることが出来ず、不摂生をしたらさらに寿命は短くなると書かれています。六味地黄丸はその不足を補うことで、一般的に近づけようとした処方です。今ではそこから派生した包剤もたくさんあり、さらに細かに症状や体質に適応できるようになっています。
発育不全がみられる腎が弱い子供には、腎を補い、発育、発達を促す。それがしいては、大人になったのちの健康の維持や、寿命を延ばすことにもつながると中医学では考えています。
もし病気がちな子、生長の発育が芳しくない子、骨や関節が弱い子、小さいころからでも出来ることは有ります。今後の心配事を抱える前に、一度、漢方薬局で相談してみてくださいね。
 

2014/04/09

【自然と病気のつながり】のお話。「寒い日や風が強い日に体調が悪い」そんな方必見です。

みなさまこんにちは。イスクラ薬局六本木店店長櫻井です。
昨日4月6日は、『寒の戻り特異日』だったそうです。
※【寒の戻りの特異日】 
 寒の戻りが起こる確率の高い日。
 寒の戻りとは、春になって気温が上がる時期に突然やって来る寒さのことで、
 大陸からの寒波・北東気流による冷え込み・移動性高気圧による夜間の冷え込み等によって起こる。
ぴったりあたってましたね。天気なんて毎日違うもんだと思ってましたけど、繰り返されているんですね。確かに昨日は風が強くとっても寒い一日でした。冬かと思うぐらい寒かったですね。おかげで鼻水が止まりませんでした。頭もじゃっかんボーっとしてましたね。左後頭部に鈍痛も感じていました。特に思い当たる節は無いのに、昨日はいろんな症状が出ていて、調子悪かったです。
昨日のように風が強くて寒い日なんかは、悪寒や冷え、鼻水、くしゃみ、ふらつき、頭痛、そしてイライラや落ち込みなど気分症状も出やすいお天気なんです。ということで今日は、寒さや風なども病気の原因になる!というお話をしたいと思います。中医学から見た「自然と病気のつながり」のお話です。
 

中医学的 病気の要因

中医学には、気象の状態も『外因(がいいん)』と言って、病気を引き起こす一つの原因であるという考え方があります。自然界には、気象の変動を左右する風(ふう)、寒(かん)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)、火(か:あるいは熱)の六つの現象があり、これらを「六気(ろっき)」と呼んでいます。この六気が病気の発生原因となる場合には「六淫(ろくいん)」と呼ばれ、人体を外から侵す因子、「外邪(がいじゃ)」になり、それぞれ、風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、火邪(かじゃ)または熱邪(ねつじゃ)と呼ばれています。
これら外因が原因で発生する病気を「外感病(がいかんびょう)」と呼びます。外感病は、一般的に季節性があり春は風病、夏は暑病(火と湿の邪気が重なりおこされる暑気あたりのこと)、秋は燥病、冬には寒病が多いとされていますが、最近では、夏場のエアコンや冷たいもの摂りすぎなどによる寒病や、冬場の暖房器具による乾燥などによる燥病など、人口的な環境による外感病も存在します。
これら六因の外邪は、毛穴や喉、鼻の粘膜から入り込み、奥へ奥へと侵入していきます。その際、人体の抵抗力からの攻撃を受けつつ、戦いながら進んでいきます。その抵抗の結果が熱だったり、炎症だったりなどの症状となります。抵抗力が強いと、身体の表面部分で追い出すことが出来ますが、弱いと、外邪は内臓まですすみ、体調を大きく狂わる原因となります。
六因の邪気は、熱邪、寒邪など単体で人体を襲うよりも、風と熱、風と寒など複数の邪気が合わさって人体を襲うことが多く、さらに病状が進むことで、初めは寒気や冷えなどの寒邪の症状(寒証)がみられていたものが、徐々に発熱、強い悪寒など熱邪の症状(熱証)に変わることも多々あります。
体内の陰陽や気血水(津液)のバランスの崩れ、臓腑の機能低下等を起こすことによって、外邪に侵されたときと同じような症状が現れることがあります。これらは、内風、内寒、内湿、内熱と呼ばれています。
 

秋冬は乾燥に注意

春は風邪(ふうじゃ)に注意

「風」は春を代表する六気。それが体内に侵入し悪さを働くと、風邪(ふうじゃ)に変貌します。風邪は風に似た性質を持ち、風邪に侵されると、変化の激しい症状、流行性(流行って、無くなる)、症状がでる範囲が広く種類も多い、病変部痿が変化する・移動するなどの特徴があります。また、風邪はほかの邪気を伴いやすいという特徴もあり、中医学の古典、黄帝内経にも「風為百病之長(風は百病の長となる)」記されています。
風邪の主なタイプには、傷風、風寒、風熱、風痺(ふうひ)、内風の5つがあります。
傷風とは、風が単独で引き起こした疾病で、風にあたるのを嫌い、厚着したがる「悪風」、発熱、何もしないのに汗が流れ出る「自汗」、頭痛、鼻づまり、くしゃみ、咳、喉の痛みなど、軽いカゼを引いたような症状がみられます。
風寒は、風邪に寒邪がくっついて人体に侵入し、悪さをしているもの。初期は悪寒が強く発熱は少なく、頭痛、筋肉痛、鼻づまり、咳などがみられます。汗も通常は無く、出ていても少しです。
風熱は、風邪に熱邪がくっついて人体に侵入し、悪さをしているもの。熱寒が強く、寒気は少ないのが特徴。喉の腫れて痛み、咳なども出ることがあります。
風痺は、遊走性の関節痛が特徴です。遊走性とは、発症部位が固定せず移動性を伴っているものです。風痺は、風、寒、湿が合わさって人体を襲い、関節や筋肉の痛みを引き起こす痺証(ひしょう)の一つで、風邪の影響が強いものを指します。寒くて雨の降っている春の風の強い日には関節痛や頭痛などが起こるというのが、風痺です。
内風は、臓腑の機能失調や、気血水のバランス異常、ストレスなどによる、高血圧、めまい、イライラ、脳卒中、痙攣やひきつけなどを指します。原因としては、五臓の肝の陰(栄養分に富んだ潤い成分や血液)が発熱や目の使い過ぎ、出血、月経過多、睡眠不足、飲食の不摂などにより過度に消耗され、肝の陽気(エネルギー)を安定させることが出来ず過度に亢進した状態を作り出した結果、陽気が体上部に向かって昇ることで起こされる「風」です。これが原因でめまいや痙攣、脳卒中、熱性痙攣などがみられるようになります。
春には、私たちを取り巻く自然も、草木は芽吹き、動物たちも目を覚ます季節で、陽気が高まる季節です。それだけに風が吹きやすく、また、内風傾向の人は外の「風」の影響を受けやすい季節なので、風が強くなる春にはめまいや頭痛、気分障害などの症状が出やすくなります。
 

Wind Farm at Upolu
Wind Farm at Upolu / Yinghai

風邪から身を守るには

それぞれに対処法がちがいますが、全般的に言えるのは、肌の露出を少なくすることです。風邪は毛穴や喉、鼻の粘膜から体内に侵入してきます。露出しやすい、首元、足首、手首などはしっかり守りましょう。夏場、汗をかいたままエアコンの前で風に当たると、無防備に開いた毛穴から風邪と寒邪が侵入し、筋肉や関節の痛みを起こさせたり、お腹を壊したり、悪寒・悪風・発熱・咽頭痛などのカゼの症状に苦しむことになったりするので、注意が必要です。
内風に関しては、若干対処が違います。上に書いた通り、内風は肝の血や潤いが失われたことで陽気を抑えらず以上に亢進した状態(一種の緊張・興奮状態と言える)や、肝の機能低下で、正常な状態では滞りなく流れているはずの気の流れが悪くなり、熱を帯びて陽気とともに上昇し、風を生み出したことによるものなどがあります。よって予防法としては、肝の血・陰(潤い)を常日頃しっかりと補充しておくこと、血・陰(潤い)の損傷を最小限にすることなどが第一です。それと同時に、肝の気の巡りを回復させ、気の巡りを低下させるストレスはこまめに発散することも大切です。
肝の状態は爪に現れるため、肝の血が不足すると爪が薄くなったり、ツヤが悪くなったりすることがあります。また、「肝は目につながる」といわれ、目は肝と深いつながりがあると考えます。肝の血が十分蓄えられていれば、 栄養や潤いがいきわたり目も良く見えるようになります。過労や老化などで肝の働きが低下したり、肝の血が不足すると、 目の疲れや目のかすみ、視力の低下、ドライアイなどの目の症状が現れることもあります。


Spring Storm / Hugh Nelson

血を補う食材:鉄分の多いレバー、牡蠣、ほうれんそう、小松菜、赤い色の食材のトマト、小豆、プルーン、ナツメ、ザクロなど。 ミネラルが豊富な黒い色の食材(黒豆や黒ゴマ、黒きくらげ)も補血に役立ちます。
陰を補う食材:豚肉、豆乳、レンコン、白ごま、黒ゴマ、松の実、ハトムギ、菊花茶、白きくらげ、きゅうり、トマト、梨、ハチミツ、サンザシ、クコの実、クワの実、トマト、メロン、レモン、梨、桃等。その他、甘い食べ物と酸っぱい物を組合わせて食べることで陰が作られると考えられています。
 気の巡りの低下におススメの食材:香味野菜(葱、三つ葉、生姜、パセリ、セロリ、春菊、香菜など)、オレンジ、みかん、グレープフルーツ、柚子、レモン、キャベツ、苦瓜、ミント、アサリ、シジミ、イカなど。
上記の食材を毎日の食事に摂りいれるようにしましょう。そして気の巡りが悪くなって、内風が起きやすくなっていると、熱もこもりやすくなっているので、体を過度に温めるもの(羊肉など)や、辛味の強すぎるもの、お酒の飲みすぎは症状をさらに悪化させるので、摂りすぎないようにしましょう。春は陽気が高まるので、発散させ易い香味野菜を出来るだけ取るようにしましょう。春の山菜などは、陽気の高まりによる過剰な熱をとり去り、気を巡らせてくれるものが多いので、積極的に摂るようにしましょう。
そして、働きすぎに気をつけ、陰が補充される時間帯の夜にはちゃんと眠る事や、過剰な性行為、軽い運動は気を巡らせるので、効果的ですが、激しい運動やサウナ、長時間の入浴などによる汗の消費は避けるようにしましょう。


Spring Storm Study / GollyGforce – Living My Worst Nightmare

季節の変化は私たちに四季を感じさせてくれると同時に、気持ちや体の影響をも、もたらしています。うまく順応するためには、日ごろの備えが肝腎です。明日はちょっとまた温かくなるようですので、陽気が高まり、内風が起きやすいともいえます。今日の夜は香味野菜をとって、ぬるめのお湯で長すぎない半身浴をして、しっかりと寝て、明日に備えましょう。心地の良い春を過ごすために、養生してくださいね~。

2014/04/07

美しい髪を育てる中医学

こんにちは。店長の櫻井です。今日、4月5日は【ヘアカットの日】だそうです。
1872(明治5)年4月5日に、東京府が女子の断髪禁止令を出した。
前年に散髪、脱刀が許可されたが、これを受けて断髪をする女性が続出したため、
「男性に限って許可した断髪を女性が真似てはならない」とする禁止令を発布した。
当時、女性が断髪することは社会的に容認されないもので、
断髪したがために学校を退学させられたり、親から勘当されることもあったそうである。

この法令に反対する意味で、この日を「ヘアカットの日」としたそうな。なんとまぁ、断髪禁止令とは今からでは考えられない法律ですね。散髪が反社会的行為だなんて想像もつきませんね。断髪はパンクだったんですね。髪を切るという行為一つとっても女性の自由の象徴だったんですね。ということで今日のブログは、「」の事についてお話したいと思います。


Geishas / Geishas / Nationaal Archief


nicole1 / allyaubry

髪の毛の事実

髪の毛は健康な成人で約10万本あると言われています。髪の毛にも寿命があり、一般的に3年から7年ぐらいだそうで、正常な状態でも1日に50本から100本ほどが抜けているそうです。髪の毛は、「毛包」と呼ばれる場所でつくられていて、1日に約0.35mm、1か月で約1cm伸びます。毛包とは、すごくわかりやすく言うと毛穴です。髪の毛は、毛穴の奥深くにある、ある「毛母細胞」が血液からの栄養を得て、細胞分裂を繰り返すことで伸びるのです。髪の毛を抜くと先っちょが白くなってますよね。あれは毛乳頭です。毛母細胞は、毛乳頭から出される様々な物質により分裂をコントロールされています。なので「毛乳頭を刺激」して細胞分裂する物質を出さることが育毛に繋がるのです。
髪のクセは、毛穴の形で決まるそうです。毛穴がひらべったい黒人はもじゃもじゃのアフロになり、楕円形の白人は緩やかなカーブを描くように伸びます。アジア人は比較的丸い毛穴をしているので直毛が多いそうです。髪の毛はとっても丈夫で、たった一本でも100gの重さに耐えられ、頭髪全体なら12tもの重さにも耐えられるそうです。これはアルミニウムの強さに匹敵するそうです(wikipedia参照)。


Jen’s beautiful hair 🙂 / Life Will Find A Way

中医学で考える「髪」

中医学で髪は、「血余(けつよ)」といって、髪は血の余りといわれていて、血に余裕がないと髪が育たないと考えています。中医学の言う「血」とは、単に血液だけなく、それが運ぶ栄養やホルモンなども含まれていて、栄養の循環と老廃物の回収・除去が「血」の役割です。質の良い「血」が潤沢に滞りなく循環していることで、美しい髪がつくられると考えています
それと同時に「髪は腎の華」という言葉もあります。「腎」とは「精(生命力・生殖力の源)」の貯蔵庫です。「」は、状態を表すという言葉で、髪は腎の状態を表すインジケーターということです。
腎に蓄えられている全てのエネルギーの源である「精」は、父母からもらった精(先天の精)に加えて、飲食と呼吸から生まれます(後天の精)。精は生まれた時から徐々に充実して、20代後半から30代にピークを迎えて、30歳を過ぎたあたりから減り始め、徐々に衰えを感じるようになると考えられています。この衰えた状態を「腎虚(じんきょ)」と言います。腎虚とは要するに老化のことです。腎虚は誰にも等しく訪れるものですが、腎の精の充実度により、そのスピードには個人差があります。いつまでも若々しく有りたければ、腎の精をしっかりと補い、腎を強く保つことが大切で、美し髪を保つにも、腎に精が充実していることが大切なんです。


natural hair product / Gideon Tsang

美しい髪を保つ

中医学的考えでは、良い食材からつくられた質のよい血が十分にあり、滞りなく流れていることと、腎の精が十分にあることが美しい髪をつくる条件になります。質の良い髪を保つには、まずはよい血を作ることを心がけることが大切です。血を補うレバー、牡蠣、ホウレン草、小松菜、黒豆、棗、桃、小豆、ブドウ、レーズン、プルーン、ブルーベリー、トマト、豚肉などもしっかり食べる事と、腎を補う黒豆、黒米、黒きくらげ、黒胡麻、くるみなども良いでしょう。そして、腎を鍛えて血流を良くするためには、歩くことも忘れてはいけません。腎の精は、夜更かし、過労、ストレス、過度なセックスなどにより消費されてしまいます。
勿論、良い食事から良い血や精をつくりだすには、胃腸が健康な状態でなくてはいけません。髪の毛は胃腸で作られているといっても過言ではありません。胃痛や胸やけ、下痢や軟便などがあれば、まずそこからケアすることが美しい髪をつくることに繋がります。胃腸を良い状態にするには、冷たいものをとらないこと、味の濃いもの、脂っこいもの、チョコレートなどの甘いもの、唐辛子などの刺激の強いものを沢山摂らないようにすることです。そして、現代人はほとんどの人が栄養過多、食べ過ぎの傾向があるので、調子が悪いと感じたら、朝ごはんを減らしてみることです。夜ご飯を食べた後から次の日のお昼前まで、最低でも14~5時間胃腸を休ませることが大切です。それでも調子が悪く、食欲が戻らなければ、お昼も食べないか、温かいスープやお粥など胃腸負担の軽いものを選ぶようにしましょう。


growing_my_natural_color_3 / Idhren

髪の健康はただ、髪によいといわれる食材をとるだけではなく、よい食事をして、良く寝て、適度に運動して、ストレス発散を心がけることが大切です。身体に十分な血が足りていないと、美しい髪は作られません。大量に血を消費する妊娠出産授乳の後、白髪が多くなった、抜け毛が多くなった、艶が無くなったというのはそういうためです。さらに妊娠出産では精も同じく大量に消費されます。美しい髪を保ち、若々しくあるためには、血や精を補うことがとっても大切です。大量に消費された場合は、不調に合わせた漢方薬を使うことで、血を補ったり、胃腸状態を改善したり、精を補ったりして、髪の健康を保つこともできます。特に月経で月に一度「血」を失っている女性や、産前産後はしっかりと血を補うことが大切です。
 


/ rch850

 美しい髪の毛を保つには、食べるものを見直すこと、早く寝ること、適度に運動することが大切です。血流が悪い、血の質がわるい状態では、良い髪はつくられません。血が足りず、乾燥気味で、腎のエネルギーも足りなければ、髪は弱く、生えてもスグ抜けてしまいまし、そのうち生えなくなります。髪は1日に0.3mmしか伸びません。髪は食べたものから作られます。良い食べ物が良い髪に繋がります。美しい髪を保つには、1に食事、2に睡眠、そして3に運動です。健康であることが美しくある事なんです。
 

2014/04/05

低カロリー、高たんぱくでデトックスにもストレスにも良い「たけのこ」のお話

雨後の竹の子とは、雨のあとはぞくぞくとタケノコが生えることから、似たようなものが次々に現れるという表現ですが、中国には「雨後春筍」と言う言葉があり、春の雨は一夜にしてタケノコを育てるという意味で、春は美味しいタケノコが出回るシーズンです。タケノコ、あんなにおいしいのに、食用としているのは日本と中国だけだそうです。世界中には食べられていないタケノコがたくさんあるんですね。収穫したそばからあくが強まってしまうので、食べられないと考えたのでしょうかね。
今日はそんな「タケノコ」のお話をしてみたいと思います。

タケノコの栄養

タケノコのあの独特な味わいは、アミノ酸の一種、チロシンによるもの。タケノコを煮ると出てくるあの白い物体がチロシンです。納豆の表面の白いのもチロシンです。チロシンには、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質に作用し、ストレス状況下での気分の改善や認識の改善などを促してくれるという報告があります。
タケノコはとってもヘルシーな低カロリー食品で、尚且つタンパク質を多く含み、ダイエットにはおすすめの食材です。さらに、食物繊維の量は野菜のなかでもトップクラスで、食物繊維が多いイメージの蓮根よりも多く含まれています便秘でお困りの人や、コレステロール過多の人にはもってこいの食材です。食物繊維は、腸の中の老廃物や発がん性物質、前出のコレステロールなどの有害物質を吸着し、排出してくれるので、健康な体作りには欠かせない成分です。
さらにタケノコには、カリウムも多く含まれているので、体内の過剰な塩分の排泄にも一役買ってくれ、高血圧の予防やむくみにも有効です。


たけのこお! / adelie33_Asako

 

中医学から見るタケノコ

タケノコの性質は微寒またはで、味は甘で微苦。痰を除き、気の巡りを改善して、体内にこもった余分な熱をとり、イライラを鎮めます。春は陽気が高まり、イライラしたり、熱がこもって目が赤くなったり、肌や喉、口などに炎症を起こしたり、気の巡りが悪くなり、お腹が張ったりしやすい季節。そんな症状に悩まされているときにはタケノコはおススメの食材です。春は冬にため込んだものを排泄する季節なので、食物繊維豊富でデトックス効果の高いタケノコはそういった面でも適しているといえます。
ただ、寒性で、食物繊維が多いので、胃腸機能が弱っている方、下痢・軟便気味の方、高齢の方、小児や、冷えのあるかたなどには不向きなので、食べても少量にしておきましょう。さらに妊婦は、大量に摂るとタケノコに含まれる渋み成分が胎児に影響を与えてしまう可能性があるので、こちらも控えめにしておきましょう。
 

 

美味しいタケノコを選ぶには

タケノコはとられてから時間がたつごとに急速においしさが低下します。タケノコは鮮度が命です。切り口が瑞々しいものを選ぶようにしましょう。茶色くなっているものは時間がたっています。穂先が緑色になっているものは、地上に出てきてしまっていたものなので、えぐみも強くなっています。穂先がまだ黄色いものを選びましょう。見た目よりもずっしりと思いもののほうが水分が含まれ瑞々しく美味しいタケノコで、根もとのぶつぶつが小さいものは柔らかいです。
 


初タケノコ/フキノトウ / wasabinouta

春の雨は地面を割り、タケノコの芽吹きを助けます。タケノコは余分な熱をとり炎症を抑え、便を良くして、尿を出してくれます。これまた解毒の季節の春にはぴったりの食材。熱を抑える力があり、陽気が暴れやすくなる春には是非食べたい食材ですね。春は陽気が高まり熱がこもりやすくなる季節。さらに様々な環境の変化が訪れる時でもあり、ストレスがたまりやすく、お肌も荒れやすい時期ともいえます。そんなとき、タケノコは、熱をとり去り、溜まった毒素を排泄して、春のトラブルを鎮めてくれます。食物繊維が豊富で、低カロリーで、高たんぱくなので、ダイエットにもぴったりですし、生活習慣病の予防にはとってもおすすめです。独特の風味で、古くから日本の食文化の中に根付いてきた春を代表する食材ですので、是非ご賞味くださいね。

2014/04/04

桜はきれいなだけじゃない。桜にまつわるお話のブログ

こんにちは。店長の櫻井です。桜、きれいですよね。当店の近くのミッドタウンの横のさくら通りも満開で今が見ごろです。木に花だけってなんかやっぱりきれいですよね。桜は染めに使われたり、生薬としても使われたり、桜と日本文化とは長く、そして深いつながりがあります。今日はそんな桜にまつわるお話を少し。

 

国花ではないが・・・

日本人は本当に桜が大好きですね。桜は昔から和を表すモチーフとして使われ、今でも日本を代表する花としてそのデザインがたくさんの場所で使われているのを目にします。100円玉の裏や、警察官の徽章にも桜のデザインがあしらわれています。一気に咲いてさっと散る、そのはかなさや潔さなんていうのも、日本人の美学に合うんでしょうね。江戸時代には武士道のたとえとしても使われていたようです。

 

いくつ知ってる?桜の種類

公益財団法人日本花の会によると、桜は2月から種類によっては5月頃まで咲くものがあるそうです。昔から咲き方や花びらの数や色など様々な品種改良がされ、花の形も、一重、半八重、八重、菊咲などのものが作り出されていて、なんと現在登録されているもので、380種もあるそうです。桜と言えばソメイヨシノや八重桜ぐらいしか知らない私はそれだけでびっくりです。八重桜っていうのは、品種ではなく咲きかたっていうことも今の今まで知りませんでした。

 

道明寺?長命寺??

桜、勿論お花も大好きですが、甘いもの好きの私はやっぱり「桜餅」が外せません。関西生まれの私にとって桜餅とは、″道明寺″のこと。道明寺とは、大阪の藤井寺市にある道明寺というお寺で作られていた、蒸したもち米を乾かして荒く砕いた保存食の事をさすそうです。これを使って和菓子が桜餅、または道明寺と言われているそうです。もう一つ、関東で桜餅と言えば、小麦粉に上新粉などを混ぜたもので餡をクレープ状に包んだものもあります。こちらは関東風(江戸風)の桜餅で″長命寺″とも呼ばれています。関西では道明寺粉を使ったものが一般的で、長命寺は目にすることはなかったように記憶しています。どちらも、塩漬けにした桜の葉っぱで包むという点は同じですね。


桜餅♪ / hm7hm7

抗酸化作用のある桜の葉

桜の葉で包むのは、桜の葉の防腐効果を狙ったためだと思いますが、塩漬けにされた桜の葉には何とも言えない風味がありますね。でも生の桜の葉の臭いを嗅いでもあの香りはしないんです。あれは、長い間塩漬けにする間に生まれる「クマリン」というなんともかわいい香り成分のせいだそうです。クマリンは乾燥させたり、砕いたり、塩漬けにすることで生まれるそうです。クマリンは抗酸化物質のポリフェノールに分類されている香り成分で、抗菌作用、抗血液凝固などが知られていて、血栓防止薬として利用されています。この抗菌作用のあるクマリンで桜餅は守らているんですね。
塩漬けにされた桜の葉を食べないという人もいますが、もったいないですね。老化を防止してくれる抗酸化物質はいくらとっても足りないぐらいですから。

 

桜の樹皮の漢方薬「桜皮」とは?

中医学ではあまり使われることは少ないですが、桜の皮は「桜皮(おうひ)」と呼ばれる解毒や咳止めなどに使われる漢方生薬の一つです。湿疹や肌の炎症に対する外用薬としても使われているようです。市販の咳止めにも桜皮抽出エキスが使われています。

サクランボと桜

桜の実は、みなさんご存知サクランボです。厳密には桜の一種の、桜桃(おうとう)と呼ばれる種類のもので、観賞用の桜とサクランボがなる桜は種類が違うので、花がきれいな桜を植えてもサクランボはとれませんし、サクランボの種を植えても、きれいな桜はみられません。

 

リラックスアロマ効果も

桜の香りには、リラックス効果もあるそうですよ。もし手に入れば桜の花びらを浮かべた桜風呂なんても粋で、素敵すね。桜の花を浮かべた桜茶や、焼酎に八重桜を付けた桜酒なんてもいうのもあるそうですので、是非お試しください。

桜は、美しく咲き誇って、潔く散る。そんな瞬間の美。たまゆらの美とでも言いましょうか。そんな美しさに魅了されます。そして桜は散り方も美しいですね。そんな生き方、できたらいいですね~

2014/04/03

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