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むくみ、疲れ、便秘には「小豆」。

こんにちは、櫻井です。毎月1日はあずきの日だそうです。
※【あずきの日】(毎月1日)
「古事記」の穀物起源神話にも書かれているほど古くから食べられていたあずき。
毎月1日と15日には小豆ご飯を食べる習慣もあったあずき。
利尿作用、便通、乳の出にも効果的とされるあずきを食べて健康になってもらえたらと、
あずきの製品を扱う井村屋製菓株式会社が制定。
日付は毎月1日にあずきを食す習慣を広めたいとの願いから。 (http://ameblo.jp/163cm55kg/より)
 
実は小豆(あずき)は、漢方薬としても使われるほどのパワーを持った食品です。小豆は餡子意外の形で食べることって少ないですが、実は大豆をもしのぐ力を持った健康食品なんですよ。


大納言小豆(升入り) / tamba2010

小豆は、中医学では、赤小豆(せきしょうず)と言われる生薬です。性味は平性で、甘、酸。強い利尿作用と解毒作用をもち、むくみの解消に昔から使われてきました。唐の時代に書かれた『食療本草』という書物に、鯉と一緒に煮こむ赤小豆鯉魚湯(せきしょうずりぎょとう)という薬膳が登場します。作り方は、えらと内臓をとった鯉を小豆とお酢と水で煮込むというシンプルなもの。精がつき、余分な水分を排泄してくれます。病中の体力低下や腹水の改善の力があるといわれるスープです。鯉は食べて、小豆が入ったスープもしっかりと飲みます。
同じく利尿作用がある豆には、緑豆がありますが、あちらは涼性で、余分な熱をとる力があるのですが、冬場など寒い季節には、寒熱の偏りのない平性の小豆が向いています。小豆の形を良く見ると腎臓の形に良く似ています。中医学ではこんなことからも「豆は腎臓みたいな形をしているから腎臓の働きと関係がある」と考えるわけです。実際、利尿作用を持ち合わせているのが、中医学のすごいところです。


お汁粉 / sota-k

 
小豆は炭水化物の他、良質の植物性たんぱく質やミネラルが含まれつつも、脂肪はすくないという薬膳には欠かせない食品です。そのほか、ビタミンA、ビタミンB1、B2、そして抗酸化作用を持つポリフェノールやアントシアニン、ビタミンCがたっぷりでお肌にも良く、コレステロールを低下させ、血液さらさらにしてくれるサポニンが多く含まれる栄養食品です。その他、血圧降下、疲労回復、便秘改善の改善にも役立つとされています。小豆の色素の一つ、アントシアニンには、効酸化作用があり、筋肉の疲労を抑制する効果があるといわれています。ビタミンB1やB2は体内ででんぷんや脂肪を分解して、カロリーに換えるために必要な栄養素です。B1やB2が不足するとエネルギーが足りずだるさを感じたり、疲れやすくなったりします。
小豆を是非食べていただきたいのが、妊婦の方。たっぷりと含まれる食物繊維が便秘を改善し、利尿作用がむくみを改善します。さらにお乳の分泌を促進する力もあると言われています。
一つ注意点があります。小豆のもつ様々なチカラを期待する場合は、お砂糖は使ってはいけません!むくみならほんのり塩あじの「煮小豆」で食べるようにしてください。
 


小豆ごはん【大納言】#dinner / is_kyoto_jp

 
小豆が日本で食用にされてきた歴史はとても古く、なんと縄文遺跡からも発掘されてるほか、「古事記」にも記述があるそうです。十勝の大納言が有名ですが、実は寒さに弱い品種だそうで、収穫高は非常に天候に左右されやすく、投機の世界では「素人は絹と小豆には手を出すな」とまで言われていたそうです。赤いダイヤと言われる所以ですね。
小豆は、利尿作用が高く、便秘を改善してくれて、お肌にもよくて、元気にしてくれる食材です。まだまだ寒い日が続きそうなので、お砂糖少な目のお汁粉やぜんざいはいかがでしょうか。
 
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2014/02/01

春節:春へ向けての養生

新年好!在新的一年里也请多多关照!愿新的一年有新气象!

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年も良い年でありますように。


Grrr [Yokohama China Town] / d’n’c

今日は旧暦のお正月、春節です。

中国では暦通りの新年ではなく、旧暦のこの春節を祝います。中国のお正月は日本の厳かな静かなものとは違い、爆竹が鳴り響きとても賑やかなものです。これは日本の豆まきと同じ意味合いで、鬼を祓うためと言われています。日本では年越しにお蕎麦を食べますが、中国では餃子を食べるところもあるようです。この餃子は、天に一年の報告に行っていた竈(かまど)の神様が帰ってくる日である春節に、神様を迎えるためのお供えものとして造られます。餃子には新と旧が入れ替わる「更歳交子」という意味もあるそうです。


A street Scene of Beijing / INABA Tomoaki

春節は一年の始まりで、文字通り春の訪れを祝う儀式です。春節を過ぎると次は立春。外はまだまだ寒く、冬まっただ中ですが、暦の上ではこれから春が始まります。中国古来の哲学である、「陰陽学」では、冬は陰が極まる季節。陰とは静と動でいうと静。春からは徐々に陽気が高まり、陰から陽に転化していく季節です。陽は活動のエネルギーなので、植物は芽を出し、動物は動き出します。自然の一部である人間も陽気を取り込み、活動的になっていきます。
しかし、まだまだ寒さもたくさん残っています。今日の様に不意に暖かくなったかと思えば、次の日は一気に真冬日に戻ったりします。そうなると、体の調節が追い付かず、体と自然をつないでいる穴(腠理・そうり:一般的には毛穴のことと捉えられています)の開閉のコントロールがうまくいかなくなり、取り込んだり、発散したりさせないといけない陽気が体内に閉じ込められてしまいます。陽気は活動のエネルギーなので、体内に閉じ込めるのは良いのではないか?と思ってしまいますが、陽気とは常に動き、巡るもので、一か所に閉じ込めておくものではありません。
閉じ込めてしまうと、陽気が強くなり、熱を帯びるようになり、喉が痛い、喉が渇く、咳が止まらない、血圧が高くなる、イライラする、気分が滅入るなどの症状が起きることもあります。熱の鬱積がひどい場合は火を起こします。火が起きると熱は上に向かい、風を起こします。そうなるとフラフラとめまいがしたりするようにもなります。そうならないためにも陽気はうまく発散させることが大切です。そんな時は、少し汗ばむ程度の運動をするか、足湯などをして少しだけ汗をかくのも良いですね。余りやりすぎると潤いを消耗してしまうので、ほどほどにしましょう。


Rose, Harunomai, バラ, 春の舞, / T.Kiya

春は、春一番という言葉からもわかる通り、風の季節です。外に吹く風は身体にも影響を及ぼします。この時期のイライラ、不安、頭に血が上りやすい、めまい、肌トラブル、出ては消える痛みなどというのは、この風の影響によるものといえます。風の3大特徴は、「突然起こる」、「体の上の方に症状が現れやすい」、「変化しやすい」の3つ。先ほどのめまい、イライラ、血が上りやすい、皮膚トラブル、出ては消える痛みなどというのもこの特徴に当てはまりますね。
風の影響を受けやすい臓腑は「肝」。肝は感情では「怒」とつながりがありますので、これまたイライラ、カーッとなるといった症状が出やすくなる季節というのを裏付けます。中医学での「肝」は西洋医学で考える肝臓としての機能、解毒や血や糖の貯蔵の他、自律神経の調整もしています。春はこの肝が影響を受けやすい季節なので、ストレスなどによる自律神経のアンバランスを引き起こしやすい季節です。
そんな春の養生法は、香りのよい食材を取り入れて、気をしっかり巡らせ肝の状態を良くすること。みかんの皮を干すだけで作れる陳皮もおすすめですよ。その他、アサリ、シジミ、百合根、レバー、発芽玄米、ミント茶、ラベンダー茶、ジャスミン茶なども良いでしょう。春のお花を部屋に飾るのもよいですね。
もう一つ、陽気が強まってくるときには、あらかじめ陰を補っておくことも大切です。「秋冬養陰」というのは、この季節の養生の基本です。陰とは身体にとっての潤いのことです。陰を補う食材は、豚肉、カモ肉、鶏肉、すっぽん、ハマグリ、アワビ、黒豆、豆乳、豆腐、レンコン、キュウリ、トマト、百合根、胡麻、白きくらげ、レモン、メロン、ミント茶、緑茶などです。
 


千鳥ヶ淵の春 / slash__

小さな自然である人間は、大きな自然の影響を受け、四季が変化するように、刻一刻と変化し続けています。万物は常に流転しており、変わらないものなどありません。そして、変わることで変化に適応できているのです。新しい一年の始まりです。今年も変化に備え、健康な体を維持しましょう!
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2014/01/31

美容や健康に侮れない「味噌」パワー

毎月30日は「みその日」だそうです。私たち日本人の年間の味噌の消費量は年々減っているそうです。とっても体に良いのに、何とももったいない話ですし、ちょっと悲しいです。ということで、今日はもっと味噌の良さを知ってもらおうというお話を。味噌って調べてみると、めちゃくちゃすごいんです。皆さんもこのブログを読み終わる頃には、きっと味噌汁が飲みたくなっていると思いますよ。


正しい味噌汁 #dinner / is_kyoto_jp

 
昔から、味噌は「味噌の医者殺し」や、「医者に金を払うより、みそ屋に払え」という言葉もあるぐらい、健康に良い食べ物として認知されてきました。

日本での味噌の歴史はとても古く、原型となるものは弥生時代には有ったという説もあります。奈良時代に入り麹発酵の技術が伝わると、現在私たちが目にする味噌に近いものが出来上がります。赤みそと白みその違いは、発酵時間による違いだそうです。白みそは発酵時間が短いので、塩分濃度は低め、発酵時間の長い赤みそはコクがあり、塩分濃度が高めです。


赤味噌 試食用(大のや醸造) / kawanet

味噌のちから

味噌の原料は大豆です。大豆は、「納豆のお話」でも書いた通り、タンパク質、各種ビタミン、食物繊維、コレステロール低下や動脈硬化予防によいレシチン、サポニンなどの栄養素ををたっぷり含んでおり、脳卒中の予防にも役立ちます。大豆を蒸したり煮たりしたものに麹や塩を加えて発酵させたものが味噌です。味噌のような発酵食品には、「植物性乳酸菌」が含まれており、腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスを整え、腸内環境を良くする働きがあります。
 

 

ガンも防ぐ「毎日の味噌汁」

国立がんセンターの研究によると、毎日味噌汁を飲む人は、飲まない人にくらべて胃がんになる確率が50%も低下するそうです。さらに、厚生労働省による調査では、味噌汁を1日1杯以上飲む人は、それ以下の人に比べ26%~40%も乳がんの発生率が少ない事がわかったそうです。これは大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモンの働きを邪魔することで、乳がんの発生を抑えたのではないかと考えられています。おなじ大豆製品の豆腐や納豆よりも、発酵させた味噌の効果が高いという実験結果も出ています。さらに女性にとってうれしいのは、味噌には、美肌効果がある遊離リノール酸が含まれていて、メラニン色素の合成を抑制してシミやそばかすを予防してくれます。
味噌には強力な抗酸化作用があることもわかっています。体内に酸化物質が増えると老化が進むことは知られていますが、味噌はそれも抑えてくれますし、骨にカルシウムを沈着させて骨粗しょう症の予防にとても重要なビタミンKも多く含むので、味噌は老化対策には欠かせません。
昔から、たばこで歯についたヤニをきれいにするにも味噌汁が良いと言われて来ました。喉や粘膜を強くするビタミンB群も含まれており、たばこを吸う人にも是非味噌汁を飲んでいただきたいですね。
 

みそを入れたら沸騰させない

味噌に含まれる乳酸菌や酵素は加熱すると弱まってしまいます。加熱時間は短くし、できれば味噌は生で食べるのが一番効果的です。味噌を買う場合は、裏の成分表示に注意してみてください。大豆、麹、塩以外の原料を含んでいるものは、酵素や乳酸菌の力が失われてしまっている可能性があります。購入時は「純」や「純正」の文字が入った、無添加のものを選ぶと良いでしょう。自家製で作れればもっと良いですね。

 

自家製味噌(10/10) / is_kyoto_jp

塩分の摂りすぎに注意

味噌汁を毎日摂るとなると、気になるのは塩分ですね。味噌汁1杯に含まれる塩分量は約1.5~2gと言われています。健康な人の一日の塩分摂取目安量は10g以下とされているので、毎食味噌汁を飲んでいると味噌汁だけで塩分過多になってしまう可能性もあります。そんなときは、昆布など塩分を排泄してくれるカリウムの多い食材を具に入れたり、緑黄色野菜を一緒に食べるようにしましょう。

 

 

味噌を中医学的にみると

涼性でイライラやのぼせを抑えてくれます。余分な水分を排泄してくれるため、むくみに効果的です。味は鹹味で、和らげ潤すという働きがあります。がんになりにくくなるというのは、中医学から見てもその効果を裏付けます。その他、便秘がちな方にもおすすめです。
 


焼き味噌 / klipsch_soundman

 
味噌はそのまま食べても、食材に塗っても、煮ても焼いてもおいしいです。いろんな料理に挑戦してみてください。個人的にこの時期是非試してみたいのが、万能調味料として注目を集めている「はちみつ味噌」です。基本はただ混ぜるだけ。少し鍋で加熱するとよりまろやかになります。お酒を入れても良いですね。野菜スティックにつけて食べるのもよし、肉や野菜につけて焼いてもおいしいですよ。
 


はちみつ味噌に漬け込んだ豚さん! at 文房具カフェ http://miil.me/p/1l4ga / JaggyBoss

 
小さいころ、実家では当たり前のように毎日飲んでいた味噌汁も、1人暮らしをするようになって、たまにインスタントで飲むものになってしまいました。アメリカに渡った初めのころ、日本から来た友人が持ってきてくれたインスタントみそ汁に感動したものでした。結婚してからはずいぶんと飲む機会も増え、たっぷり野菜の入った食べる味噌汁になりました。味噌汁を飲んだ次の日は確かに便通がよい気がしますし、野菜たっぷりの味噌汁は身体が喜んでいる気がします。骨にも良くって、胃腸にもよくって、お肌にも良いし、血管を元気に保ち、老化防止に役立つと、いいことづくめな味噌です。
体質を変えるために、運動をしてみたり、サプリを飲んだりしがちですが、まずは私たちの体を作っている「食」から見直してみることが一番大切です。和食の良さ、味噌の素晴らしさをもう一度考え、病気に嫌われるからだづくりを目指しましょう。
 
 
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2014/01/30

やっぱり大切。

こんにちは。
昨夜、何気なく観ていたテレビ番組深イイ話の中で”ガムエステダイエット”というものを考案した歯科医が
「歯ぐきの中には、たくさん毛細血管が通っているから、
血行を良くしてあげれば歯周病や虫歯が予防できるんじゃないかしら…」
と思い、親しい患者さんにお願いし、マッサージをさせてもらうと。
数日後… 歯ぐきのマッサージを続けた患者たちに小顔や肩こり解消の変化が。
歯ぐきのマッサージをすることによって、血行が促進されリンパの流れが良くなるんです。そうする事によって、小顔だけでなく肩こり改善やむくみ解消などの効果も期待できるんです。」-深イイ話のホームページを引用-
といった内容の話をして実際にマッサージの仕方を実践してくれていました。
日頃から中医学に触れていると血流を滞らせないということは、すごく意味のあることだと感じていましたが、改めて健康を保つために血流を良くしておくことは身体にとってとても必要なんだなと思いました。冷えや肩こりだけでなく、先生が話されていたように歯周病や虫歯などの病にも関わってくる場合もあるので、身体を動かしたり、マッサージしたり、漢方を飲んだりや食べ物に気を付けたり、身体の中からも外からでも血流対策は大切ですね。
”小顔”のフレーズに惹かれた私は昨日から、歯茎のマッサージをやってみています。
田宮

2014/01/28

発症する人/しない人 『五行草』のお話

こんにちは。店長の櫻井です。ノロウィルスの感染者が続出しておりますね。しかもその殆どが仕出しや給食などによるものとあっちゃあ、これはもう防ぎようがないように感じられます。しかし、みんな同じものを食べたはずなのに、症状を発症する人もいれば、そうでない人もいたはずです。これはどういうことでしょうか。
同じ環境に置かれても、同じウィルスに侵されても、症状が発症する人とそうでない人がいます。簡単に言ってしまうと「体力の差」なんですが、ではその「体力」とはどういうことでしょう。
ウィルスや病原菌が体内に入ってくるのは主に、口や鼻など、外とつながっている場所から体内に侵入してきます。インフルエンザやカゼ、ノロウィルスなどの「ウィルス」は主に、口や鼻、喉などの粘膜、消化管の粘膜を通して人体に侵入してきます。感染者のくしゃみや鼻水、吐しゃ物・便などから空気中に散布されたウィルスが体内に侵入するもの。飛沫感染・空気感染というやつです。その他、ウィルスに侵された飲食物を食べることによる食中毒などもあります。
インフルエンザ等は主に鼻やのどなど呼吸器系の粘膜から体内に侵入し、ノロウィルスは主に消化器系(十二指腸)の粘膜から侵入すると言われていますが、ウィルスは少量でも空気から呼吸などで体内に侵入し、集団感染を引き起こすので厄介です。体には免疫と呼ばれるこれらのウィルスなどを駆逐する機能が備わっています。ここでいう『体力の有り無し』とは、まさにこの『免疫力の強弱』といえます。
 

発症する人しない人

では、どうすれば症状の『発症しない人』になれるのかを中医学的に考えていきたいと思います。「体力の有り無し」を中医学で言い換えると、「気が充実しているか否か」ということになります。中医学の古典『黄帝内経』には、「正気、内に存せば、邪、侵すことあたわず」という言葉があります。これは、「正気が充実していれば、邪気に侵されることはない」という意味です。『正気』とは身体を動かすためのエネルギーのことで、『邪気』とは身体に悪影響を与え、病菌のものになるエネルギーのことです。つまり、正気が十分に体を満たしておれば病気にならないというわけで、正気には、西洋医学でいう「免疫」という意味合いが含まれています
 

正気を充実させる

中医学で正気は、呼吸によって取り込んだきれいな空気と、新鮮な栄養たっぷりの食べ物を食べるから生まれます。この二つを管轄する『肺』(呼吸器系)と『脾胃』(消化器系)が元気であることも、正気を充実させる条件です。よって中医学で「体力をつける」というのは、肺や脾胃を健康な状態に保ち、綺麗な空気を吸って、栄養バランスの取れた食事をすることが基本になります。たばこを沢山吸ったり、ファストフードや加工食品、甘いもの、塩辛いもの、脂っこいもの、冷たいものなどを沢山摂っていると、体力が落ちる原因を自ら作り出してしまうことになります。もちろん、十分な休息をとってこその体力ですので、質の良い睡眠もとても大切です。正気を補うには、長芋、豆類、うなぎ、栗、ネギ、もち米、鶏肉、鶏卵、しいたけ、りんご、えびなどがおすすめです。
 

免疫を助ける漢方のお話

では、同じ中医学でも、今度は薬学の面から考えていきましょう。今度は免疫を助ける漢方のお話です。
体をウィルスなどの邪気から護るためには様々なアプローチが考えられます。胃腸系が弱い方には、胃腸を強めつつエネルギーを補える漢方薬を。呼吸器系が弱い人には、呼吸器系を強化しつつ、エネルギーを補える漢方薬を。そして、体内に入ってきたウィルスを直接撃退する力を持つ生薬を摂ることも、その一つです。ここでは、そんなウィルスを撃退する力を持つ生薬「五行草(ごぎょうそう)」を紹介します。
 

 

五行草・馬歯莧・スベリヒユ

五行草の名前の由来は、葉が緑で茎が赤色、鼻が黄色で、根が白、そして種が黒と、五行説のそれぞれの色をもっているで、『五行草』と呼ばれいます。生薬名は「馬歯莧(ばしけん)」と呼ばれています。馬歯莧とは葉が馬の葉の形の様だからだそうです。日本では、ゆでると独特のぬめりがでることから、「スベリヒユ」と呼ばれ、あぜ道や畑など日当たりのよいところに生える雑草の一つで、抜いても抜いても生えてきて、とても生命力が強く、畑の作物の育成を邪魔するので、嫌われているところもあるようですが、地方によっては食用のために畑作されており、おひたしや和え物にして食べるところもあるそうです。日本では、古くから食用とされてきた歴史があり、平安時代の 「和名抄」という文献にに「ウマヒユ」とうい名で食材として登場しています。 茎を干すと干しぜんまいのようになり、ヨーロッパなどでは、サラダとしても食されているそうです。
 

スベリヒユ(画像wikipedia)

 

下痢・炎症を抑え、抗ウィルスの力もある

五行草は、日本でも昔から民間薬として解熱、解毒、虫刺されに使われてきました。中医学では乾燥した全草を煮出すことでその作用を強め、発熱を伴う細菌性の下痢の特効薬として使われてきたほか、皮膚の炎症、腫れ、痒み、ジュクジュクを改善する薬としても使われています。
五行草は寒性で、炎症や感染による熱をとり去り、腫れや痛みを緩和し、解毒し下痢をとめる力があるとされています。まさに下痢や嘔吐などから身を護るためにぴったりの生薬といえます。そして、昨今の研究から五行草は大腸菌、赤痢菌、黄色ブドウ球菌などに対して、優れた抗細菌作用を持ち、さらに、ウィルスを撃退する力があることが明らかになっています。
 
五行草は、生を絞った液体をそのまま飲んでも良いですし、上記のようにお浸しや和え物にして、日々の食事の一皿として加えるのも良いでしょう。乾燥させた草をそのまま飲んでも良いです。当店では、五行草エキスを飲みやすい粉状にしたものをご用意しております。お湯にさっと溶けて、クセもなく飲みやすいですよ。

 
インフルエンザやノロウィルスから身を護るためには、しっかり睡眠をとり、毎朝窓を開けて、きれいな空気を体内に取り込み、バランスの取れた良い食事を心がけて、体内の正気を充実させることがなによりも大切です。それに加えて、五行草などでしっかり防御することもお忘れなく。
 
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2014/01/27

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売