酷暑と言われたこの夏の余韻を残すことなく、10月後半から急に冷え込んできました。急な気温の変化についていけず、体調を崩している人も多いようで、店頭にも風邪や冷えでご相談にいらっしゃるお客様が増えてきました。本格的な寒さに備え、積極的な中医学的とはどういうものなのでしょうか。今回は「冷えへの備え」、「風邪への備え」、「花粉症への備え」とテーマを3つに分けてお話したいと思います。
【冷えへの備え】
気象庁の発表した最新の予想では、今年は暖冬傾向だった最近10年間の中では、やや寒くなる見込みとのこと。異常気象の一因とされる「ラニャーニャ現象」が発生している事が根拠ということです。では、寒さから身体を守るために中医学的に気をつけるべきポイントはどんなことでしょうか。
中医学では、冷えの原因について、主に「気血」の問題と考えます。気が血を暖め、気が血を動かすので、気と血が体内で暖房の役割を果たしており、血が不足したり滞ったりすると、暖房の効きが悪くなり身体が冷えてしまいます。気血を補い、血流を良くする事が冷えを防ぐ基本的な方法です。
*冷えに良くつかわれる漢方
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)、冠元顆粒(かんげんかりゅう)、衛益顆粒(えいえきかりゅう)など
*経絡の流れを促す「瑞花露ボディケア入浴液」もおすすめです。
「気」を補うのにお薦めの食べ物
山いも類(長いもなど)、ねぎ、牛肉、豆類(大豆、えだまめなど)、うなぎ、栗、山椒・花椒、シナモン、羊肉、えび、かぼちゃ、にんにく、玉ねぎ、らっきょう、にら、くるみ、しょうが、うるち米、もち米、鶏肉、鶏卵、ふな、じねんじょ、ヤマトイモ、じゃがいも、さつまいも、里いも、そら豆、納豆、しいたけ、えのきたけ、りんご、シメジなど。
「血」を補うのにお薦めの食べ物
烏骨鶏、地鶏、牛レバー、いちご、クコの実、黒ゴマ、にんじん、黒米、なまこ、鶏レバー、なつめ、桃、ざくろ、うずら卵、牡蠣、豚レバー、黒豆、あずき、ぶどう、レーズン、プルーン、ブルーベリー、トマト、ほうれん草、小松菜、金針菜(きんしんさい)、豚肉など。
(**赤色は「温性」で身体を暖めてくれるもので、青色は「涼性・寒性」で、身体の余分な熱をとって冷ましてくれるもの。)
上に記載した、気血を補う食べ物には、冬場良く目にする物が多い事に気がついた方もいらっしゃると思います。夏のスイカやトマトなどが身体の熱を取ってくれるように、冬の野菜には潤いを与えてくれるものや、身体を暖めてくれるもの、免疫力UPにつながるものが多いのです。「旬の食材を食べる」事の大事さが良く言われていますが、そういう意味があるんですね。