先日私が書いたブログ、「生薬になる植物を見る旅①」の続きが六本木店のブログにアップされました。
今回のこのブログはその続き。六本木店の経絡人形「すすむ」と「すすむの中の人」(車田さん)と私が冬虫夏草や薬用植物に大変お詳しい貝津先生を訪れたときのレポートです。
第4部目になりますので、今までの経緯をご覧頂いていない方はこちらからどうぞ♪
【第1部】すすむの旅 その1:六本木店ブログ
【第2部】生薬になる植物を見る旅①
【第3部】すすむの旅 その2:六本木店ブログ
昼食に冬虫夏草ラーメンを頂いた私たち。なかなかできない経験で、大興奮でした!
スープには冬虫夏草のエキスもしっかり入っているようで、食べるとなんだか元気になれた気が。(※個人の感想です)
しっかりと腹ごしらえを済ませ、再度山へ。
後半も説明をしていただきながらジャンジャン写真を撮っていきます!
ジャノヒゲ(生薬名:麦門冬・バクモンドウ:塊状根を乾燥したものを使用/潤肺生津・化痰止咳)


このジャノヒゲ、私の祖父母の家に植えてあり、私が小さなころは力が足らなくて全然引き抜けなかったことを思い出しました。なぜ引き抜こうとしていたのかは覚えていないのですが…。
サンザシ(生薬名:山楂子・サンザシ:秋に採取して核を除き、天日干ししたものを使用/消化化積・下痢・破気化瘀・消脹散結)

サンザシは油っぽいものやお肉の消化を助けてくれる生薬。健康食品・「晶三仙」(しょうさんせん)に含まれています。

クワノキ

桑は、使用部位により生薬名が異なります。
葉:桑葉・ソウヨウ/疏散風熱・清肺潤燥止咳・平肝陽・明目
若枝:桑枝・ソウシ/袪風湿・通経絡・利関節・行水退腫
根皮:桑白皮・ソウハクヒ/瀉肺平喘・利水消腫
成熟実:桑椹子・ソウジンシ/滋陰補血・生発烏髪・生津止渇・潤腸通便
ウラジロガシ(生薬名:裏白柏・ウラジロガシ:葉を使用/腎臓結石・尿路結石などに使用)

その名のとおり、葉っぱの裏は白っぽいですね。
腎結石・尿管結石の薬、「ウロカルン」はウラジロガシエキスの製剤です。
カキドオシ(生薬名:連銭草・レンセンソウ:全草を使用/利水通淋・排石止痛・清熱袪湿退黄・清熱消腫)

カラスビシャク(生薬名:半夏・ハンゲ:球状塊茎を使用/和胃止嘔・燥湿袪痰・散結消腫)


大変良く使用される生薬ですが、(例えば、このブログの一番最初にご紹介した麦門冬と一緒に使用した「麦門冬湯」など)有毒のため加工(修治)しなくては使えません。上の写真のひょろっとしたものは花。周りの草と同化して、全く目立っていませんがとても可愛いお花だなあと思います。
ウマブドウ

ウマブドウは生薬というより民間薬として主に東北地方で使用され、
実を酢漬けにして捻挫などに湿布して利用するそうです。
トコロ(生薬名:萆薢・ヒカイ:地下根茎を使用/袪風湿)

アマドコロ(生薬名:玉竹・ギョクチク:根茎を使用/養陰潤燥・除煩止渇)


こちらは、健康食品「百潤露」(ひゃくじゅんろ)に含まれております。

カキノキ(生薬名:柿蒂・シテイ:果実のヘタを使用/降気止嘔)

柿の葉も咳などに用いられますが、柿のヘタを使った柿蒂湯(シテイトウ)はしゃっくりに効果がある処方です。私も時々しゃっくりが止まらなくなるのですが、柿蒂湯を服用すると嘘のように楽になったことがありました。
クマヤナギ

こちらは日本では民間薬として膀胱炎・尿路結石などに使用されます。
ゲンノショウコ

ゲンノショウコもまた有名な日本の民間薬ですね。下痢や腹痛・健胃薬として用いられます。
中国には日本のゲンノショウコはなく、同じフウロソウ科の植物を生薬・老鸛草(ロウカンソウ)として用いるようです。
セキショウブ(生薬名:菖蒲・ショウブ:根茎を使用/芳香開竅・逐痰袪濁)

この菖蒲は、良く見かける花が華やかな花菖蒲とは異なります。薬理作用に芳香開竅とあるように、こちらの菖蒲は香りが特徴で花は目立ちません。
マムシグサ(生薬名:天南星・テンナンショウ:塊茎を使用/燥湿化痰・祛風解痙・解毒消腫)

こちらの植物は有毒のため加工(修治)が必要になります。
見るからに、ちょっと口にするには勇気がいる植物だと思います。
ユキノシタ


中国名は虎耳草(こじそう)として、山菜として食用にされたりするようですが葉を天日乾燥させたものをやけどや湿疹、小児のかんなどに使用します。
以上、駆け足で植物をご紹介いたしました。
実は私はこの日に先生から頂いたカラスビシャクの根を持ち帰りまして、水につけていたら根と芽が出てきました。

向かって左がラーメンに入っていた冬虫夏草(あまりに立派だったのでこれまた持ち帰りました。)
右がカラスビシャク。カラスビシャクはお花が咲けばいいなあとは思いますが、どうなることでしょう。
山を散策した後、私たちは更に先生が関わられた薬草園をご案内いただきました。
そこでも沢山の植物を見てまいりましたので、この続きはまた六本木店の「すすむ」へバトンタッチ!

一生懸命植物を観察する「すすむの中の人」です。