今日は、「人参」に関してのお話を
してみたいと思います。
というのも、当店で毎週開催の太極拳講座の合間に
ミニ講義を行っているのですが、
そこで最近人参に関して勉強したからです。
一般に人参というと食用の人参を思い浮かべる
方が多いのではないでしょうか。
実は、漢方で使用する人参(ウコギ科)と食用の人参(セリ科)は
似て非なるものです。
ウコギ科の人参は朝鮮人参・高麗人参と呼ばれております。
朝鮮人参は、今から1,300年も昔に日本に伝えられて
江戸時代から栽培されるようになりました。
一方、食用人参は明治時代になってから食卓にのぼりだしました。
では、何故同じ人参という名前を使用するのか?
朝鮮人参と根の形が似ていたことからですが、
輸入当時はこれらを区別する為にセリ人参と呼ばれておりました。
しかし、いつしかセリが取れ人参と呼ばれるようになりました。
ちなみに中国では、胡羅葡(コラブ)と呼ばれております。
胡の国から伝わった大根という意味です。
また、セリ人参はカロテンが非常に多く含まれておりますが、
これは英語「キャロット」に由来しているそうです。
このキャロットの原産は、アフガニスタンです。
意外過ぎてビックリしますね。
キャロットを使用する際の注意点ですが、
ビタミンCを酸化する酵素(アスコルビン酸オキシターゼ)を含んでいるため
ビタミンCの吸収を妨げます。
そこで、
この酵素を抑えるための方法としては次の方法があります。
・熱に弱いので茹でたり炒めたりする
・酸に弱いので酸味のものと一緒に摂取する
(お酢や柑橘系の果汁のドレッシングをかけるなど)
・食べる直前に調理する(時間と共に酸化がすすむ)
最後にキャロットの効能ですが
アレルギー抑制作用や抗がん作用が
あると言われております。
次回は、薬用の人参に関して紹介いたします。
みつお。