身近な雑草が薬に早変わり?!
ドクダミと五行草
ドクダミ / ototadana
【民間薬の大様】
昔はどこにでも生えていたドクダミ。最近の子供達は見たこともないかもしれませんね。ドクダミという名前は何かおどろおどろしいですが、特別な臭気があるため何か毒が入っているのではないかとドクダメ(毒溜め)と呼ばれるようになったことが起源だそうです。実際は毒どころか薬として、その効果は折り紙付きです。別名として十薬と呼ばれますが、これは十種の効能があることから名付けられています。
【どくだみの効能】
ドクダミの民間療法的な使い方は本当に多岐に渡ります。有名な膿みやおできの治療から、蓄膿症や腰痛、利尿、便秘に血圧予防まで、十薬の名に恥じない多くの効能が報告されています。庭に生えているドクダミを毎日煎じて飲まされていた、という話もよく聞きますが、これだけ薬効があるとうなずけますね。
さて、中国漢方ではドクダミは熱を冷まし、毒を取り除くために使います。上に挙げた病気は中国漢方の理論では体に熱が貯まって起こる病気ばかりなのです。日本人が受け継いできた伝統的な民間療法ですが、
理論的な中国医学から見ても理にかなった使い方であることに驚かされます。
【五行草・スベリヒユ wikipediaより】
【対して五行草は?】
さて、ドクダミに比べ圧倒的に知名度は低いのですが、「馬歯莧(ばしけん)」という薬草があります。別名スベリヒユといい、こちらも庭先によく生えている雑草です。また、茎が赤く、葉が緑、花が黄色で、根が白、実が黒いことから「五行草」とも呼ばれています。
こちらも薬草としての効果は実証済み。ドクダミと同じように熱を冷まし毒を追いやります。赤痢や急性胃腸炎の妙薬として古くから使われていたようですが、現在でも潰瘍性大腸炎や膀胱炎などにも利用されます。また、皮膚病では内服のみならず外用薬としても使われ、特にジュクジュクしたタイプには効果てきめんです。「天然の抗生物質」との声も名高い「五行草」も是非お忘れなく。