春先は花粉症で目が痒くなったりしますが、花粉症でなくても、春は目にトラブルが起こりやすい季節です。
なぜ春に目のトラブルが増えるのかというと、中医学では、肝に対応する季節は春、その肝の状態が反映される感覚器は目である、からです。
今日は、目に関するご相談例についてお話します。
中医学では、局部に体全体が反映されるという考えがあります。
例えば「足裏マッサージ」は、足の裏を細かい区画に分け、その区画に内臓や五官を割り当てた「反射区」を利用した治療法です。
有名なのは足裏ですが、古典に「五臓六腑の精気は皆上がって目に注ぐ」と書いてあるので、目からも内蔵の状態を読み取ることができます。

この理論での目のバージョンは「五輪学説」といい、目頭目尻の赤いところは五臓の「心」、瞼は「脾」、黒目は「肝」、黒目の中心は「腎」、白目は「肺」の変化を反映するとされています。
例えば瞼がむくんでいたり、眼瞼下垂があったりすると、この方は脾が弱っているかも…と考えるわけです。
五輪学説の理論にこだわらず、眼球とその周囲の異常を「肝」の問題として捉える場合もあります。
五臓の中でもっとも目と関係が深いのは「肝」なので、例えば瞼がピクピクする、ストレスがたまると眼痛が起こる、などは、まず「肝」を考慮してお薬をおすすめすることが多いです。
このように、中医学にはいろいろな理論体系があるので、ひとつの不調に対するアプローチ方法もいろいろあります。
お客様のお話をうかがい、どの理論がお客様の不調の経過を説明するのにぴったりかを考え、お薬をおすすめしております。
なにかお困りの症状がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。