前回は「中医学で考える夏のダイエット」について書きましたので、今回もダイエット関連についてお話しします。
【糖尿病治療薬の使用について】
最近では体重を減らすために、糖尿病治療薬(血糖値を下げる薬)を使用するケースが増えているようです。
ご存じの方も多いとは思いますが、このようなお薬をダイエット目的で使うことは、副作用による健康被害のリスクを増大させる可能性があるため、医療現場でも様々な議論がなされています。
【中医学における「消渇」と糖尿病の類似性】
中医学では糖尿病に似た病名を「消渇」と呼びます。
・消(痩せるという意味)→多食しているにも関わらず、痩せてしまう症状(代謝異常)
・渇(渇きという意味) →口渇(のどの渇き)
これは、現代医学で一般的な糖尿病の三大症状とされる「多飲・多尿・体重減少」に非常によく似ています。
詳しくは漢方百科の記事をご覧ください。
リンクはこちらhttps://www.ikanpo.jp/kanpo/2008/06/27/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%A8%E6%BC%A2%E6%96%B9/
消渇は非常に複雑で、お薬だけではなく運動習慣や食生活の見直しもとても大切です。
【漢方薬とダイエットの関係】
漢方薬は、症状や体質に合わせて選択されるものであり、ダイエットを目的とした薬ではありません。
ただし、便秘やむくみの改善、冷えの解消などを通して、結果的に身体が整い体重が減ることはあります。
また、漢方薬は自然由来の成分が体質や消化機能に合わせて、緩やかに吸収・代謝されるため、副作用が比較的少ないのも特徴です。
【まとめ:健康的な身体づくりを】
本来英語でダイエット(diet)という言葉は、「痩せる」や「減量する」ではなく、「食生活」という意味です。
漢方を正しく服用することは、健康的な食生活への改善の一助にもなりますのでぜひご活用してください。
最後に、体質に合わない場合には不調を引き起こすこともありますので、必ず専門家に相談をしたうえで選択することをおすすめします。
