夏真っ盛りといった気温が続きますが、冷たいものばかり飲食しないでくださいね。
胃腸の冷えは夏バテの原因にもなりますよ。
さてさて、暑いときこそ熱い緑茶! と言われたことありませんか?
「よくおばあちゃんに言われたナァ…」としみじみ思い出してる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
昔、お茶は薬とされていました。
中国最古の薬物書に『神農本草経』というのがあります。
神農は山野を駆け巡り、自らの身体を使って草木の薬効を調べました。
そして毒にあたるたびに、茶の葉を噛んで解毒したといわれています。」
(参考:福岡八女茶 お茶を飲む 健康とのつながり 昔、お茶は薬だった)
日本では江戸時代の前まで、健康飲料のような位置づけだったそうです。
今の時代のように、嗜好品としてお茶を楽しむようになるのは結構最近のことなんですね。
生薬としてお茶をみてみると、
性味:苦・微甘、微寒
帰経:心・肺・肝・腎・脾・胃
効能:祛風・清爽頭目、清熱降火・解暑、解熱毒・止痢、利水
なんと五臓それぞれに入ります。
そして今この時期に一番気になるのが、「解暑」。
中薬学の本*には「傷暑による頭痛・口渇に」とあります。
五臓に染みいる爽やかさ、体内から涼しく。
夏にもってこいですね!
しかし注意事項もあります。
「茶は熱服・少服すべきであり、」おばあちゃんと同じことを言いますね
「冷服すると聚痰畜飲し、」痰やむくみなどの湿の症状が増えるのね…
「過重に飲むと不眠・動悸・悪心・めまい・耳鳴・目がかすむなどの不快な症状をひきおこす。」一部はカフェインの作用ですね
「空腹時に飲むと腎に直入して腰脚・膀胱の冷痛をひきおこし、」そんなに冷やすの?!
「早朝に飲むとさらに腎気を損傷する。」エエエ怖い……
「腎陽虚・脾胃虚寒には禁忌である。」とまで書かれているので、
足腰・おなかが冷え気味の方は、冷たいお茶、お茶の飲み過ぎには気を付けましょう。
ぐるぐるピーなゆるい便になったり、トイレが近くなったりします。
ちなみに麦茶は冷やすほうのお茶なので、キンキンに冷えたのを一気飲みはやめましょうね。
ほっと一息つきたいときに、
ちょっときれいめな茶器に熱いお茶をそそいで、香りを楽しみ、味わいながら、ゆっくり飲む…
なんだか少し優雅な気分になれそうですね!

*[新装版]中医臨床のための中薬学 東洋学術出版