イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 新宿店BLOG

ブログ日記BLOG

韓 笑(かん しょう)先生にインタビューしました

新宿店で月1回、お客様とのご相談にあたられている韓笑先生

知識が豊富で優しく、おしゃべり上手な先生です。

 

Q.先生の経歴を教えてください。どのような経緯で日本に来ましたか?

A.中国の北に位置する遼寧省の中医薬大学で、中医学と西洋医学を学び、卒業後は、中国の総合病院に勤めていました。そこでは、主に胃腸内科や感染症内科で勤務し、中医学よりも西洋医学を使い、患者さんを診ていました。

感染症内科に勤めた経験から、ウイルスや細菌の研究をするために、
2003年に来日し、その後順天堂大学に入りました。


2003年ですか。もう19年も日本にいらっしゃるのですね!

そうなんですよ。
順天堂大学では、細菌学を専門に、
抗生物質の効かない耐性菌について、遺伝子レベルの研究をしていました。

その後は、中医学を専門にして、薬局でお客様の相談を受けたり、中医学を教える塾で講師をしています。
Q.先生の授業はとても分かりやすいです。どのような工夫をされていますか?
A.人に教えるためには、中医学だけではなく、色々な角度から勉強します。
例えば図鑑で花や葉にどのような働きがあるか、三角形という形にどのような特徴があるかを調べたり、薬用植物園へ行き、実際の植物を見に行くこともあります。授業でまとめたことは薬局の相談でも役立ちます。分かりやすく説明するために、資料をお客様への説明に使うこともあります。
教育と臨床、研究を両立できるのが理想です。
Q.薬局でお客様と相談する時に、どのようなことを意識してお話をしますか?
A.日本人は胃腸の弱い方が多いですね。
胃腸が弱いと自律神経が弱くなります。自律神経には、恒常性(内部環境を一定に保とうとする性質)を維持する役割があります。
自律神経が弱いと、恒常性を維持できなくなり、血圧が安定しない、外気の温度や湿度に身体が適応できないということが出てきます。
漢方を信頼してくださり、大量に飲めば、全て解決すると思っている方も結構多いです。しかし漢方の力は1/3で、後は自分で自分の回復能力を高めないといけない。つまり養生しないといけません。
「運動」や「食事」が大切です。

食事は、消化に悪い物を食べないとか、冷たい物を取らないようにするなどご存じだと思うので、ここでは運動のお話をします。
運動で身体を動かすことは大事ですが、一番の目的は“汗をかく”こと。
体温が高くなっているからこそ汗をかきます。汗をかくということは、身体を自然に調整することです。赤ちゃんは寝る前に汗をかきます。大人も同じで、気づきにくいですが、熱を冷まさないと落ち着かないし、途中で起きることになります。

繰り返しになりますが、体温の調節は大事です。

運動することによって体温を調整する自律神経が強くなります。
また運動することで血流も良くなるので、前以上に漢方薬の効き目も良くなります。
昔、「六不治」という言葉がありました。
こういう人は病気が治らない・治しにくいという6つの特徴があげられています。その1つに、「衣食不能适」とあり、衣食住の生活習慣が適切ではない場合、それを改めないと病気を根本的には治療できないということが書かれています。
漢方を飲む時は、養生の意識を高めていきましょう。
もう少し先生のことを教えてください。
Q.日本語の失敗談や困ったことはありますか?
A.局の相談中に、よく顔の似た姉妹がいらっしゃいました。
でも名前が全然違います。本当に姉妹なのか確認したかったので、聞いてみました。
日本語では、丁寧な言い方をする時に単語の前に「お」や「ご」を付ける習慣がありますよね。
なので、「お姉妹ですか?」と聞きました。
そうしたら
「お終いですか」となりました(笑)
他にもあります。
中医学を教えていて、気虚(ききょ)(身体に力のないこと)の話を1時間もしていたのに、終わった後、聴講者には、気胸(ききょう)(空気が抜けて肺が縮んでいる状態)の話として伝わっており、発音が似ている単語のゆえ、話がかみ合わなかったこともあります。
一時(いちじ)や七時(しちじ)などの発音も聞き取り辛いですね。「いいですか?」と聞いて、「いいです」と言われるのですが、OKなのか、NOなのか、分からない。
「そうですね」と言われて、賛成されているのか、反対されているのかが分からないのにも、困りました(笑)
Q.趣味はなんですか?
大学時代はほぼ毎日サッカーをやっていました。
今はフットサルをしています。多いときは週1回やっていますね。
日帰り温泉も好きです。三浦半島の油壺温泉に昔よく行っていました。

 

Q.好きな食べ物は?

スシローが好きです。近所にありまして(笑)
気がついたらすぐそこに行こうかとなります。

中国の方はお寿司などの生ものは得意ではないイメージですが。

そうですね。やはり温かい物は好きですね。

茶碗蒸しとか、炙りものとか。
あと、貝類が好きですね。あったら5,6種類取ります。

貝は補腎(中医学の考え方で、生命のエネルギーが沢山つまったものを補うこと)で、栄養成分もたっぷりだから好きです。

普段の飲み物はコーン茶を飲んでいます。

トウモロコシのひげには利水作用があり、むくみを取りやすく、湿気が多い日にはピッタリです。
先生、楽しいお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

2022/06/16

喉に良い「秋梨膏」のご紹介

こんにちは、山田です。

秋になって、ぐっと気温が下がり乾燥を感じるようになりました。

乾燥した空気は、肌や目など体の表面だけではなく、鼻やのどから入って肺を乾燥させます。

すると、のどの痛みや、咳などが起こりやすくなり、風邪を引きやすい状態に。。乾燥による便秘や肌の痒みも出てきやすくなりますので、こうなる前に養生したいですよね。

 

乾燥を防ぐ、この時期にぴったりの「秋梨膏(あきなしこう)」を作ってみました。

恩師・松江先生が作成された分かりやすい動画を参考に作りましたので、ご興味のある方は下記をご参照ください。

 

【秋梨膏】

肺に潤いを与え、咳を和らげ、体液を促進し、喉の痛みを和らげるペースト状の薬膳。唐王朝から始まり、かつては中国宮廷の秘方とされ、清王朝までは人々の間で広まりませんでした。北京郊外の紅梨を使用して首都で販売されていることから、北京の伝統的な名物となっています。(参照:百度百科

 

【材料】

●梨 6個      :煮ることで体液を生む。生には身体を冷やす作用あり

●羅漢果(らかんか) 2~3個 :肺を潤して咳をとめる。便通を良くする

●棗(なつめ) 50g :身体を温めて、胃を守る

●生姜 5~6片    :身体を温めて、胃を守る

●氷砂糖 100g   :肺を潤し、咳を止める。痰を切る

●蜂蜜 100g    :肺や大腸を潤す

 

 

 

 

 

 

 

【作り方】

①梨を剥いてミキサーにかける。皮も一緒に煮詰めるので取っておく。

 

 

 

 

 

②羅漢果を手で割り、中身を出す。皮も一緒に煮詰めるので取っておく。

 

 

 

 

 

③棗は種を出し、生姜はスライスしたものを用意。

④以上のものと氷砂糖を一緒に鍋に入れて、30分ほど煮込む(蜂蜜は後から)

 

 

 

 

 

 

 

コトコト・・・

 

 

 

 

 

⑤一旦火を止め、ガーゼやこし器を使って、秋梨膏となる液体部分と、煮出した皮の部分等を分けます。

 

 

 

 

 

 

 

⑥蜂蜜を入れながら、再度煮詰めていく。1時間くらい。プルーンのようにとろ~っとなるぐらいまで。

⑦瓶に分けて入れて、完成です!

スプーン1杯をお湯に溶かして、お飲みください(^^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【感想】

正直手間がかかって大変ですが、完成した時の喜びもひとしおです!

秘方だと思うと、一口一口味わって食べてしまいます。

 

【参考】

恩師・松江先生の動画です。宜しければご参照ください。

2021/10/07

手のひらが暑い

皆さんこんにちは、峰村です。
猛暑からは解放され、少し過ごしやすくなって来ました。
今年の夏は暑いかと思ったら急に肌寒くなったり、雨も多いく体調管理が大変でしたね。
夏の暑さに関係なく、手のひらと足の裏が暑くなることがあります。
これは潤い不足による現れで、『陰虚』の症状のひとつと考えられます。
お年頃です、私の場合😂
夏は特に、どっちか分からないなぁと思いながらも、冷たいところを探してペタッとくっつけてみたりして💦
体温を下げるために、手のひらを冷やすという方法があります。
これは手のひらにある、AVA血管という体内の動脈と静脈を繋ぐ太い血管を冷やすことで、深部体温を早く下げることができるそうで、熱中症予防などで紹介されています。
このAVA血管の走っている場所を見てみると、なんと、手のひらと足の裏、そして顔。
中医学でいう、陰虚症の【五心煩熱】(手のひら・足の裏・顔・心に熱を感じる)とほぼ一致してる‼️
身体の深部に熱がこもると、手のひらや足の裏などに熱が現れる(感じる)ということですよね。つまり私達は、そこに暑さを感じるようになったら、身体の深部に熱がこもっていると知ることが出来るという事です。
中医学は5千年も前から発展し、脈々と受け継がれてきた中国の伝統医学。科学というものがまだなかった時代から使われていた理論の答え合わせがまた一つ出来ました!
すごい‼️
あ、大事なことを言い忘れました!陰虚の場合の熱は、手のひらを冷やしても治りませんよ。これは陰(潤い)の不足によって熱が上がっているから。
身体のバランスを診るのが中医学。潤い不足はもちろん、過剰でもバランスよく健康な状態とはいきません。身体にとっては、エネルギー(陽)と潤い(陰)は両方がバランスよく必要です。私は、潤いを補う漢方薬(補陰薬)を毎日使うようになって、今は気になることはなくなりました!
自分の身体の体質を知り、早めに調整することで、毎日を楽しく元気に過ごしていきましょう!
漢方薬は助けてくれる

2021/08/31

【相撲と陰陽五行説】

暑くなりましたね。

東京オリンピックも盛り上がっていて、スポーツの楽しさを改めて感じます。

先日、大相撲の名古屋場所が終わりました。相撲は今でこそスポーツとして親しまれていますが、起源は古く、その勝敗によって、五穀豊穣や天下の事象を占う神事の側面をもっています。
相撲には、いたるところに中国古代哲学の「陰陽説」や「五行説」が用いられています。
「陰陽説」とは、全ての事柄は陰と陽からなり、それらがお互いに影響し合いながら、調和し合って万物を生成し発展していくという思想です。
「五行説」とは、宇宙の一切の万物は木・火・土・金・水の5つの気(五行)によってできているという思想です。例えば季節を五行で表すと、春=・夏=・長夏=・秋=冬=となり、色では青・赤・黄・白・黒が、方角では東・南・中央・西・北がこれに相当します。
土俵の上には、吊り屋根が吊り下げられています。東には青色(緑色)の房、南には赤色の房、西には白色の房、北には黒色の房が下げられています。これは五行説と対応しており、中央は土俵の土の色の黄色と対応しています。
土俵は四角い形に土が盛られており、その内側が勝負俵で円形になっています。大地を表す四角形は「陰」を表し、円形は「陽」を表しています。これは天は円く、地は方形であるという古代中国の宇宙観を表した形になっています。
行司が握る軍配には、日と月が描かれていることがありますが、日は「陽」、月は「陰」の象徴で、宇宙の陰陽を表しています。
「ハッケヨイ ノコッタ」の掛け声の「ハッケ」は、易の「八卦」のことで、宇宙の森羅万象、八卦の全てがうまくいきますようにという天下泰平を祈願した掛け声と言われています。
横綱は、横綱だけが腰に締めることを許されている白麻製の綱をその身体に張るように、神を宿す聖なる存在です。四股を踏むということは土地の邪気を払い、土地を清める意味を持ちます。

この他にも、陰陽五行説はいたるところに用いられており、調べていくととても面白いです。

同じ陰陽五行説をベースにしている中医学と共通点を感じます。

 

【参考文献】長田なお「陰陽五行でわかる日本のならわし」 淡交社

2021/07/31

【七夕と五行説】

こんにちは山田です。

もうすぐ七夕ですね。今年はスタッフ総出で、七夕飾りを作りました。

 

七夕は五節句()の1つです。

七夕といえば、中国から伝わった織女と牽牛の星合伝説が有名ですが、元々は、裁縫の仕事をする織女の技芸上達を願う「乞巧奠(きっこうでん)」の習わしでした。

 

日本にも古くから「棚機津女(たなばたつめ)」の伝説があります。棚機津女とは、この時期に訪れる神霊のために衣を織る聖なる乙女で、旧暦の7月6日から7日にかけて、水辺の小屋に篭って衣を織り、 訪れた神が災難を持ち帰るといわれています。

 

「五色の短冊〜わたしが書いた〜♪」という歌にも出てくるように、飾る短冊には青(緑)、赤、黄、白、黒(紫) の5つの色があり、これらは古代中国の哲学思想(五行学説)に基づいています。そしてこれら色は、五徳【仁・礼・信・義・智】に対応しているとされています。

(緑)=仁→他人のために尽くす

=礼→周りの人に感謝をし礼を尽くす

=信→信望を得る

☆白=義→約束を守る、誠実に生きる

★黒(紫)=智→学習を続け、知識や知恵を得る

今年の七夕は色を意識しながら、願い事をしてみてはいかがでしょうか?

【参考文献】長田なお「陰陽五行でわかる日本のならわし」 淡交社 他

2021/07/03

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売