





イスクラ薬局(東京)
2022/09/15
ベテラン中医師の鄒先生。日本での漢方相談は、今年で18年になるそうです。
今回は、慢性炎症と老化の関係について伺ってみました。
Q:今年の春に発売された【星火散積宝】は、先生が開発されたお薬と聞いております。
腫瘍をご専門にされている先生が、“慢性炎症に対応できる漢方薬”を開発された経緯について、少しお話いただけますか?
A:今までの基礎と臨床研究により、慢性炎症はがんの発生、増殖、転移に関係していることがわかりました。炎症は様々ですが、清熱解毒の生薬は薬理実験で抗炎症作用があり、それを主にして“慢性炎症に対応できる漢方薬”を開発しました。
これは清熱解毒+補気の薬です。日本での清熱解毒薬はほぼ単味のものです。複数の生薬を組み合わせた薬はなく、これでは不十分だと感じていました。
Q:慢性炎症は老化とも関わりがあると伺いました。こちらについても、教えてください。
A:人体の組織の寿命によって、人は自然に衰弱していきますが、組織が老化すると慢性炎症が起きやすくなります。例えば、慢性萎縮性胃炎や変形性関節炎、これらは慢性炎症の1つですが、若い人にはあまりみられませんね。また慢性炎症が発生すると、老化も進行しやすくなります。つまり慢性炎症を抑制することで、老化を遅らせる可能性があると考えられています。
Q:慢性炎症には、どのような場合になりやすいのでしょうか?
A: 炎症因子には感染性と非感染性がありますが、例えば感染した病原体がなかなか除去できなかったり、自己免疫反応などが持続状態にあると、炎症は慢性経過となりやすいです。中医学では、炎症を引き起こす「邪気(じゃき)」が長期的に存在することで、「正気(せいき)」を消耗してしまい、正気不足と邪気残留が同時にあると慢性炎症になりやすいです。
Q:これまでの漢方相談を通して、日本人の体質をどう診ていますか?
A:日本人はまず第一に脾胃(消化吸収)が弱いです。湿度が高いなどの環境も問題ですが、ふだんから冷たいものを摂るなど飲食の問題もあります。
第二に陰虚(身体に必要な潤い成分の不足)が考えられます。これは生活習慣に問題があります。
寝不足や、夜遅い時間帯に起きていることにより、朝は無理やり起きることになる。これが原因となり、内熱(体内の熱で潤い成分が不足した状態)を発生させることになります。
中国では『唐の時代』、生活は豊かでした。
人々は運動不足や夜更かしをしたり、またお酒を飲みすぎていたので、この時には陰虚の人が多くいました。このような生活習慣は、高血圧や糖尿病を引き起こしやすくなります。
Q:それは興味深いお話です。やはり生活習慣は大事ですね。
先生からの養生のアドバイスをお聞かせください。
A:『睡眠を守る』
自然界の陰陽の転化に合わせて寝ることと起きることが大切です。
例えば、夜勤の人は翌日は頭がぼんやりして、口の乾燥、怒りっぽい、時間が長くなると陰虚、肝鬱、肝陽上坑の症状(身体に必要な潤い不足により熱が上に昇ってしまう状態)が発生しやすくなります。正常なリズムに合わせれば副交感神経は活発となり、人はリラックスしやすくなり、身体は自然な状態へ戻っていきます。
『食事の養生』
特に陰を補う食材がお勧めです。
例えば、すっぽん、れんこん、梨、琵琶などを食べると良いでしょう。
『運動』
筋トレだけでなく、骨粗鬆症の防止、心肺機能の改善、自律神経の調整が必要です。
運動の後は全身がリラックスし、気血の巡りが順調に改善され、気分も良くなります。
Q:では最後に、現代社会を生きる私達に対して、先生からひと言いただけますでしょうか?
A:『ストレスを解消する』
現代人はどうしてもストレスは避けられないですね。ストレスが溜まると気血陰陽の乱れが現れます。ストレスは必ず早く解消して身体に対する悪い影響を最小限にしておかなければなりません。
ストレス解消法としては、やはり睡眠の確保、運動、リラックスすることです。
リラックスの方法としては、趣味など自分の好きなことを行うと良いでしょう。
あと1つ、ストレス解消で有名な漢方薬としては『逍遥散』です。
『逍遥』とは、リラックスさせるという意味です。ストレスが溜まっている状態を肝気鬱滞(かんきうったい)と言いますが、逍遥散は肝気の巡りを改善し、ストレスによる消化吸収の不調を改善します。疏肝健脾(そかんけんぴ)ですね。現代人の常備薬として、ストレスが溜まった時は他のストレス解消法と一緒に逍遥散を飲むことをお勧めします。
現代人の常備薬は、ストレス対策の『逍遥散』。ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います。ありがとうございました。
2022/08/19
2022/07/25
今回は、尹先生にインタビューをしました。
新宿店で月1回、お客様とのご相談にあたられている尹先生。
元気で明るく、笑顔が素敵な先生です。
Q.来日するまで、どのようなお仕事をされていましたか?
私は1996年長春中医薬大学を卒業してから、北京にあります中医学でトップの総合病院である、国立中国中医科学院 広安門病院に21年間勤めていました。
循環器内科で外来患者と入院患者の診療を担当していた当時、中西医結合(ちゅうせいいけつごう:中医学と西洋医学の考え方を結合させて病気を治療する方法)で心臓疾患を治療する技術を向上するために、路志正(ろ しせい)国医大師に師事し、2012年に修士号を取得しました。
Q.来日したきっかけは何ですか?
子供の時から、日本がずっと大好きです。知人に紹介されたことがきっかけで、興味と勇気を持って、日本語のレベルがほぼゼロであるにも関わらず、2018年にイスクラ産業株式会社に入社しました。
Q.先生は循環器のご専門ですが、中医学からみた循環器疾患について少し教えて頂けますか?
循環器疾患は幅広く様々な病気が含まれています。多くの場合には、中医学が役に立ちますし、西洋医学と比較して、優位性がある場合もあります。
例えば、先天性心疾患、あるいは、生活習慣病による狭心症などの心疾患の終末期では、心不全に陥りやすくなります。
その場合には、腎臓の機能を最大限に守るようにし、中医学理論の「益気活血(えっきかっけつ:気を補い、血のめぐりを良くすること)、利水(りすい:尿から水を排泄すること)」という治療を通じて、心不全の治療をしていきますと、患者さんの生活の質を明らかに高めることができます。
高血圧や脂質異常症などには、中医学理論の「健脾化痰(けんぴかたん:胃腸の蠕動運動を良くし、余分な水を排泄すること)、活血通絡(かっけつつうらく:血や気の巡りを良くすること)」という治療原則を用います。生活習慣の指導をしながら、脾胃の調節や血流を改善することで、これらの病気のコントロールがしやすくなります。
Q.循環器疾患がある方へのおすすめの養生法は?
人体の気血と脾胃の間には緊密な関係があります。脾胃が順調に運行することは、気血を生じる基礎であります。
脾胃は体の真ん中にあるので、正常であれば、心腎相交(しんじんそうこう:心と腎が相互に作用し、相互に制約しあって、正常な生理活動を維持すること)、肺気と肝気の調和、陰陽のバランスを取ることができます。
気血が正常に運行することは、循環器疾患の方にとって大変重要ですので、循環器疾患の方に対する養生法の最も重要なことは、『脾胃の健康を守ること』です。
Q.先生はお料理がお上手ですが、何をよく作られますか?
中国にいた時には、日本の料理や文化が大好きでしたので、日本の太巻き寿司をよく手作りしていました。家族や友達たちに好評です。中国の水餃子も得意です。
Q.日本の好きな場所はありますか?
日本のつけ麺が大好きです。千葉松戸市にある中華蕎麦屋によく食べに行きます。
北海道にあるTOMAMUという星野リゾートが大好きです。三回行ったことがあります。
Q.最後に何か皆さんにメッセージをお願いします。
日本では、脾胃の弱い方がかなり多くいると考えられます。
また、日本人の方は内臓脂肪がつきやすいです。
内臓脂肪は、中医学の理論によると「痰湿(たんしつ:身体にたまったドロドロとした余分な水)」という邪気です。これは中医学基礎理論の「脾虚は痰湿を生じやすい」という観点から説明できます。
つまり、消化管の病気は、心臓や血管の疾患、心の病と並ぶ現代の日本を代表する病気といえます。
私の恩師である路志正先生は、中国でよく「雑病(ざつびょう)の大家(たいか)」、特に「脾胃病の大家」と呼ばれています。
雑病の大家という意味は、様々な病気に対して得意技を持つ巨匠ということです。
より多くの方々に中医学の知恵を伝えるために、恩師から学んだ知識や自分の臨床経験を活かして、皆様と共に、本分を尽くして頑張っていきたいと思います。
先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。
2022/07/16
今年は春も梅雨も、
あったような?なかったような?
気付けば、夏真っ盛り・・・・
なかなかハードな気候変化です。
身体が夏モードに切り替わらないうちからの連日の猛暑は、
思っている以上に、エネルギーの消耗が激しいようです。
夏の疲れやだるさなど、いわゆる夏バテは、
夏の暑さによる『気』と『陰』の消耗です。
消耗が進むと、疲れやだるさを感じるだけでなく
気力も落ちてしまいます。
こんなことになる前に、しっかりお身体を整えることが大切です。
まさにエネルギーチャージのごとく、
私達に必要な栄養を補うことのできる優れものなのです。
只今、7月1日~30日の期間、
麦味参顆粒のキャンペーンを行っています。
題して、麦味参顆粒キャンペーン『夏だ!祭りだ!麦味参だ!』
夏の暑さに負けない強い身体を作って、
自分らしい毎日を送るために。
麦味参顆粒を生活に取り入れて、元気な毎日を!
店頭で、お待ちしております。
2022/07/07