「食は生命活動の源であり、娯楽の一つでもあります。中国では 『薬食同源』 と言う言葉があり、文字どおり薬と食事は同じ源から得られると考えます。食事と健康は繋がっているんです。食事の際に『若い頃は食べられたのに・・・』『脂っこいものが最近はどうも・・・』と思う事はありませんか?年齢を重ねるごとに胃腸の働きは落ちます。そのため胃腸から吸収できるエネルギーが徐々に少なくなり老化現象に拍車をかけます。胃腸をいじめる原因をタイプ別に分けて考えましょう。
1. ストレスタイプ
悩みやすい方や仕事、人間関係などでストレスがたまりやすい方は胃腸を傷つけやすいです。これはストレスが『肝』に影響を与えるのですが、この『肝』への負担がかかりすぎるとすぐ近くの消化機能を司る『脾』を傷めるためです。お薦めの漢方は逍遥丸、開気丸です。お薦めのハーブはシベリア人参です。このタイプの方は運動で体を動かすのも効果的です。
2. 冷えタイプ
寒い季節になると食欲が落ちてしまう方、冷たい飲食物を取ると食欲が落ちてしまう方は体内の『陽』が不足しています。『陽』とは文字通り『温かさ』や『エネルギー』という意味合いです。特に体の『腎』の『陽』が不足すると消化を司る『脾』の陽も少なくなり、食べ物を消化できにくくなってしまいます。お薦めの漢方は健胃顆粒、蘭州金匱腎気丸です。このタイプの方はおなかを冷やさないように心掛けましょう。生姜湯などもおなかを温めるので良いですね。
大きく分けると以上の二つのタイプが食欲不振の原因になります。しかし他にも睡眠不足・喫煙・過労なども食欲を減退させる大きな要因です。初めにもお話ししましたが、食は健康と繋がっています。たかが食欲とは思わず、おいしい食事を取れるよう心掛けましょう。