春と肝の関係
春は環境や人間関係などに変化が多いので、落ち込んだり不安に駆られたりしやすくなりますが、
春という季節そのものが精神を落ち着かなくさせる季節でもあります。
中医学では春は肝と関連づけられる季節です。現代医学での肝臓は代謝や解毒などをしますが、中医ではその他に、
気分や精神状態を調整する働きを担っています。よって、意識して気持ちをゆったり保つように努めると同時に、
血を増やして身体を潤すものを頂いて、肝の機能がスムーズに働くようにしましょう。
素材について
アサリ(浅蜊)は中国語では蛤蜊といいます。アサリに豊富に含まれるタウリンは血中コレストロールを低下させ、
肝臓における解毒機能を高めます。中医では身体を潤し、余分な熱を冷ましてくれる作用が期待できそうです。
お椀に緑色を添えるのは菜の花です。菜の花のほろ苦さは、春のフワフワしがちな気持ちを落ち着かせてくれます。
春の野菜にはふきのとう、タラの芽、ウドなど苦みがあるものが多いのですが、
苦み成分は冬新陳代謝が悪くなって身体に溜め込んでしまった老廃物を排出してくれます。
中医では苦味は余分の熱を取り解毒する働きがあるとされていますので、ほろ苦春野菜にはデトックス効果があると言えそうです。
薬膳料理によく使われる枸杞子は赤い色がきれいなだけでなく、肝腎を補って機能を回復させてくれます。
アサリと菜の花の汁物
【材 料(二人分)】
砂抜きアサリ 200g
菜の花 約10cmのもの1束
枸杞子 20粒ほど
塩 少々
酒 小さじ1
【作り方】
- 菜花を洗って固めに茹で、水気を絞って器に盛りつける
- 枸杞子はひたひたの水に浸しておく。
- アサリは殻をこすり合わせてよく洗う
- 鍋にアサリ、水200cc、酒小さじ1を入れて火にかける。
- 浮いてきたアクを取り、アサリの口が開いたらすぐ火を止め、取り出して器に入れる。
- ゆで汁を濾して鍋に戻し、塩で味を調え、椀に注いで枸杞子を散らす。