秋は六気のうち燥の季節
六気とは、自然界の気候を六つに分けたもので、風、寒、暑、湿、燥、火とあります。秋はそのうちの燥の季節にあたります。
燥は読んで字のごとく空気の乾燥のことで、乾燥の程度が過ぎると燥邪となり、体に害をもたらします。
燥邪は美容の大敵!
燥邪は口から鼻に入り、肺を傷つけ、風邪や気管支炎、喘息などを起こします。又、燥邪により津液(体内の正常な水液、
または人体内の一切の体液)が不足となり、体内外に乾燥の異常が起き、口渇、空咳、痰が生じ、そして鼻、咽喉の粘膜が乾燥します。
更に燥邪は体表も侵し、毛髮のかさつきや肌荒れ、肌のかさつき、シワ、皮膚のかゆみ、口唇の荒れが起こって来ます。そう、
燥邪は美容にも大敵!なのです。
潤いの食材で燥邪に負けない身体に
そこで、今回は潤肺、滋陰の食材である鴨や山薬(山芋)、牛乳、蜂蜜、そして松の実を用いたメニューを考えました。更に、
風邪に効果的で鴨とも相性の良い葱(ここでは九条葱)もたっぷりと添えて、晩秋の養生食にふさわしいメニューとなっています。
一見洋風ですが、お醤油ベースの和風味で、新米ともよく合います。秋の養生食で、来るべき冬に備えた身体作りをしていきましょう!
是非お試しくださいませ。
鴨の蜂蜜ソース・山芋のマッシュ添え
材料(2人分):
合鴨胸肉 1枚
山芋 適量
九条葱 2本
蜂蜜 大さじ1
醤油 大さじ1杯半
水 50cc
牛乳 適量
松の実 適量
ピンクペッパー 少々
ナツメグ 少々
水溶き片栗粉 少々
作り方:
1.山芋は皮をむき、輪切りにして蒸し、柔らかくなったら鍋に入れて潰し、牛乳を少しずつ入れて好みのマッシュの柔らかさに仕上げ、
塩、ナツメグ少々で味を調える。
2.アイガモは余分な脂を切り取って筋を取り除き、皮目に1cm幅で浅く切り込みを入れ、熱したフライパンに皮目を下にして入れ、
中火弱で焼く。
3.アイガモの脂が出てきたら、出てきた脂を身の方にかけながら、返さずに弱火で7分焼く。
4.鍋に、醤油、蜂蜜、水を入れて弱火で煮立て、水溶きカタクリ粉でとろみをつける。
5.(4)の鍋に、(3)のアイガモを入れ、弱火でソースを絡めるように、何度も返しながら2分煮て取り出し、しばらく休ませる。
6.(3)のフライパンに残ったアイガモの脂で斜め切りにした九条葱を炒め、しんなりしたら薄く塩をふる。
7.アイガモを3mm厚さに切って器に盛り、(1)の山芋、(6)の九条葱を添え、(5)のソースをかけ、ピンクペッパー、
乾煎りした松の実を添える。
* 鴨の脂に配慮して、全体的にかなりあっさりとした味付けにしてあります。コクのある味付けがお好きでしたら、
ソースにお酒を入れたり、山芋のマッシュにバターを加えたりしてみて下さい。
* ピンクペッパーは、撮影用に張り切って多く散らしましたが、少し多すぎて辛味が邪魔になりました。
アクセントとしてほんの少しで結構です。お好みで、粒マスタードをつけても美味しいと思います。
主な食材とその効能
鴨:甘、鹹/平 脾、胃、肺、腎経 滋陰養胃、利水消腫、健脾補虚
山芋(山薬):甘/平 肺、脾、腎経 健脾、補肺、止瀉、益精固腎
蜂蜜:甘/平 肺、脾、大腸経 補中潤燥、緩急解毒、降圧通便
松の実:甘/温 肝、肺、大腸経 潤肺、滑腸
胡椒:辛/熱 胃、大腸経 温中下気、消痰、解毒、和胃
牛乳:甘/平 心、肺経 補虚損、益肺胃、生津潤腸
醤油:鹹/寒 胃、脾、腎経 解熱除煩、解毒
葱:辛/温 肺、胃経 発表、通陽
ナツメグ(ニクズク):辛/温、脾、胃、大腸経 温中行気、渋腸止瀉