秋と「燥邪」と免疫
中医では空気が乾燥しやすい秋は「燥」の季節です。
燥邪の侵入を受けると、肌が乾燥するだけでなく、乾燥に弱い鼻や喉や粘膜のトラブルも増えます。結果、体の邪気に対する抵抗力が落ち
(免疫力が落ち)風邪を引きやすくなるのです。よって、秋の薬膳には肺を潤し、
咳や肌の乾燥によい食材や免疫を強化する食材がよく使われます。代表的なものは梨、白キクラゲ、ギンナン、百合根、きのこ類です。
今回は栗ときのこの蒸しおこわを紹介します。きのこは秋が旬で種類も豊富に出回りますので、いろいろな種類を使ってみてください。
たくさんの種類を使う方がおいしくできます。なかでも肺を潤す白キクラゲはお勧めです。味が淡泊なのでどんな料理にも合わせやすい食材です。
栗も秋を代表する食べ物です。ただ、もち米も栗も消化が悪いので食べ過ぎるとかえって消化不良になりますので注意しましょう。
栗とキノコのおこわ
【材料】4人分
もち米 3カップ
しめじ 100g
舞茸 80g
エノキ 80g
白キクラゲ(乾物) 5g
椎茸 2枚
人参 30g
栗 大きいものなら15個
揚げ 刻んだもの30g
塩 適量
醤油 適量
みりん 適量
【下ごしらえ】
- もち米は研いで水(分量外)に約1時間浸けてからザルに揚げてしっかり水をきる。
- 栗は熱湯に浸けて鬼皮を柔らかくしてから皮を剥き、変色しないよう調理直前まで水に浸けておく。
- しめじと舞茸は食感を残すため粗くほぐす。
- エノキは3つくらいに切り、椎茸と人参はみじん切りにする。
- 白キクラゲは湯に浸けて戻し細かく刻む。
- 油揚げは、熱湯を回しかけて油抜きをし、しっかり水気を切って刻む。
【作り方】
- 鍋にだし2カップを入れ、人参と油揚げを煮る。
- 次にきのこ類を加えてさっと煮、調味料で味を調え、具と煮汁に分ける。
- 煮汁が2カップになるよう水を足し、もう一度味を確認する。
- 鍋に3の煮汁を入れて煮立て、もち米と栗を半分に切って加え、汁を全部吸わせる。
- 固く絞った蒸し布に4をあけ、蒸気の上がった蒸し器にかけて30から40分強火で蒸す。
- 蒸し上がったら、2の具を加えてさっくり混ぜ、盛りつける。
*きのこ類は良く水分が出るので、最後に加えた方がべちゃっとせず、食感も残ります。
*たっぷり入ったきのこの旨味が出るので、調味料は好みで味を見ながら調整してください。
【食材の功能】
もち米…甘/温/脾、胃、肺経/胃腸の働きを良くして元気をつける
栗…甘/温/脾、胃、腎経/脾胃の働きを正常にする
人参…甘/平/肺、脾経/脾の働きを高め滞りを解消する
白キクラゲ…甘/平/肺、胃、腎経/陰液を補い、肺を潤し、胃を保養する
椎茸…甘/平/肝、胃経/正気を助け虚弱した体を補強する