“肝”は肝臓だけではなく、情緒、ストレス、自律神経などと深く関わる機能としての意味があり、春になるとその機能にトラブルを起こしやすいのです。そして情緒不安定になったり、肝と関わりの深い目のトラブルや、肝の経絡の走行している部位である胸や下腹部の気の欝滞による張りなどの症状となって現れます。
そのようなトラブルの予防に、この季節は気の巡りを良くする食べ物を積極的に摂るようにしましょう!今回はその代表格である陳皮の効能や作り方などをご紹介します。そして、陳皮のお茶(橘香茶)を使ったケーキのレシピを日本橋店の星星新聞3月号でご紹介しますので、日本橋にお越しの際は是非お立ち寄り下さいね♪
陳皮(ちんぴ)とは?
英語名 Citrus unshiu peel
中国語名 陳皮、橘皮、新会皮、広陳皮
中薬名 陳皮
性味 辛・苦/温 帰経 脾・肺経
みかんの成熟した果実の皮を、陰干しや日干しにして乾燥させたものを橘皮といい、その古いものは陳皮と呼び、中国では中薬やお茶としてよく使用します。みかんの実は体を冷やしますが、陳皮は体を温めます。
陳皮は体を温めるほか、胃にたまったガスを追い出して消化を助けます。また、みかんの実の白い筋は「桔絡(きつらく)」といい、喉にたまっている分泌物を出す作用があり、痰が切れない人に有効です。
陳皮の中医学的な効能:
・理気健脾(気の巡りを良くして消化吸収を促進する)
・燥湿化痰(余分な水分(湿邪)を除き、痰を収める)
どんな症状に効果があるの?
消化吸収が弱っている時
・脾胃気滞(気の運行が阻害され、脾胃に溜まった状態)による脘腹脹満(お腹の膨張感)
・噯気(げっぷ)
・悪心(胸が苦しく吐きそうな状態)嘔吐などに
体の余分な水分が溜まっている時
・湿濁中阻(湿邪が脾胃の働きを阻止して機能を低下させた状態)による胸悶腹脹(胸が苦しく、お腹が張る)
・納呆倦怠(胃の収納機能の停滞によって起こる食欲不振、消化不良で体がだるい)
・大便溏薄(水のように薄い便)
・舌苔厚膩、及び痰湿壅滞(水液代謝の障害により気血の流れが滞っている状態)
・肺失宣降(肺の基本的な機能が失調する)
・咳嗽痰多気逆(下降すべき気機が上逆する状態)