これから秋の季節を迎えて、空気が乾燥して空咳が出そうだなという時に、
梨を使ったデザートなど如何でしょうか?
今月の日本橋店の星星新聞に“豆乳のブランマンジェ梨のコンポート添え”をご紹介していますので、
ご来店の際には是非ご覧下さい♪
“梨は肺を潤す”ことが薬膳へのきっかけ
今この原稿を書いている8月初旬の頃から、
ぼちぼち出回り始めるのが梨ですよね。
私事で恐縮ですが、薬膳に興味を持つきっかけになったのが、
この梨なのです。
十数年前上海に留学していたとき、
風邪を引いて喉が痛んで苦しんでいる時に、
大学の友人が「これは肺を潤す効能があるので」と梨を籠一杯に持ってきてくれました。
それまでの私は、野菜をなるべく摂るとか、バランス良い食事をするなど心がけてはいましたが、
食物にはそれぞれの性質、効用があり、体質や体調で選んでいくことができるなどとは全く知りませんでした。
しかも、中国では二十歳そこそこの女の子でも、そのことを当たり前の知識として知っていることにも驚きました。
その後、帰国してすぐに薬膳の道へ、というわけではなく紆余曲折ありましたが、
今こうしてこの漢方百科の原稿を書かせていただいているのも、言うなれば梨のおかげというわけですね。
前置きが長くなりましたが、これから空気が乾燥して空咳が出そうだなという時に、
梨を使ったデザートなど如何でしょうか?
今月の日本橋店の星星新聞に“豆乳のブランマンジェ梨のコンポート添え”をご紹介していますので、
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梨の中医学的な効能と期待できる適応症
なし(梨)
梨は、中国原産といわれるバラ科の落葉高木の果実です。
改良を加えた野生種が、中国から朝鮮半島を経由して日本へ伝播されてきたといわれています。
英語名:Pear 中国語名:梨、玉乳、蜜父、甘棠、杜梨、快果
性味:甘・微酸/涼 肺・胃経
中医学的な効能:
清熱降火生津(身体にこもった熱を下げ津液を増やして喉の渇きをとる)、
潤肺化痰止咳(痰を取り除いて肺をきれいにし、咳を止める)、
袪燥養血生肌(乾燥を解消して血を補い、肌を活性化する)
解除酒毒(酒の毒による症状を取り除く)
期待できる適応症:
熱病傷津(熱病による津液の損傷)或いは温熱病の後期、
陰虚煩渇(陰虚によるイライラや喉の渇き)、
燥咳(空咳)、
噎膈(胸膈が塞がって飲食物が下に降りない)
失声(声が出ない症状)
目赤腫痛(目が赤く腫れ痛む症状)、
消化不良、
便秘
備考:
・多食は脾胃を傷つけ、湿を発生させる
・脾胃虚寒で、嘔吐清水(透明な水を吐く)、大便溏泄(便がゆるい)、腹部冷痛、風寒咳嗽(寒さによる咳)患者は慎重に
・タンニン(殺菌作用、下痢止め、二日酔いの解消)、リンゴ酸(疲労回復、便秘の改善)、クエン酸(疲労回復、肝機能の改善)、カリウム(高血圧予防)
梨,なし,