この風習が大正時代から始まったことをご存じでしょうか?
今では中国語辞典に「秋刀魚」は、日本からの外来語でさんまのことと明記されています。
いったい、いつ頃、誰が、どのように紹介したのでしょうか?
おそらく「さんま」の旬が秋だと強調したかったのでしょう。

さんまは北太平洋で広く分布し、
季節にそって回遊する魚であることが知られています。
秋に産卵の為に寒流に乗って太平洋側では東北・関東沖を通過し近畿・九州沖までに南下し、
日本海側でも同様に新潟沖などを南下します。
時代と地方の違いによって、食べ方には違いもありますが、
秋のさんまは脂肪分が多く美味いと、
殆んどの日本人は「秋の味覚」と評しています。
料理の仕方は、塩焼、炊き込みご飯、刺身、酢しめ、煮物、
蒲焼、フライ、天ぷら、揚げ煮、などがありますが、本日は揚げ煮をご紹介します。
秋刀魚の揚げ煮
材料は(2人分):
さんま 1尾
ピーマン 1個
エリンギ 小1本
しめじ 50g
生姜 適量
下粉(米粉) 適量
〈衣〉 薄力粉 40g、水 30cc
揚げ油 適量
〈a〉出汁 大さじ4杯、みりん 10cc、砂糖 大さじ1/2杯、醤油 大さじ2杯
作り方:
①さんまは頭と尾を切り落とし、4等分の筒切りにし、ワタを取除き、手早く水洗いし、ザルに並べて、塩を振り、暫く置きます
②ピーマン、エリンギを食べやすい大きさに切り、しめじは石附きを取り、小房に分けます
③さんまの塩を洗い落とし、布巾で水気を切り、下粉をまぶします
④衣を作り、野菜から揚げます
⑤さんまは厚めの衣をたぷりつけ、揚げます
⑥鍋に〈a〉を煮立て、揚げたさんまを入れます。さんまに味が回ったところで、揚げた野菜も加えて、サッと煮て、器に盛り、おろし生姜をあしらいます

さんまにはDHAやEPA、タウリン等が豊富に含まれていて、
血栓や動脈硬化の予防に働き、体内の血流を改善することが知られています。
薬食同源では、さんま(秋刀魚)の性味は甘・平、帰経は脾胃、
効能は補虚損、健胃、活血と考えられています。
秋は食欲の秋ではありますが、読書の秋でもあります。
イスクラ茶房にある図書の中に、大正・昭和初期の12ヶ月の献立紹介の本があり、
10月だけ漢字で「秋刀魚」、11月、12月は「さんま」と書き分けています。
サンマ,さんま,