寒い冬がやっと終わって、桜ももうすぐ咲きそうです。まだ朝晩は肌寒いけれど、ちょっと頑張って春物を着始める頃ですね。春物はカラフルで薄い色や明るい色が多く、見ているだけで気持ちも華やぎますが、いざ着てみたら顔色がくすんでいて似合わない、という経験はありませんか?
中医では、冬は「封蔵(ふうぞう)」の季節です。寒さから身を守るために、また春に備えてエネルギーを蓄える、いわば省エネモードの季節です。新陳代謝が低下し、血行が悪くなって老廃物が溜まりがちなので、顔色もくすんでお肌がさがさの老け顔になってしまっているかもしれません。
『霊枢・邪気臓腑病形篇』という本の中に「十二経脈、三百六十五絡、其血気、皆上於面、而走空竅(十二経脈、三百六十五穴の血気は、すべて顔へ上がり、五官へ行く)」と書いてあるとおり、顔色には五臓六腑の気血陰陽の状態が反映されます。気血が十分にあり、内臓が正常に働いていると、お肌もきれいになります。
春はデトックスの季節なので、ほろ苦い春野菜で冬の間にたまった毒素の排泄を促しながら、消化が良く気血を養う薬膳も取り入れて、身体の中からきれいになりましょう。
今回は《中医養生薬膳大全》という本の「容顔美容薬膳」の中から、特別な生薬がなくても作れそうなレシピを翻訳してご紹介します。
養顔橘子飲(ミカンの美容ジュース)
【材料】
・みかん 100g
・リンゴ 200g
・人参150g
・白砂糖 20g
・白湯100cc
【作り方】
・ミカンは皮を剥き、リンゴと人参は良く洗って洗ってスライスする。
・ミキサーに全ての材料を入れ粉砕し、漉してジュースを飲む。
※1人分の量で、冬春に飲用。ビタミンが豊富でカゼ予防にもなり、美容効果もある。
紅棗菊花粥(ナツメと菊花のお粥)
【材料】
・ナツメ 50g
・うるち米 100g
・菊花 15g
・黒糖 適量
【作り方】
鍋に水8カップを入れ、沸騰したらナツメ、米、菊花を加え、吹きこぼれない程度の火加減にして煮る。焦げ付かないよう、時々底からかき混ぜる。煮詰まってきたら黒糖で味を調える。
※健脾補血、清肝明目の効果がある。長期的に続けると、血色が良く潤いがある顔色になり、皺もなくなる。病気にならないよう予防し、容貌を維持する作用がある。
みかん…甘・酸・平/肺・胃/潤肺生津・理気和胃
Mikan picking みかん狩り_06 / nAok0
リンゴ…甘・酸/涼/生津・除煩・益胃・醒酒
Apples / rumpleteaser
人参…甘・辛/平/脾・肝・肺/健脾和中・滋肝明目・化痰止咳・清熱解毒
Bunches of Carrots / swong95765
白砂糖…甘/平/脾・肺/和中緩急・生津潤燥
Sugar / Mel B.
ナツメ…甘/温/心・脾・胃/補脾胃・益気血・安心神・調営衛・和薬性
Dried red dates / Phoebe Lim
うるち米…甘/平/脾・胃・肺/補気健脾・除煩渇・止瀉痢
お米 / hibisaisai1
菊花…甘・苦/微寒/肺・肝/疏風清熱・平肝明目・解毒消腫
Chrysanthemum / 菊(きく) / TANAKA Juuyoh (田中十洋)
黒糖…甘/温/肝・脾・胃/補脾緩肝・活血散瘀
エコマル・ブログ
執筆: 国際中医薬膳師 大森 裕子(おおもり ひろこ)