イスクラ薬局(東京)

漢方薬相談・漢方百科 | イスクラ薬局KANPO HYAKKA

皮膚病(アトピーなど)

暑い時期の肌トラブルを解説します

ここ数年の温度変化は厳しく、特に夏の日差しは本当に強くなりました。強い日差しは肌への負担が大きく、またたくさん汗をかくことで“あせも”や“かぶれ”など、特に小さいお子様や肌の弱い方は用心しなければならない時期ですね。日差しと汗によるトラブルは、外側からの刺激によるものですが、中医学では外側からの影響だけではなく、体内の状況が影響していると考えています。

暑い時期の肌トラブルにはどんな特徴があるのでしょうか?
中医学から見たそのメカニズムや注意すべき点、対策方法などをご紹介していきます。


肌トラブルの主な原因


暑い時期に多い肌トラブルの原因といえば、まずは強い日差しによる炎症です。肌が赤くなったりヒリヒリとした痛み、また水膨れになる場合もあります。
日焼けは紫外線によるヤケドです。1週間ほどで皮が剥がれ落ち、色も赤から茶色に落ち着き、その後徐々に抜けていきますが、酷ければ発熱や倦怠感など、身体に影響が出る場合もあり重度な炎症となってしまいます。



また、汗も肌トラブルの大きな要因の1つです。
皮膚には多くの常在菌が存在していますが、汗により常在菌は活性化し、菌バランスが乱れてしまいます。これにより汗によるかぶれ(アクセサリーなどの接触性皮膚炎)を起こす場合があります。その他、汗腺が詰まってプツプツできてしまう汗疹(あせも)、また水泡のようなものができる汗疱(かんぽう)も汗をたくさんかくことで起こる症状です。



肌トラブルというと外側からの刺激によるものと思われがちですが、
中医学では体内の状況が皮膚に影響していると考えています。『皮膚は身体の鏡』、また『皮膚は身体の一番外側の臓器』と言って、皮膚に見えているトラブルは、身体の中で起こっている状態が外側に現われていると捉えているのです。つまり肌トラブルが起こっている時には身体の中にも問題があるとみるわけです。

暑さが及ぼす身体への影響


日本は周りを海で囲まれており、そもそも湿気を多く含みやすい環境にあります。
そのことから夏は特に湿度が高くなるわけですが、外気に湿気が多く含まれていると、身体の中の水分は外側へ出しにくくなり、また熱はこもりやすくなります。
中医学では、身体の中に溜まった余分な水分を『痰湿』、また長く留まりさらに熱がこもった状態を『湿熱』と呼びます。これらはどちらも身体に悪い影響を与えるものですが、気候などの自然環境が必ずしも身体に悪影響を与えるわけではなく、ふだんから余分な水分が排泄できていない方や、水分代謝がうまくいっていない方ほどは影響されやすく、つまりその方の体質が関係するということなのです。

体質とはひと言でいうと、生まれ持った(または親からもらった)体質と、生活習慣(主に飲食など)から作られた体質に分けられます。

生まれつき皮膚が弱い方、ご両親やご家族に皮膚トラブルを抱えている方がある場合、また胃腸の弱い方は水分代謝がうまくいかないケースが多いため、皮膚に影響が出てくる場合があります。さらに食生活に偏りのある方は要注意です。食材には性質があり、特に味の濃いもの、甘いもの、こってりした味付けや刺激物は『湿熱』を生む食べ物です。これらをよく好んで食べていると身体は徐々にその性質に傾いていき、『湿熱タイプ』の体質に向かってしまいます。



 

皮膚からわかる身体の状態


肌トラブルが起きた時に、皮膚の状態から体内で起きている状態をある程度診ることができます。特に暑い時期のトラブルでは大きく2つのタイプに分けられます。

皮膚の赤みが強い、熱感がある
炎症が強い状態を現わしています。

湿疹など隆起した状態、またはジュクジュクしたり浸出液がある
『湿』が外に現れた状態です。中に溜まったものがプクっと膨らんで皮膚に現れていると考えると分かりやすいでしょう。浸出液が黄色いものは『湿熱』の現れと言えます。 搔き壊してしまうと炎症がひどくなり化膿してしまうこともあります。

 

中医学での対策は?


身体の外側と内側の両面を考えて対策していきます。
まずは身体の中に溜まった不要なものを取り除きます。体内のお掃除をすると考えましょう。もちろん食事内容も見直すことが大切です。

【清熱解毒涼血】
まずは積極的に炎症を取り除くために赤みや熱・また痒みなどを取っていく漢方薬を使います。

【清熱解毒利湿】
盛り上がった湿疹や水泡、またジュクジュクがみられる場合には、体内に溜まっている余分な水分を出していく漢方薬を使います。

【健脾利湿】
胃腸の働きが弱い方は、整えながら不要なものを取り除く漢方薬が必要です。

【外用薬(パック)】
漢方薬をお水に溶いて外用薬としても使用することが可能です。内服と合わせておこなうことで中と外の両面から炎症を取り除く方法です。また極端に胃腸が弱く、漢方薬の服用が難しい方や小さいお子様にもお勧めの方法です。

【食事】
身体に不要なものが溜まりやすくなる食材は特に、脂っこいもの、こってりした味付け、甘いもの、刺激物などです。食べてはいけない!とは言いませんが、偏らないように注意する必要があります。消化の働きが弱い方は要注意です。葉物野菜は身体の熱を冷ましてくれる働きがありますので炎症がひどい時は積極的に摂りましょう。ただし胃腸に負担をかける可能性がありますので、温野菜がお勧めです。

【スキンケア】
スキンケアはとても大切です。
トラブルの起きた皮膚表面は弱く、整っていません。外側からの刺激を受けやすくなっているほか、掻いてしまって傷ができたり切れてしまって出血するなど、修復までに時間もかかります。面倒に思うかもしれませんが、この手間暇をかけられるかどうかが、回復までの時間短縮のカギとなります。

自分の肌にあった刺激のないものを選びましょう。
綺麗に洗った肌に保水で潤いを与え、保湿で蓋をします。
保湿力の高いものやオイルは、肌の熱がこもりやすくなり逆効果になる場合があるため、乳液やローションとクリームを混ぜるなどして薄くつけることがポイントです。

汗をかいたら、できるだけ早めに洗い流す、もしくは濡れたタオルなどで拭き取ります。
痒くなったら冷やすなど、極力触らない、掻かないことで肌の回復が早くなります。

近年の暑さにより注意が必要になってきたのはエアコンによる乾燥です。除湿モードはもちろん、冷房にしても除湿効果は働くそうで、空気中の水分は下がるため「朝起きたら喉が痛い」のと同じように肌の潤いも奪われています。肌が乾燥すれば、カサカサして“たるみ”や“しわ”の原因にもなってしまいます。綺麗な素肌を作るためにもスキンケアはしっかりおこないましょう!



暑い季節のトラブルを中心にご紹介しましたが、皮膚のトラブルの基本は炎症です。
『皮膚は内臓の鏡』気になった方はぜひお試しプレ相談でご自分の体質をチェックしてみてください。
また、お電話もしくはご予約フォームのご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
監修
more

店舗案内STORE GUIDE

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売